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第25話 速水の殺意
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「はぁ・・あ、いっちゃう、清二さん。触ってぇ・・もう出そう」
「俺も、やばい・・うっ、どこを触れって?」
速水は俺に体内を突かれながらも、腰に触れた俺の腕を掴むと隠れた部分に導いた。触れた先は、速水の隆起したペニスだった。俺は興奮が頂点に達して、思わず速水のそれをきつく握り込んでしまった。突然、直腸の襞が絡まるように、俺のペニスを締め上げた。
「ひぁあ!!」
「うぉ!!」
ほぼ、同時だった。俺は、速水の体内に、速水はベッドのシーツに、精液をぶちまけていた。気持ち良すぎて、背骨に快感の波が走った。呆然としながら、速水の背中に身を預ける。速水は荒い息をしていたが、達した後も俺に挿入を許した。俺は、思わず呟いていた。
「くそっ!!」
「えっ!?」
俺の声に反応し体を震わせたのは速水だった。速水は突然狼狽えだし、挙句に泣きだしてシーツに顔を埋めた。その反応に、今度は俺自身がおろおろし始める。
「ど、どうした・・速水?」
「・・・」
「速水?」
「だ、だって・・『くそっ』って・・言った。あの・・ごめんなさい、満足・・させられなくて」
「いや、今の『くそっ』は自分に対して言った言葉だ。興奮してお前のペニスを握ったら、射精感が半端なくて、耐えられんかった。もっと繋がっていたかったと思ったら声が出てた」
「・・・・」
「速水?」
俺はペニスをずるりと抜き出すと、うつ伏せの速水を仰向けにさせた。速水は、真っ赤な顔をして俺を見つめていた。その姿が何とも可愛らしく思えて、思わず唇を奪っていた。
「んっ・・」
くちゅりと水音を立てながら、速水の舌を絡めとり咥内を貪る。腕を速水の背に回し抱きしめると、速水もぎこちなく背に手を回してきた。こいつは、どうしてベッドの中では俺の好みど真ん中なんだろう。男なのが惜しい。こいつが相手なら、たとえ男であろうとも何時でも勃起したい。挿入したい。
速水の唇を解放し、俺は胸の中の男をまじまじと観察した。
初回のセックスがまずかったのだろうか?怒りが生じた時だけ男に勃起するという奇妙な性癖が身についてしまった。これは改善できないものだろうか?他の男を練習台にして、平常時でもこいつを抱けるように訓練すべきだろうか??
「んんっ、上の空」
「あ?」
「今、清二さん・・女の事を考えていたでしょ?」
「いや待て、どうしてそうなる」
「口直しに、次は女を抱くかって顔してましたよ?」
「してない・・それから、話を逸らそうとしても無駄だぞ。今から、俺はお前にお説教をするからな」
「わかりました。存分に殴ってください」
速水がベッドから出て正座しそうになったので、俺は慌てて速水を抱きしめてベッドに押し戻した。速水が奇妙な顔をしている。俺はため息をつきながら口を開いた。
「説教であって、折檻じゃない。それに、セックスをして疲れているだろ・・その俺の胸でよければ寄りかかれ」
「はい、清二さん」
速水は素直に俺の胸に頭を押し当ててきた。俺は、速水を横抱きにしながら口を開いた。
「お前は、『かさぶらんか』の地下に刺青の男が現れた時に・・即座に殺害計画を立てたな?」
「・・・・」
「答えろ、速水!」
俺は速水の腕に嵌った腕時計をコツコツと指で叩いた。速水は、悪戯がばれたとでもいうように、薄っすらと笑みを浮かべた。そしてゆっくりと話し出す。
「もし、秋山を襲っているのが『ムカデ男』でなければ、僕も2号室には向かわなかった。ひょろひょろの僕じゃ、足手まといになるだけだし。でも、あいつは殺したかった。『初物』の僕を一番最初に穢した相手だから。二十歳を迎えても・・その恨みは消えていなかった」
「俺が怒っている理由も分かっているな?」
速水が奇妙な笑顔を浮かべて笑う。その笑顔が『寂しい』と俺の胸に訴えかけてくる。俺は、その訴えをあえて無視した。僅かに傷ついた表情を浮かべた速水だが、その瞳に涙はなかった。
「清二さんの特別は、竜一さんと竜二さんでしょ?いずれは青山組を引き継ぐ大事な人材。それ以上に、息子のように思っているのでしょ、二人の事を。僕が清二さんの忠告を無視して、2号室に向かったことに怒りを覚えた訳じゃない。僕が、竜二さんに『ムカデ男』を殺させたから・・怒っているんでしょ?」
「どうやって、竜二をあの場所に呼び出した?」
「呼び出してないですよ。二十歳の誕生日に、竜二さんからこの時計をもらいました。この時計、細工が物凄いんですよ?一度嵌めると外せないし、盗聴とかGPSの機能もあるんじゃないかな?だって、これを貰ってから竜二さんってば、タイミングよく僕の前に現れすぎなんだもの」
俺は頭を抱えそうになった。さっき腕時計を指で叩いたのは、単なる偶然だった。竜二を『ムカデ男』を殺す計画に巻き込んだことを示唆するために、竜二が贈った腕時計に触れただけだ。竜二が速水を囲いたがっている事は分かっていたが、その独占欲は兄の清一以上かもしれない。
「竜二さんが来てくれるかは・・賭けだった。でも、竜二さんがあの場所に来てくれたら、『ムカデ男』を殺してくれるって確信してた。僕が清一さんの囲いから解放されたと同時に、竜二さんも父親の囲いから解放されたんだよ?竜二さんに父親殺しはできなかったけど・・それ以外なら殺してくれるって思ってた」
「護衛の伍代を早急に突入させるべきだったな」
「あ、なるほど。彼が突入しなかったのは、清二さんの指示だったわけですね。それで、納得しました。ドアの前にいるのに助けに入らない伍代さんに対して、不信感を抱くところでした」
「俺は、今・・お前に不信感を抱いるがな、速水?」
「分かってます。でも、清二さんの心が離れても、あいつは『ムカデ男』は僕の目の前で消し去りたかった。それなのに、あいつが死ぬところを僕は覚えていない。解離状態に陥って、『ムカデ男』が死ぬところを見逃した。こんな間抜けな事ってあります?最悪ですよ」
速水が僅かに体を震わせる。それが演技なのかどうかも、俺には分からなかった。速水は俺の胸の中で抱かれたまま、告白を続ける。
「『ムカデ男』の前で解離状態になって、刺青男にみっともない姿を見せちゃった。悔しい。きっと、あいつは笑ったに違いないから。なのに・・全然覚えてない。あいつが死ぬ瞬間を、この目で見たかった。その為なら、竜二さんとの絆がその後に断ち切れてもいいと思った」
「速水」
「でも、駄目だ。竜二さんとの絆を断ちきりたくない。幼馴染なのに。初めて、僕の存在を認めてくれたのに。嫌だ。手放したくない。どうしよう、どうしよう。きっと、利用されて・・竜二さん怒ってるよね」
いや、寧ろあいつは喜んでいるだろうな。今の会話を聞いているのかどうかは分からないが、速水の言葉にあいつはにやけているはずだ。その姿が目に浮かぶ。俺は、速水の腕を掴んだ。
「とにかく、この腕時計は外す必要があるな」
「あ、ヤダ!!」
突然速水が俺の胸から逃げ出した。そして、裸のままベッドから転がり落ちた。俺は慌てて、速水の傍による。
「嫌だ!!誰にもあげない。これ、清一さん以外から初めて誕生日に貰ったプレゼントなんだよ!!父さんにも貰ったことなかった。清一さんの誕生日プレゼントは性玩具ばっかりで、貰ってもちっとも嬉しくなかった。誕生日の日にそれで僕を弄ぶ事を楽しみにしていたから。清一さん、誕生日の日も『かさぶらんか』のお花をくれたら良かったのに。それなら、喜んで受け取ったのに!!」
俺は速水を抱きしめていた。
「速水。お前を『性奴隷』ではなく俺の『愛人』にしたのは、竜一と竜二をお前から守るためだ。お前は、人を闇に堕とす。兄貴の清一がお前の為に何人の人間を殺したか知っているか?あいつはお前を手放さない為に、必死に人を殺しまくっていた。お前の父親も、とっくに殺されている」
「・・・父さんが・・殺された?」
俺は速水を抱きあげベッドに押し倒した。暴れぬように速水に体重をかけて口を開いた。
「お前の父親は、お前が清一の囲われ者になったと聞いて組を訪ねてきた」
「父さんは、僕を助けに来てくれたんだね!!」
「いや、お前の父親は金を要求してきた。子供を売るから、金をくれってな」
「あっ・・・あ、ぁああ」
「そして、清一はお前の父親を殺した。お前はあの女教師を覚えているか?お前の家庭教師の?」
「彼女も、死んだの?」
「流された先は、酷い違法風俗店だった。犯されまくって、薬でらりって、最後は客に殴られて死んだ」
「そう・・そうなの」
俺は速水の唇を奪っていた。抵抗は全くなく、舌を絡ませることもなかった。俺は唇を解放すると速水に話しかけていた。
「俺にしておけ、速水。俺は、狂っても構わん。だが、竜一と竜二を闇に堕とすのはやめろ。あいつらを、兄の清一と同じように穢すなら・・俺が、お前を殺してやる」
速水は目を見開き俺に抱きついてきた。その瞳からは涙が溢れていた。
「殺してくれるなら、貴方がいい。清二さん、僕が皆を穢さないように・・離さないで」
俺は、ふと自身のペニスが再び立ち上がっている事に気が付いた。さっきは、ズボンを履いたまま速水を犯していたのかと自分に呆れつつ、今度は全裸になった。そして、速水を抱き上げ胡坐を作り、背後から速水を抱いて切れて痛々しいアナルにペニスを挿入した。
「ぁあ・・んぁ」
速水は泣きながら俺のセックスに応じた。
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