✿三国志小話をAI挿絵と共に✿

華佗と曹操の亀裂

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「華佗、何故俺から逃げる？」
「逃げてはおりません、曹操さま」

「散々の呼び出しにお前は応じることなく、勝手に帰郷した。更には妻が病だと俺に嘘をついた！」

「妻が病であったことは真実です。」

「ふん、白々しい。くそ、頭痛がする。華佗よ、この忌々しい痛みをなんとかしろ‥。痛みで何もできない。」

「曹操さまに必要なものは休養です。私が治療を施そうとも‥貴方様に病を治す気持ちがなければ治る病も治りません。その事はご自身がおわかりのはずです」

「黙れ、華佗。何でもいい。治療をせよ。その奇妙な方技で痛みを取り除け、華佗よ。」

「‥方技ではなく医術です、曹操さま。貴方様は私を厚遇しているとお思いでしょうが、その御心の中では蔑んでおられる。その御心が見えるのに‥どうして仕えることができましょうか」

「俺は華佗を厚遇している」
「いいえ」
「華佗」
「曹操さま、私の帰郷をお許し下さい。病の妻が待っているのです」

「もうよい。お前の行き先は牢だ」
「っ！」
「役立たずに興味はない」

「曹操さま！」
「処罰はいずれ下す。牢の中で時を過ごすとよい」

◇◇◇

華佗の死後、曹操の幼子・曹沖（そうちゅう）が病にかかり、名医の治療が必要になった。

だが、すでに華佗はいない。やがて幼子はなくなり曹操を嘆いた。

「息子を殺したのはわしのせいだ！」

慟哭する曹操の姿があった。