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広すぎる異世界
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ほかほかな漫画盛りのご飯……前の俺だったら、ぜったいに半分、いや3分の1も食べきれなかった。
そのご飯に「いただきます」と手を合わせて、俺は食らいついた。
(ん! おお、炊きたてのご飯だ。噛めば噛むほど甘く美味い! 赤味噌のコクとだし、浅漬けのキュウリのあんばい最高)
2回目の女神食堂の食事は見知った食材だった。異世界の食材も食べてみたかったが、どれも美味くて箸が止まらない。
「うんめぇ~!」
ペロッと漫画盛りのご飯と味噌汁、浅漬けは俺の腹に収まったが。もう一杯は食べれそうな俺の腹に驚く。
(こんなに食べても、まだ食べれそうだなんて幸せだが。おっさんを探すのが先だ)
空の茶碗が乗ったトレーを女神食堂に返して、俺はおっさんを探しに行くべく、服屋のおばちゃんに貰ったカバンを肩にかけた。
(ハランの森は王都の南から出て、右に真っ直ぐだったな)
「すこし、出掛けてきます」
宿屋のカウンターにいたおばちゃんに声をかけて、俺は王都の南門を目指した。
人に南門の場所を聞きながら、俺は石造りの大きな門の前についた。
王都の南側は店、ギルドがある華やかな大通りとは違い。
店が少なく。
集合住宅、住居が多い。
「おお、ここが南門か……」
王都の出入りが出来る、銅色の冒険者ギルドのバッジを胸に付けて、王都からはじめて外の世界へと出る。
俺の目の前に広がる、広い青空、頬を撫でる風、初めて見る異世界。
そうだ、この異世界に来てまだ2日しか経っていないし、俺がいる大陸の形も知らない。
はっきり言って、俺が住んでいた田舎に似ているし。
南門からのびる、レンガ道は途中までしか舗装されておらず、外は建物がなく自然豊か。
(ひ、広すぎる……おっさんがいる森、村、街が見えん)
なにより馬車、荷馬車が一台も走っていない。南門は門番以外、人がいない。
(これは……どうやって、おっさんがいるハランの森へと行くかだな)
門の前で、馬車を待つか。
ここから右に歩いて行くかと、しばし考える。
そんな俺は「あっ」と、気付く。
俺には心強い女神にもらった、幸運スキルがあるじゃないかと。
そのご飯に「いただきます」と手を合わせて、俺は食らいついた。
(ん! おお、炊きたてのご飯だ。噛めば噛むほど甘く美味い! 赤味噌のコクとだし、浅漬けのキュウリのあんばい最高)
2回目の女神食堂の食事は見知った食材だった。異世界の食材も食べてみたかったが、どれも美味くて箸が止まらない。
「うんめぇ~!」
ペロッと漫画盛りのご飯と味噌汁、浅漬けは俺の腹に収まったが。もう一杯は食べれそうな俺の腹に驚く。
(こんなに食べても、まだ食べれそうだなんて幸せだが。おっさんを探すのが先だ)
空の茶碗が乗ったトレーを女神食堂に返して、俺はおっさんを探しに行くべく、服屋のおばちゃんに貰ったカバンを肩にかけた。
(ハランの森は王都の南から出て、右に真っ直ぐだったな)
「すこし、出掛けてきます」
宿屋のカウンターにいたおばちゃんに声をかけて、俺は王都の南門を目指した。
人に南門の場所を聞きながら、俺は石造りの大きな門の前についた。
王都の南側は店、ギルドがある華やかな大通りとは違い。
店が少なく。
集合住宅、住居が多い。
「おお、ここが南門か……」
王都の出入りが出来る、銅色の冒険者ギルドのバッジを胸に付けて、王都からはじめて外の世界へと出る。
俺の目の前に広がる、広い青空、頬を撫でる風、初めて見る異世界。
そうだ、この異世界に来てまだ2日しか経っていないし、俺がいる大陸の形も知らない。
はっきり言って、俺が住んでいた田舎に似ているし。
南門からのびる、レンガ道は途中までしか舗装されておらず、外は建物がなく自然豊か。
(ひ、広すぎる……おっさんがいる森、村、街が見えん)
なにより馬車、荷馬車が一台も走っていない。南門は門番以外、人がいない。
(これは……どうやって、おっさんがいるハランの森へと行くかだな)
門の前で、馬車を待つか。
ここから右に歩いて行くかと、しばし考える。
そんな俺は「あっ」と、気付く。
俺には心強い女神にもらった、幸運スキルがあるじゃないかと。
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