47 / 124
いざ、戦場の中へ
桶狭間にて 後編
しおりを挟む
―――
「…………」
蘭は目の前の光景に絶句していた。
奇声を上げて相手に向かっていく気迫と、絶え間無く聞こえる甲高い金属音。そしてバタバタと人が倒れる様。その苦悶の表情……
信長の弟の信勝の軍との戦いの時は音だけで実際に戦の様子を見るのは初めてだった蘭は、余りの迫力と残酷さに思わず目を逸らしたくなる。それでも自分の役目を思い出しては、俯きそうになる顔を必死に堪えていた。
「それにしても…ホントにここで戦が起きるなんて……」
別に家康を信じていなかった訳ではなかったが、歴史に名を残す有名な争いを目の当たりにして文字通り一歩も動けない。しかも今回の場合、未来を知っている蘭が教えた奇襲作戦という事で、どうにも変な気持ちだった。
家康の言う通り今川の軍は間もなくしてここ、桶狭間にやって来た。耳を澄ましてみるとどうやら何処かの城を落としたとかで義元は機嫌が良く、戦中にも関わらず休息をとるようだった。
その流れはまさしく歴史のテキスト通りで茫然としていると、家康の合図を受けた信長が馬に乗ったまま現れて、あっという間に織田軍と今川軍の戦い。つまり桶狭間の戦いが勃発したのだった。
蘭はその時一瞬信長と目が合ったような気がしたのだが、圧倒的なオーラと凄まじい殺気に怯えている間にその姿は消えていた。
そして何も出来ないまま、今に至る。
「あ!義元だ……」
蘭は群集の向こうに織田軍相手に苦戦している今川義元を見つけた。
「情なんて沸かないと思ってたけど、一年以上も世話になったからやっぱり複雑だな……」
義元を見つめながらそう呟く。しかし頭を振ってその思いを捨てると目を凝らした。
「あいつが『物体取り寄せ』の力を使う素振りを見せたら、俺は信長に合図をする。」
握りこぶしを作って今一度気合いを入れた。
義元は今は刀で応戦しているが、いつか絶対に力を使って得意の槍を取り寄せて反撃すると蘭は踏んでいた。
それは信長の父親の信秀との戦いの時、突然槍が現れて驚いたという信長の話からもわかる通り、義元の奥の手だという事なのだろう。地元では「海道一の弓取り」と呼ばれているらしい。
そんな義元を相手に何の対策もないまま戦うのは不安でいっぱいだった蘭はある事を思いついた。
一年以上の間義元の側にいて、しかも『物体取り寄せ』の能力を使うところを何度も見てきたからこそ、力を使う時の義元の癖に気づいていた。
力を使う前、義元は必ず目を瞑って右手を開いたり閉じたりする。それを数回繰り返した後に目を開き、次の瞬間には思い浮かべた物体が手の上や大きい物は中庭に現れるという流れであった。
それを思い出した蘭は自分なら義元の癖を見抜けると確信して、今回この作戦を自ら提案したという事だった。
「信長だ!義元の方に向かってる!」
その時、信長が馬を降りて義元の方に歩いて向かっているのが見えた。それに気づいた義元が不敵に笑うのがここからでもわかって、背筋が震える。
ハラハラしながら見ていると、信長の命令でその場にいた織田軍は戦うのを止めてその場から離れた。今川軍も信長の威圧感に負けたのか徐々に後退して、結局残ったのは信長と義元。両軍の総大将のみになった。
「これはこれは信長殿。わざわざお越しになるとは。しかし織田信長ともあろうお方が奇襲とは、亡き父上が聞いたらさぞや悲しむでしょうなぁ。」
「こちらとしても勝つ為には手段を選んでいられないんでね。天下統一するにはまず貴方をやらなければ何も始まらない。」
義元の挑発に冷たい声音で答える信長に、流石の義元も顔が引きつって二の句が継げないようだった。
「……っ…そ、そうだ。元康を唆したのも君だな?あいつはわしに忠実だった。それなのに……」
「ふんっ……忠実ねぇ~…あんた、自分の足元だけ見てないでもっと周りを見たらどうだ?このボケ老人が。」
「なんだと!」
「元康。あぁ、家康か。隠れてないで出てこい。」
信長が茂みに向かって呼ぶと、ガサガサと音を立てて家康が出てきた。義元は茫然と家康を見つめている。
「元康……」
「私は家康です。もう貴方の奴隷ではありません。」
「奴隷……?」
「奴隷と同じでしょう。貴方、私に何をしたかわかっていますか?年端もいかない子どもをまるで物のように……領地争いの為にたらい回しにされて、一体どうやってまともに育てと言うんですか?松平の家に生まれたのに私にはもう、帰る家すらありませんでした……」
「…………」
「いっその事このまま死のうと思いました。私一人死んだところで今川の人質がのたれ死んだだけだと思われる。それでも良かった。でも貴方の寝顔を見た時、ふと思ったんですよ。この平和ボケした憐れな老いぼれをいつか自分の手で……ってね。そこからは文字通り死物狂いで松平家の元家臣を集めました。まぁ、結果的には貴方に感謝しなくてはいけませんね。今川義元を抹殺する為に、今まで生きてこられたんですから。」
「き……貴様ぁ~!人質の分際で何を偉そうな事を!」
「ちっ……本性出しやがったな。」
急に真っ赤な顔で怒鳴り出した義元に信長が短く舌打ちをして刀を構える。その後ろで家康も鞘から刀を抜いた。
「よし!計画通り!」
一部始終を見ていた蘭も身を乗り出した。
家康はわざと義元を怒らせたのである。キレると前後不覚になるという義元の性格を逆手に取った、ずっと義元と共に過ごしてきた家康だからこそ実現できた作戦だった。
「この裏切り者めが!」
「あっ!!」
その瞬間、蘭は見た。義元がゆっくりと右手を動かしたのを。
一回、二回……そして………
「信長様!今です!」
「!?」
蘭の声が響き渡る。真っ直ぐ指を差したその先には、今まさに槍を取り寄せた義元の姿があった。
義元の瞳が蘭を見て驚きと恐怖で丸くなる。その刹那……
「義元ーー!」
「……ぐぅっ…!」
家康の刀が義元の腹を突き刺した。
義元は左手に刀、右手に槍を持ったままずるずると崩れ落ちて、やがて動かなくなった。
「……はぁ~…」
人が刺されて死ぬ様をバッチリ見てしまった蘭は、そのまま茂みの中に蹲った。
「蘭丸君!」
すぐさま家康が飛んできてくれて、抱き起こしてくれる。蘭は青い顔をしながらも微笑んだ。
「良かったですね。」
「え?」
「積年の恨みを晴らす事が出来て。」
「……えぇ。」
織田や今川の人質として生きてきて、自分は一体何をしたいのか何を守りたいのかわからなかったけれど、義元を自分の手で葬った今、何となくわかったような気がした家康であった。
(私はこれから岡崎城の城主として、織田信長と共に天下を目指す!)
「家康さん……」
「はい?」
「申し訳ないんですが、腰抜けちゃいました……」
「……え?」
結局その後、蘭は信長に叱られながらも再び勝家の世話になって帰城した……
―――
桶狭間の戦い
永禄元年(1558年)5月、今川義元が尾張国へ侵攻する。駿河・遠江に加えて三河国をも支配する今川氏の軍勢は、1万人とも4万5千人とも号する大軍であった。織田軍はこれに対して防戦したがその兵力は数千人程度であった。
今川の人質であった松平元康は反旗を翻しており、一説では織田信長と以前から通じていてこの戦も仕組まれたものだったのではないかと言われている。
信長は静寂を保っていたが、永禄元年(1558年)5月19日、出陣した。信長は今川軍の陣中に強襲をかけ、義元を討ち取った。
この時斬ったのは松平元康だとも、織田信長自身が手を下したとも伝わっている。
奇説として、足軽の一人が突然茂みから大声を発した為に義元が驚いてその間に斬られたという、嘘みたいな話も真しやかに伝わっている。
この戦いが織田信長という武将を良くも悪くも有名にさせた。
地方の一領主に過ぎなかった信長は、これから先あちこちの敵将から命を狙われる事となるのだ。
本能寺の変まであと20年。
.
「…………」
蘭は目の前の光景に絶句していた。
奇声を上げて相手に向かっていく気迫と、絶え間無く聞こえる甲高い金属音。そしてバタバタと人が倒れる様。その苦悶の表情……
信長の弟の信勝の軍との戦いの時は音だけで実際に戦の様子を見るのは初めてだった蘭は、余りの迫力と残酷さに思わず目を逸らしたくなる。それでも自分の役目を思い出しては、俯きそうになる顔を必死に堪えていた。
「それにしても…ホントにここで戦が起きるなんて……」
別に家康を信じていなかった訳ではなかったが、歴史に名を残す有名な争いを目の当たりにして文字通り一歩も動けない。しかも今回の場合、未来を知っている蘭が教えた奇襲作戦という事で、どうにも変な気持ちだった。
家康の言う通り今川の軍は間もなくしてここ、桶狭間にやって来た。耳を澄ましてみるとどうやら何処かの城を落としたとかで義元は機嫌が良く、戦中にも関わらず休息をとるようだった。
その流れはまさしく歴史のテキスト通りで茫然としていると、家康の合図を受けた信長が馬に乗ったまま現れて、あっという間に織田軍と今川軍の戦い。つまり桶狭間の戦いが勃発したのだった。
蘭はその時一瞬信長と目が合ったような気がしたのだが、圧倒的なオーラと凄まじい殺気に怯えている間にその姿は消えていた。
そして何も出来ないまま、今に至る。
「あ!義元だ……」
蘭は群集の向こうに織田軍相手に苦戦している今川義元を見つけた。
「情なんて沸かないと思ってたけど、一年以上も世話になったからやっぱり複雑だな……」
義元を見つめながらそう呟く。しかし頭を振ってその思いを捨てると目を凝らした。
「あいつが『物体取り寄せ』の力を使う素振りを見せたら、俺は信長に合図をする。」
握りこぶしを作って今一度気合いを入れた。
義元は今は刀で応戦しているが、いつか絶対に力を使って得意の槍を取り寄せて反撃すると蘭は踏んでいた。
それは信長の父親の信秀との戦いの時、突然槍が現れて驚いたという信長の話からもわかる通り、義元の奥の手だという事なのだろう。地元では「海道一の弓取り」と呼ばれているらしい。
そんな義元を相手に何の対策もないまま戦うのは不安でいっぱいだった蘭はある事を思いついた。
一年以上の間義元の側にいて、しかも『物体取り寄せ』の能力を使うところを何度も見てきたからこそ、力を使う時の義元の癖に気づいていた。
力を使う前、義元は必ず目を瞑って右手を開いたり閉じたりする。それを数回繰り返した後に目を開き、次の瞬間には思い浮かべた物体が手の上や大きい物は中庭に現れるという流れであった。
それを思い出した蘭は自分なら義元の癖を見抜けると確信して、今回この作戦を自ら提案したという事だった。
「信長だ!義元の方に向かってる!」
その時、信長が馬を降りて義元の方に歩いて向かっているのが見えた。それに気づいた義元が不敵に笑うのがここからでもわかって、背筋が震える。
ハラハラしながら見ていると、信長の命令でその場にいた織田軍は戦うのを止めてその場から離れた。今川軍も信長の威圧感に負けたのか徐々に後退して、結局残ったのは信長と義元。両軍の総大将のみになった。
「これはこれは信長殿。わざわざお越しになるとは。しかし織田信長ともあろうお方が奇襲とは、亡き父上が聞いたらさぞや悲しむでしょうなぁ。」
「こちらとしても勝つ為には手段を選んでいられないんでね。天下統一するにはまず貴方をやらなければ何も始まらない。」
義元の挑発に冷たい声音で答える信長に、流石の義元も顔が引きつって二の句が継げないようだった。
「……っ…そ、そうだ。元康を唆したのも君だな?あいつはわしに忠実だった。それなのに……」
「ふんっ……忠実ねぇ~…あんた、自分の足元だけ見てないでもっと周りを見たらどうだ?このボケ老人が。」
「なんだと!」
「元康。あぁ、家康か。隠れてないで出てこい。」
信長が茂みに向かって呼ぶと、ガサガサと音を立てて家康が出てきた。義元は茫然と家康を見つめている。
「元康……」
「私は家康です。もう貴方の奴隷ではありません。」
「奴隷……?」
「奴隷と同じでしょう。貴方、私に何をしたかわかっていますか?年端もいかない子どもをまるで物のように……領地争いの為にたらい回しにされて、一体どうやってまともに育てと言うんですか?松平の家に生まれたのに私にはもう、帰る家すらありませんでした……」
