40 / 99
郭嘉は怒る。『演義』と『正史』の違い
しおりを挟む
#創作BL #BL小説 #AIイラスト #BL漫画
「曹操さまに進言いたします!」
「郭嘉か。申してみよ」
「赤壁の戦いについての、曹操さまのお立場をお聞きしたいのです。」
「傷口を抉るな、郭嘉。しかし、お前は赤壁の戦いの折には、既に亡くなっていた。そのお前が赤壁の戦いについて語るのはおかしくないか?」
「おかしくはありません。天に昇った私は星となり曹操さまを見守っておりました。曹操さまが『郭嘉がおれば負けはしなかった』と仰って下さった事には感謝しております」
「お前は文若ほど儒家に縛られていないのがよい。まあ、能力的には文若が上だとは思うがな」
「酷いです、曹操さま!」
「怒るな、奉孝。で、赤壁の戦いについて何か言いたいことがあるのだろ?申してみよ」
「では申し上げます。赤壁の戦いの描写が『正史』と『三国志演義』では余りに異なります。『演義』における劉備どのや諸葛亮どのへの贔屓は目に余ります。」
「ふむ、まあそうだな」
「特に呉の周瑜どのに対する扱いがあまりにひどい!公瑾どのは諸葛亮どのの当て馬にするなど、公瑾どののキャラを活かしきれていません。美貌が悔しげに歪む描写は美味しいですが、もっと周瑜どのの活躍を見たい!」
「まて、郭嘉。お前は魏の軍師であろう。何故呉の周瑜に肩入れする。もしや、呉に通じておったのか!?」
「嘆かわしや、曹操さま。私は身体にむち打ち曹操さまに仕えたというのに疑うのですか‥‥ホントに酷い」
「悪かった、奉孝。」
「‥この様に明らかに蜀よりの『演義』において、曹操さまは喜々としてその役を演じておられます。『正史』よりも『演義』を好んでおられる様に見えます。魏の王となられる方がなぜ蜀におもねるのですか、曹操さま!」
「ふ、決まっている。『演義』では俺の前に赤兎馬に跨り立ちふさがる関羽が現れるのだぞ!この機会を逃してたまるものか!あの関羽が義を通し俺を見逃すのだ。主である劉備を裏切るあの瞬間を‥逃せるはずがない。」
「やはり‥‥関羽どのが原因でしたか。そうだとは思っておりました。関羽どのに贈り物を贈り続けた曹操さまらしいです。まあ、受け取ることなく逃げ出したわけですが‥それほど関羽どのが好きですか」
「あれは傑物だからな。劉備には勿体ない。とにかく、俺は『演義』を支持する。文句はあるまい、郭嘉」
「くっ、曹操さまがそれでよろしいのなら。確かに、『演義』における曹操さまは格好いいですものね。悪役キャラにある独特の魅力があります」
「そうだろ?」
「ですが、私は『正史』の曹操さまが大好きです。誰よりも貴方は優れておいでです。軍略も政策も誰にも負けない。優れた部下に慕われておられた。だから、私は曹操さまに仕えたのです。」
「郭嘉、俺はお前に相応しい主だったか?」
「勿論です、曹操さま」
「それは良かった。しかし、奇妙な夢を見ているな」
「これは夢ではありません。周りに集うは曹操さまの手足となり戦い、そして亡くなった者たちです」
「なるほど、ここは死者の国か。ならば、俺は死んだのだな」
「はい、曹操さまはお亡くなりなりました。ですから、こうして郭嘉がお迎えにあがったのです」
「女人に迎えに来てもらいたかったが‥‥まあ、郭嘉ならばよいか」
「孟徳さま」
「奉孝、死者の国を案内しろ」
「はい!」
「曹操さまに進言いたします!」
「郭嘉か。申してみよ」
「赤壁の戦いについての、曹操さまのお立場をお聞きしたいのです。」
「傷口を抉るな、郭嘉。しかし、お前は赤壁の戦いの折には、既に亡くなっていた。そのお前が赤壁の戦いについて語るのはおかしくないか?」
「おかしくはありません。天に昇った私は星となり曹操さまを見守っておりました。曹操さまが『郭嘉がおれば負けはしなかった』と仰って下さった事には感謝しております」
「お前は文若ほど儒家に縛られていないのがよい。まあ、能力的には文若が上だとは思うがな」
「酷いです、曹操さま!」
「怒るな、奉孝。で、赤壁の戦いについて何か言いたいことがあるのだろ?申してみよ」
「では申し上げます。赤壁の戦いの描写が『正史』と『三国志演義』では余りに異なります。『演義』における劉備どのや諸葛亮どのへの贔屓は目に余ります。」
「ふむ、まあそうだな」
「特に呉の周瑜どのに対する扱いがあまりにひどい!公瑾どのは諸葛亮どのの当て馬にするなど、公瑾どののキャラを活かしきれていません。美貌が悔しげに歪む描写は美味しいですが、もっと周瑜どのの活躍を見たい!」
