25 / 48
25
しおりを挟む
◆◆◆◆◆◆
「第一類大人の玩具?婬魔の指輪?」
俺が疑問を口にすると、隣に座る自警団副団長が説明してくれた。
「ダニエル君に、大人の玩具の話をするのは気が引けるが仕方ないね。この指輪は、『婬魔の指輪』と呼ばれるものなんだ。指輪の石には婬魔の欠片が封印されている。元々は、魔物と契約した人間のあぶりだしに使われていた」
「魔物と契約した人間?」
俺が首をかしげると、今度はエアハルトが説明してくれた。何故かエトヴィンは席には着かず、立ったままだ。エトヴィン・・脂汗垂らしてない?気のせいか?
「魔物と契約した者にこの指輪をはめると、指輪に封印された婬魔の欠片が力を得る。その結果として、指輪は禍々しい色に変色する。処刑が盛んだった時期は、指輪の色が変色すると、即ギロチン台で首をはねられたそうだよ、ダニエル」
「おぅ、いきなり処刑かよ!?」
「だが、欠陥が見つかってからは、別用途にしか使われなくなった」
「どんな欠陥が見つかったんだ?」
「魔力がなかったり、魔力が弱い人間が指輪をはめると即死する。指輪の変色を確認する前に、人が死ぬ。かなりの欠陥だろ?」
「その人達は、魔物と契約していたの?」
「いや、どうだろうな?魔力の有り無しで、魔物と契約できるかどうかは、今でも学会で意見が別れている。まあ、俺には、不明としか答えられないな」
「じゃあ・・無実で即死もあり?」
「欠陥品だろ?」
「ひどい欠陥だよ、エアハルト。俺の住んでいた村人の半数は、魔力がなかったよ?」
エアハルトは、肩をすくめるだけだった。英雄は時に反応が冷たい。
「欠陥が見つかり『婬魔の指輪』は、処分されるはずだった。だが、『婬魔の指輪』には『第一類大人の玩具』としての、新たな人生が待っていた」
「第二の人生が大人の玩具って、何だか可哀想じゃない・・『婬魔の指輪』」
「可哀想かどうかはともかく、『婬魔の指輪』は、新たな人生で本領を発揮した。こちらが、天職だったとも言えるかな?」
「ふーん?」
「まず、前提として指輪を使用するのは、魔物と契約していない魔力持ちたちだ」
「ふむ?」
「例えば、魔力持ちの貴族が、魔力持ちの孕み子と婚姻したとする。だが、貴族が恋愛結婚をすることはまれだ。互いに気分はのらないが、子は欲しい。孕み子と仲良く閨を共にするには、男が孕み子に愛情を傾ける事が一番だ。だが、男は段階を踏む事が面倒になってしまった。孕み子には無理やりにでも、その気になって欲しい。そこで、登場するのが『婬魔の指輪』だ。男は指輪を孕み子にはめる。すると・・ものすごい事になる」
「ものすごい事ってなんだよ??」
◆◆◆◆◆◆
「第一類大人の玩具?婬魔の指輪?」
俺が疑問を口にすると、隣に座る自警団副団長が説明してくれた。
「ダニエル君に、大人の玩具の話をするのは気が引けるが仕方ないね。この指輪は、『婬魔の指輪』と呼ばれるものなんだ。指輪の石には婬魔の欠片が封印されている。元々は、魔物と契約した人間のあぶりだしに使われていた」
「魔物と契約した人間?」
俺が首をかしげると、今度はエアハルトが説明してくれた。何故かエトヴィンは席には着かず、立ったままだ。エトヴィン・・脂汗垂らしてない?気のせいか?
「魔物と契約した者にこの指輪をはめると、指輪に封印された婬魔の欠片が力を得る。その結果として、指輪は禍々しい色に変色する。処刑が盛んだった時期は、指輪の色が変色すると、即ギロチン台で首をはねられたそうだよ、ダニエル」
「おぅ、いきなり処刑かよ!?」
「だが、欠陥が見つかってからは、別用途にしか使われなくなった」
「どんな欠陥が見つかったんだ?」
「魔力がなかったり、魔力が弱い人間が指輪をはめると即死する。指輪の変色を確認する前に、人が死ぬ。かなりの欠陥だろ?」
「その人達は、魔物と契約していたの?」
「いや、どうだろうな?魔力の有り無しで、魔物と契約できるかどうかは、今でも学会で意見が別れている。まあ、俺には、不明としか答えられないな」
「じゃあ・・無実で即死もあり?」
「欠陥品だろ?」
「ひどい欠陥だよ、エアハルト。俺の住んでいた村人の半数は、魔力がなかったよ?」
エアハルトは、肩をすくめるだけだった。英雄は時に反応が冷たい。
「欠陥が見つかり『婬魔の指輪』は、処分されるはずだった。だが、『婬魔の指輪』には『第一類大人の玩具』としての、新たな人生が待っていた」
「第二の人生が大人の玩具って、何だか可哀想じゃない・・『婬魔の指輪』」
「可哀想かどうかはともかく、『婬魔の指輪』は、新たな人生で本領を発揮した。こちらが、天職だったとも言えるかな?」
「ふーん?」
「まず、前提として指輪を使用するのは、魔物と契約していない魔力持ちたちだ」
「ふむ?」
「例えば、魔力持ちの貴族が、魔力持ちの孕み子と婚姻したとする。だが、貴族が恋愛結婚をすることはまれだ。互いに気分はのらないが、子は欲しい。孕み子と仲良く閨を共にするには、男が孕み子に愛情を傾ける事が一番だ。だが、男は段階を踏む事が面倒になってしまった。孕み子には無理やりにでも、その気になって欲しい。そこで、登場するのが『婬魔の指輪』だ。男は指輪を孕み子にはめる。すると・・ものすごい事になる」
「ものすごい事ってなんだよ??」
◆◆◆◆◆◆
63
お気に入りに追加
1,969
あなたにおすすめの小説
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。
みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。
男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。
メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。
奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。
pixivでは既に最終回まで投稿しています。
悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい
椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。
その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。
婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!!
婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。
攻めズ
ノーマルなクール王子
ドMぶりっ子
ドS従者
×
Sムーブに悩むツッコミぼっち受け
作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
雪を溶かすように
春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。
和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。
溺愛・甘々です。
*物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる