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緑色のドラゴン⁉︎

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 意気込んで、おっさんの足跡を追っていた。
 そんな俺の前に……木に寄りかかるようにして、魔物に噛まれ、足が片方ないおっさんの姿があった。

「おっさん⁉︎」

 俺は急いで駆けつけて声をかけた。「ウウッ……」唸る声をあげるおっさん。まだ息はあるようだが、俺1人では体格のいいおっさんを担いでいけない。
 
(この、おっさんのケガではもう助からないかもしれない……いや助けたい、でもどうしたらいいんだ)

 俺が冒険者ギルドに戻って、受付嬢に伝えるか? いや、幸運スキルがある俺がそばにいた方が……

「ごめん、何にもできなくて」

 俺では、回復魔法も使えない。
 おばちゃんと娘さんが悲しむ。

「嫌だ! 誰か、誰でもいい助けてくれよ!!」

 バサッ、バサッ。

 俺とおっさんの頭上、空高く、大きな羽音が聞こえた。し、しまった……俺の声に反応した魔物が来てしまった。

(こうなったら、俺の身も危険になる)

 大きな羽音に怯え、空を見上げる俺に。

「……にいちゃんは逃げろ、魔物は俺を食えば帰る」

「おっさん! そんなこと、できるかよ」

「もう、俺は助からない、にいちゃんまで巻き込みたく……ない」

 掠れ、掠れのおっさん声。
 助けたいのに、何もできない。

 俺は自分の頬を殴り、気合を入れる。

「いいや、魔物は俺が引きつける。おっさんは助けが来るまで、頑張ってくれ!」

「にいちゃん、ダメだ!」

 傷付いたおっさんを無視して、空から降りてくる魔物の前に立つが。俺たちの前に降り立った魔物は緑色に光る、まんまるな魔物だった。

「な、なんだ? 丸いトカゲかぁ⁉︎」

 まんまるな魔物は、俺の言葉がわかるのか、違うと首を振る。

「キュ、キュキュ」

「え、違うのか? ならなんだ?」

 魔物は羽を広げ、これならわかるだろうと見てくるが……俺にはわからなかった。おっさんが掠れる声で

「伝説級のヒール……ドラゴンか?」

 と言う。

「ヒ、ヒールドラゴン⁉︎」

「キュー!」

 正解とでも言うように、緑色の光りを放った。
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