「まて、郭嘉。お前は魏の軍師であろう。何故呉の周瑜に肩入れする。もしや、呉に通じておったのか!?」
「嘆かわしや、曹操さま。私は身体にむち打ち曹操さまに仕えたというのに疑うのですか‥‥ホントに酷い」
「悪かった、奉孝。」
「‥この様に明らかに蜀よりの『演義』において、曹操さまは喜々としてその役を演じておられます。『正史』よりも『演義』を好んでおられる様に見えます。魏の王となられる方がなぜ蜀におもねるのですか、曹操さま!」
「ふ、決まっている。『演義』では俺の前に赤兎馬に跨り立ちふさがる関羽が現れるのだぞ!この機会を逃してたまるものか!あの関羽が義を通し俺を見逃すのだ。主である劉備を裏切るあの瞬間を‥逃せるはずがない。」
「やはり‥‥関羽どのが原因でしたか。そうだとは思っておりました。関羽どのに贈り物を贈り続けた曹操さまらしいです。まあ、受け取ることなく逃げ出したわけですが‥それほど関羽どのが好きですか」
「あれは傑物だからな。劉備には勿体ない。とにかく、俺は『演義』を支持する。文句はあるまい、郭嘉」
「くっ、曹操さまがそれでよろしいのなら。確かに、『演義』における曹操さまは格好いいですものね。悪役キャラにある独特の魅力があります」
「そうだろ?」
「ですが、私は『正史』の曹操さまが大好きです。誰よりも貴方は優れておいでです。軍略も政策も誰にも負けない。優れた部下に慕われておられた。だから、私は曹操さまに仕えたのです。」
「郭嘉、俺はお前に相応しい主だったか?」
「勿論です、曹操さま」
「それは良かった。しかし、奇妙な夢を見ているな」
「これは夢ではありません。周りに集うは曹操さまの手足となり戦い、そして亡くなった者たちです」
「なるほど、ここは死者の国か。ならば、俺は死んだのだな」
「はい、曹操さまはお亡くなりなりました。ですから、こうして郭嘉がお迎えにあがったのです」
「女人に迎えに来てもらいたかったが‥‥まあ、郭嘉ならばよいか」
「孟徳さま」
「奉孝、死者の国を案内しろ」
「はい!」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
愛老連環の計
青伽
BL
爺受け。BLと女攻めがあるため注意。
昔話の「美女連環の計」を、義父と養女の立場逆転させた話。
元の話は知らなくても、全部物語の中に入っているので問題ありません。
董卓(ノンケおじさん)、呂布(ガチムチ)、貂蝉(養女)の三人が攻め。
全てで王允(義父)受け。
3pはありません。オチは養女×義父両想いで終わります。
地雷報告受け付けておりません。
苦手な方は避けてくださいお願いします。
男女カプの昔話をBLへ変更したため、おかしな点があります。細かい所は難しく考えず読んでください。
昔書いた話を少しずつ張り付けていく予定。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
台風の目はどこだ
あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。
政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。
そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。
✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台
✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました)
✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様
✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様
✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様
✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様
✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。
✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる