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第二章 ストレーガ国までの帰路

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 夜がふけ、私達は大きくなった福ちゃんに乗り、転移魔法陣のある場所へと移動を開始した。転移魔法が使えたらすぐストレーガ国に入れる。

(シエルさんが生まれ育った場所……どんな所かしら)
 
 少しワクワクしている気持ちを落ち着かせる、今、子犬ちゃん、シエルさん、ラエルさんの国は魔女によって石化されたと聞いている。一人で浮かれていて、足を救われてみんなに迷惑をかけたくない。

「みんな! もう少しで転移魔法陣の場所に着くぞ、シエル、ベルーガ起きて準備しろ」

 シエルさんの声を聞いて、眠っていたみんなは目を覚ました。呼ばれたラエルさんは自分の杖を構え、私の側で眠っていた子犬ちゃんは、シエルさんのところに向かって行った。

(転移魔法陣て、どんな物のだろう? 楽しみ)
 
 しばらくして、私達の前に大きな岩山が現れた。
 その岩山の前で福ちゃんはシエルさんの魔法で、空中で止まる。

 シエルさんは杖を取り出し、コツっとその杖で、空を叩く仕草をした。隣に立った、ラエルさんも同じように空を杖で叩く。

「魔力が反応した、転移魔法の魔法陣は使えそうだな」
「よかった、ストレーガ国まで転移できるね」

 今度は、シエルさんとラエルさんが同時に杖を前に出すと、福ちゃんの前に真っ白な魔法陣が現れた。


(ひゃぁ――⁉︎)


 隣のガット君とクレが落ち着くなか、大きな転移魔法陣に驚く……今から、この魔法陣を通ってシエルさんとラエルさんの故郷、子犬ちゃんの国へ行くんだ。

 緊張と興奮でゴクンと、大きく喉が鳴る。
 その音が聞こえたシエルさんが、ククっと喉の奥で笑って、こっちを向きさらに笑った。

「ルー、なんて顔してるんだ」
「だって、こんなの驚くしかないわ」

「ハハハッ、今から行くストレーガ国は魔法大国だ。ルーが驚く事がたくさんあるぞ」

「そうだね、ルーチェさんは驚くことばかりだと思うよ」

「早く面倒なことは終わらせて、ルーチェちゃんと遊びたい!」

 子犬ちゃんに釣られてガット君、福ちゃん、クレまで遊びたいと言い出す。

 私だって、みんなと遊びたい。

「残念だが、俺が一番ルーと遊ぶからな。今から転移魔法を発動する! ルー、ガット、クレ、ウルラにしっかり掴まれ! ベルーガは来い!」

「おう!」

 呼ばれて、子犬ちゃんはシエルさんに飛びつくと。
 見たことがない紋章が魔法陣の真ん中に浮かび、眩く光を放った。

「ルー、手を離すな! しっかり掴まれ」
「きゃっ」

 いつの間にか隣に来ていた、シエルさんに引き寄られた。
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