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ルーを探すシエル
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城全体に通信妨害の魔法がかかっているな……いまラエル、ウルラに念話をすると、イアンにも内容が伝わるか。
さてさて、どうする? 魔法で壊しても奴に伝わる。奴はいまルーのところにいるか、カロール殿下がそばにいるだろう。
「クク、邪魔なものは壊してしまえ! 【妨害解除】」
杖を床にさし魔力を放出させた。俺の魔法陣が城を覆い、城にかかる妨害魔法を解く。
クク、イアンも伝わったな? お前がかけた、妨害魔法は解いたぞ。
ルーを探しに行こうとして、すぐにウルラから念話がとんでくる。
〈あるじ、ようやく繋がった。急げ! カロール殿下と、お嬢の式が西奥の教会で始まる〉
〈なに? ルーとカロール殿下の式が始まる? 本当なのか?〉
〈ほんとうだ。騎士達の話を聞き、西奥に向かうと……カロール殿下のエスコートされ、ドレス姿のお嬢が教会の中にはいって行った〉
ルーがカロール殿下と、教会にはいっただと?
〈ウルラはそのまま教会の監視を続けてくれ、今そちらに向かう〉
〈了解した〉
+
急ぎ西側の奥に向かうと、ウルラが「ここだ」と合図するように西奥の建物の上を、薄い光を出して飛び回っていた。
そこが教会か? 俺は「わかった、後は一人でやる」と、ウルラに手を上げて合図を返した。到着した教会の入り口に、見張りの騎士はおらず結界魔法だけが見えた。
「ほう、結界魔法か」
杖先の赤い魔石を"コツン"と結界に当てた途端、結界はいとも簡単に割れた。なんとも、もろい旧式の結界魔法だ。
しかし、どこかでみた旧式魔法だ……いまは、こっちが先だと結界が解けた、教会の扉を押してなかにはいる。
(なっ!)
教会のなかは明かり魔法で照らされ、うつろな目をした国王陛下と王妃は祭壇近くの席で佇み。祭壇ではカロール殿下と花嫁姿のルーが、お互いの手を繋ぎり見つめ合っていた。
その姿に胸がズキリと痛む。
「ルー……」
小さく漏れた声に驚いたかのように、ルーはこちらを振り向き。
「シエル? どうしてここに?」
ん? シエルだと? これは確かにみためはルーだが簡単な間違い探しだな。ルーは俺の名を呼ぶだけで真っ赤になる。そして照れた顔がさらに可愛い! 似せるなら、もうちっと努力をしろ!
「もう一度聞く、お前は誰だ? 誰がルーになっている?」
「誰って、ホンモノのルーチェだよ。シエルは何を言っているの?」
「そうだ、シエルなにをおかしなことを言っている。お前も良く知っている、ルーチェ嬢ではないのか!」
カロール殿下の意見はどうでもいい。しかし、知らない奴に名前を呼び捨てにされるのは、イライラして気持ち悪い。
これで聞くのは最後だ。
「お前は誰だ? と聞いている。正直に言えば何もしない」
「私はルーチェよ!」
「この偽物め!」
少々、ルーを痛めつけているようで気が引けるが、こやつが術を解かぬなら仕方あるまい。先端の魔石を床にコツッと当て、奴の旧式魔法を強制的に解いた。
「なに? 足元に魔法陣だと? ……ぐ、ぐくっ、シエル、なにをするの?」
体全体に激痛が走るだろう? 本人の意思とは関係なく、無理矢理かけた術を解いているのだからな。
さてさて、どうする? 魔法で壊しても奴に伝わる。奴はいまルーのところにいるか、カロール殿下がそばにいるだろう。
「クク、邪魔なものは壊してしまえ! 【妨害解除】」
杖を床にさし魔力を放出させた。俺の魔法陣が城を覆い、城にかかる妨害魔法を解く。
クク、イアンも伝わったな? お前がかけた、妨害魔法は解いたぞ。
ルーを探しに行こうとして、すぐにウルラから念話がとんでくる。
〈あるじ、ようやく繋がった。急げ! カロール殿下と、お嬢の式が西奥の教会で始まる〉
〈なに? ルーとカロール殿下の式が始まる? 本当なのか?〉
〈ほんとうだ。騎士達の話を聞き、西奥に向かうと……カロール殿下のエスコートされ、ドレス姿のお嬢が教会の中にはいって行った〉
ルーがカロール殿下と、教会にはいっただと?
〈ウルラはそのまま教会の監視を続けてくれ、今そちらに向かう〉
〈了解した〉
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急ぎ西側の奥に向かうと、ウルラが「ここだ」と合図するように西奥の建物の上を、薄い光を出して飛び回っていた。
そこが教会か? 俺は「わかった、後は一人でやる」と、ウルラに手を上げて合図を返した。到着した教会の入り口に、見張りの騎士はおらず結界魔法だけが見えた。
「ほう、結界魔法か」
杖先の赤い魔石を"コツン"と結界に当てた途端、結界はいとも簡単に割れた。なんとも、もろい旧式の結界魔法だ。
しかし、どこかでみた旧式魔法だ……いまは、こっちが先だと結界が解けた、教会の扉を押してなかにはいる。
(なっ!)
教会のなかは明かり魔法で照らされ、うつろな目をした国王陛下と王妃は祭壇近くの席で佇み。祭壇ではカロール殿下と花嫁姿のルーが、お互いの手を繋ぎり見つめ合っていた。
その姿に胸がズキリと痛む。
「ルー……」
小さく漏れた声に驚いたかのように、ルーはこちらを振り向き。
「シエル? どうしてここに?」
ん? シエルだと? これは確かにみためはルーだが簡単な間違い探しだな。ルーは俺の名を呼ぶだけで真っ赤になる。そして照れた顔がさらに可愛い! 似せるなら、もうちっと努力をしろ!
「もう一度聞く、お前は誰だ? 誰がルーになっている?」
「誰って、ホンモノのルーチェだよ。シエルは何を言っているの?」
「そうだ、シエルなにをおかしなことを言っている。お前も良く知っている、ルーチェ嬢ではないのか!」
カロール殿下の意見はどうでもいい。しかし、知らない奴に名前を呼び捨てにされるのは、イライラして気持ち悪い。
これで聞くのは最後だ。
「お前は誰だ? と聞いている。正直に言えば何もしない」
「私はルーチェよ!」
「この偽物め!」
少々、ルーを痛めつけているようで気が引けるが、こやつが術を解かぬなら仕方あるまい。先端の魔石を床にコツッと当て、奴の旧式魔法を強制的に解いた。
「なに? 足元に魔法陣だと? ……ぐ、ぐくっ、シエル、なにをするの?」
体全体に激痛が走るだろう? 本人の意思とは関係なく、無理矢理かけた術を解いているのだからな。
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