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第17話 ムカデ男
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ムカデ男が、今日の最初の客とはついていない。こいつに犯されたら、一日動けない傷を負う。そのせいで、他の客を逃がす。そう思ってから、自分が既に性奴隷の思考に侵されている事に俺は吐き気を覚えた。
「よう、ひさしぶりだな・・秋山?」
「三日前にも来ただろ?」
「ち、性奴隷のくせに媚もうれねーのか。まあいい、今日はお前に別れのあいさつに来てやったんだ」
「ようやく俺に飽きたか?」
「まあ、それも多少あるな。『かさぶらんか』のオーナーが正式に決まった事をお前は知ってるか?」
「いや」
「ま、性奴隷のお前には関係ないことだな。そいつが、青山組の組長の愛人らしい。で、『かさぶらんか』で問題起こしそうな客は全員追っ払いにかかってる。俺もその内の一人だ。丁寧な事に、金と、俺好みの囲い奴隷を送ってくれてな、それで手を打つことにした」
「それは良かったな」
つまりこいつはもう、俺の前には現れないという事か。俺は心底安堵している自分に、苦笑いを浮かべそうになった。
父子家庭で育ちながら、俺は父親を尊敬することができなかった。風俗店の雇われ店長だった親父は、風俗店のオーナーに殴られ土下座する姿を何度も目にした。親父は小心者だと思っていた。その親父が、まさか女に貢ぐために売り上げ金を摘まんでいるとは思いもしなかった。
しかも、そのツケが俺に回ってきた。親父は自殺してヤバい立場になったことは理解したが、法が俺を守ってくれると信じていた。だけど、訪ねた弁護士事務所が悪かった。弁護士は、風俗店オーナの逆恨みを恐れて、俺を売った。
「『かさぶらんか』の性奴隷じゃ、お前には物足りないんじゃねーの?あれだけ地下で可愛がってやったのに、鳴き声一つあげなかったのは、お前ぐらいだ。不感症のお前じゃ、こんな生ぬるい環境じゃ満足できないだろ?」
「俺はここで満足している。それより、さっさと俺を犯したらどうだ?」
「あー、俺を誘ってるのか?いいぜ、犯してやる」
「ああ、そうしてくれ・・あんたは、客だ」
ムカデの刺青を腕に入れたこいつは、ビルの地下に俺を閉じ込めると、日に何度も犯した。それは、地獄の日々だった。男は俺を裸にすると両手首をベッドに拘束して、ペニスをねじ込んだ。初めて男を受け入れた俺の尻は、真っ赤に染まり男のペニスも赤黒く染まっていた。それでも、男は抜き差しをやめなかった。
男は毎日地下にやってきた。そして、体位を変えながら毎日責苦を俺に与え続けた。男は俺に悲鳴を上げさせたがっていた。それが分かっていたからこそ、痛みと苦しみの中、俺は悲鳴だけは上げまいと唇を噛みしめて呻き声だを漏らしていた。それは意地だった。男に犯される男の単なる意地に過ぎなかった。
それが、ある日突然地下から解放されて、連れてこられたのが『かさぶらんか』だった。結局、性奴隷の身の上は変わらなかったが、あの男の地下よりはずっとましだった。例え、ムカデ男が客として店に現れても、客として扱えばよいだけだ。もし、こいつに囲われていたら・・俺は確実に廃人になっていただろう。
「じゃ、両手首をこれで拘束しろ」
「拘束具はいらない。抵抗をするつもりはない」
いきなりだった。俺は拘束具で脇腹を殴られていた。
あまりの激痛にその場にしゃがみ込むと、男は俺をベッドに無理矢理押し倒した。そして、両手首を拘束された。俺は思わず唇を噛みしめたが、抵抗はしなかった。俺は性奴隷であり、相手は客だ。相手の好きなようにさせればいい。そういう仕事なのだから。
ムカデ男は俺のズボンと下着をはぎ取ると、せわしなく自身のペニスもズボンから引き出す。男は俺の両足を自身の肩に乗せると、ニヤリと笑ってアナルにペニスを押し付けた。俺は衝撃にそなえた。ぎしりとベッドが軋み男のペニスが俺の体内を貫いた。アナルが切れたことは明らかだ。三日前にやられてまだ傷が癒えていない。
痛みに全身が震えたが、俺は必死に悲鳴をかみ殺した。男は俺の顔を見たまま、ぎしぎしと体内奥深くにペニスを突き込む。俺は天井を見つめたまま、男にされるがままになった。性奴隷として、それが正しい。それでも、胸に湧き上がる嫌悪は止められない。
直腸の襞を巻き込むようにペニスが激しく出し入れされる。ぎりぎりまで抜き、そして奥に突き込まれる。体が揺さぶられ、吐き気がした。
だが、男の行為は突然終わった。男は俺の体内に早々に精液を吐き出すと、すぐさま体内からペニスを引き抜いた。そして、濡れたままのペニスをズボンに押し込む。
「・・・?」
「やっぱ、ペニス突っ込むだけじゃ、悲鳴一つあげねーな。おもしろくねぇ・・つうわけで、これを使うわ」
「バイブ?そんな・・もので悲鳴なんて・・あげるかよ」
俺の声はかすれていた。叫び声も出していないのに情けない。だが、男が鞄から取り出したバイブを見てほっとした。そんなもので悲鳴を上げるはずもない。地下で散々俺を弄んだこいつなら、分かりそうなものだが。
「残念でした。こいつは、アナル用のスタンガンだ。通常のスタンガンは5mAしか電流が出ないが、これは改造済み。電流を20mAまであげられる。流石に、50mA流すと結構死ぬから・・まあ15mAが妥当かな。流石にこれで悲鳴を上げなかったら、人間じゃねーだろ?お前が普通の人間だってことを、今から証明してやる」
「おい、ちょっと待て!!」
「まずは、10mAからいくか?」
ムカデ男は精液で濡れたアナルに、ずぶりとスタンガンを突き込んだ。スタンガン自体がかなりの太さだった。それだけでも、痛みで悶えそうになった。だが、地獄はすぐにやってきた。
男の意地などあっという間に吹き飛んだ。ムカデ男がスタンガンの電源を入れた次の瞬間には、俺は獣のような悲鳴を上げていた。
「ぐぁあああああああああーーーーーーーーーがあぁああーあああああぁああああぁああああああ!!」
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