「…………」
「いっその事このまま死のうと思いました。私一人死んだところで今川の人質がのたれ死んだだけだと思われる。それでも良かった。でも貴方の寝顔を見た時、ふと思ったんですよ。この平和ボケした憐れな老いぼれをいつか自分の手で……ってね。そこからは文字通り死物狂いで松平家の元家臣を集めました。まぁ、結果的には貴方に感謝しなくてはいけませんね。今川義元を抹殺する為に、今まで生きてこられたんですから。」
「き……貴様ぁ~!人質の分際で何を偉そうな事を!」
「ちっ……本性出しやがったな。」
急に真っ赤な顔で怒鳴り出した義元に信長が短く舌打ちをして刀を構える。その後ろで家康も鞘から刀を抜いた。
「よし!計画通り!」
一部始終を見ていた蘭も身を乗り出した。
家康はわざと義元を怒らせたのである。キレると前後不覚になるという義元の性格を逆手に取った、ずっと義元と共に過ごしてきた家康だからこそ実現できた作戦だった。
「この裏切り者めが!」
「あっ!!」
その瞬間、蘭は見た。義元がゆっくりと右手を動かしたのを。
一回、二回……そして………
「信長様!今です!」
「!?」
蘭の声が響き渡る。真っ直ぐ指を差したその先には、今まさに槍を取り寄せた義元の姿があった。
義元の瞳が蘭を見て驚きと恐怖で丸くなる。その刹那……
「義元ーー!」
「……ぐぅっ…!」
家康の刀が義元の腹を突き刺した。
義元は左手に刀、右手に槍を持ったままずるずると崩れ落ちて、やがて動かなくなった。
「……はぁ~…」
人が刺されて死ぬ様をバッチリ見てしまった蘭は、そのまま茂みの中に蹲った。
「蘭丸君!」
すぐさま家康が飛んできてくれて、抱き起こしてくれる。蘭は青い顔をしながらも微笑んだ。
「良かったですね。」
「え?」
「積年の恨みを晴らす事が出来て。」
「……えぇ。」
織田や今川の人質として生きてきて、自分は一体何をしたいのか何を守りたいのかわからなかったけれど、義元を自分の手で葬った今、何となくわかったような気がした家康であった。
(私はこれから岡崎城の城主として、織田信長と共に天下を目指す!)
「家康さん……」
「はい?」
「申し訳ないんですが、腰抜けちゃいました……」
「……え?」
結局その後、蘭は信長に叱られながらも再び勝家の世話になって帰城した……
―――
桶狭間の戦い
永禄元年(1558年)5月、今川義元が尾張国へ侵攻する。駿河・遠江に加えて三河国をも支配する今川氏の軍勢は、1万人とも4万5千人とも号する大軍であった。織田軍はこれに対して防戦したがその兵力は数千人程度であった。
今川の人質であった松平元康は反旗を翻しており、一説では織田信長と以前から通じていてこの戦も仕組まれたものだったのではないかと言われている。
信長は静寂を保っていたが、永禄元年(1558年)5月19日、出陣した。信長は今川軍の陣中に強襲をかけ、義元を討ち取った。
この時斬ったのは松平元康だとも、織田信長自身が手を下したとも伝わっている。
奇説として、足軽の一人が突然茂みから大声を発した為に義元が驚いてその間に斬られたという、嘘みたいな話も真しやかに伝わっている。
この戦いが織田信長という武将を良くも悪くも有名にさせた。
地方の一領主に過ぎなかった信長は、これから先あちこちの敵将から命を狙われる事となるのだ。
本能寺の変まであと20年。
.
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
婚約破棄?貴方程度がわたくしと結婚出来ると本気で思ったの?
三条桜子
恋愛
王都に久しぶりにやって来た。楽しみにしていた舞踏会で突如、婚約破棄を突きつけられた。腕に女性を抱いてる。ん?その子、誰?わたくしがいじめたですって?わたくしなら、そんな平民殺しちゃうわ。ふふふ。ねえ?本気で貴方程度がわたくしと結婚出来ると思っていたの?可笑しい! ◎短いお話。文字数も少なく読みやすいかと思います。全6話。
イラスト/ノーコピーライトガール
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる