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――あと少しで届くのに!
私は捕まった格子から手を伸ばして、自分のカバンを取ろうとしていた。あの中に魔法の杖と、もしものためにとワンピースを押し込んだ。
何か、棒のようなものがない?
早くここを抜けださないと、カロール殿下と私(私に変装したイアン)が結婚してしまう。鉄格子をガシャン、ガシャン鳴らしながら、必死に手を伸ばしていた。
(あと少しで……いま、肩掛けに手が届いた!)
そのとき――部屋の扉が開き騎士が2人部屋に入って来た。しまった音を出していたから? ――私の見張りが来たのかと思ったけど。彼らは「ここなら誰もいないな」「……はいっちゃいけなぇ、部屋だけど少しくらいならいいか?」と部屋の椅子に座り、勝手に紅茶を入れ、兜を脱ぎ、くつろぎ会話を始めた。
まるで、ここに私がいないかのような動作?
騎士たちは一向にベッドの上、鉄格子の中にいる私をみない。「おーい」声をかけても、無視をしているようでもない――彼らに私の姿が見えていない?
彼らは紅茶を飲み、深いため息を吐いた。
「はあ……疲れた。まったく、最近のカロール殿下は人使いが荒いねぇ」
「そうだな。私達もだが他の騎士達は休みもなく働かされている。フウッ…………それも今日で終わりになるだろう」
「あぁ、やっと終わるなぁ」
「でもさ、貴族が集まる公の舞台でいちど婚約破棄しといて、また捕まえるっておかしな話だよな」
うんうん、ともう1人の騎士が頷く。
私もそうだと頷いた。
「それに、さいきん殿下の付き人となったイアン様も不気味だよな――変わった術を使用される」
イアンが変わった術を使う? さっきの話で魔女に何かされたと言っていたわ。もしかすると魔女の術を使っているのかも。
ひとりの騎士が声を小さくして、隣の騎士に話す。
「ああ、ここだけの話だが……国王陛下と王妃様、周りの重役たちは……その、イアン様の術にかかっという話だ」
「はあ? なんだよそれ」
「陛下と王妃の言動がいきなり覆っただろう? あれ、イアンの術らしいぞ。魔導署のものがそう話していた……なんでも人を操る術だとか」
「こえぇ、人を操るのか…………そんなものを使っちゃ日には、この国は終わるぞ――でもさ、そういっても。下っ端の俺たちには何にもできないな」
「そうだなぁ。俺達は上の言うことに従うだけだ」
だから、彼らは殿下の言うことを聞くしかない。
疲れたように呟く騎士達の目の下にクマがあり、相当疲れているように見えた。
「んっ?【魔法通信】が来た。緊急招集だ! 西の砦で魔法使いが暴れているらしい――向かうぞ!」
「わかった、向かおう!」
魔法使いが暴れている?
もしかして、シエル先輩?
先輩なら早く私もそこに行きたい。手を伸ばして、カバンを取ろうとしていたそこに。
「ぴゃあっ、人族が一杯いて怖いっス。もう俺っちは無理っス~」
なさけない声を出し、騎士たちがしめ忘れた扉から飛び込むように、黒い塊が部屋の中に転がり込んできた。この子。見た目は猫だけど言葉を話す猫だ。
この猫は頭を抱え、丸まって震えだした。
「もう、怖いっス、限界っス、あるじ、あるじ~!」
猫はカタカタ震えて、そのまま頭を抱えていたけど。キョロキョロしたあと背伸びのポーズを取り、体を起こして2本の尻尾を膨らせたせたまま、部屋の中をそろーりそろーり、鼻をクンクン動かして見回しはじめた。
「ンン? 知っている匂いがするっス。この匂いはルーチェ姉さん? ルーチェ姉さんここにいるっスか?」
ルーチェ姉さん? ……この猫ちゃんは私のことを知っているみたい。
「ボ、ボク、ラエル様の使い魔のガットっス。よろしくお願いします――どこにいますか?」
ラエルさんの使い魔? ここにラエルさんがきているということは――シエル先輩もいる。
「ガット君、私はここにいるわ」
と、鉄格子を鳴らして声をかけてみた。
「「うにゃっ?」」
ガット君は急な声に驚いたのか尻尾をますます膨らませて、その場にぴょんと飛び跳ねた。周りを見るも、やはり私の姿の見えないのかぴょんぴょんと跳ねて、体も尻尾もぷっくり膨らませた。
「ごめん、ガット君……驚かせちゃったね」
「ん? ルーチェ姉さん、大丈夫っス。んん? この部屋――嫌な魔法がかかってるっス。だから、モヤがかかって姉さんの姿が見えないのか?」
嫌な魔法……
「これは――ボクにはこの魔法は解けないっス。いま主人に連絡するっス……『ラエル様!』 …………あれ、おかしいな……ジージー言うだけで念話ができないっス」
ガット君は首を傾げる。もしかして、この部屋には何かしらの魔法がかかっていると言っていたから、その魔法のせいで念話ができないとか?
「ガット君、やめた方がいい。魔法で邪魔されているのかも。私に考えがあるの――落ちでいるカバンをとってベッドまできてくれる?」
「了解っス」
ようやく手の届くところまでカバンがくる、私は中から魔法の杖を取り出した。
「おお、それって、シエル様が作った魔法の杖! 威力は抜群……でも売れない商品っス!」
「ハハハッ、威力は抜群なのね……」
先輩何を作って……いい、いまは考えない。威力のあるのなら、この鉄格子吹っ飛ばせるかも? 次にワンピースを取り出すとガット君が興味を持ち、クンクン匂いを嗅いた。
「すごい、このワンピース……飛行魔法、創造魔法、防御魔法のほかにも……うへぇ、魔法が何重にもかかってるっス」
「え?」
先輩、また凄いものをくれたんだと、汚れたワンピースを脱いで着替えて、ファイアがいちど打てる杖を持った。
「ガット君はなるべく、ベッドから離れて」
「わかったっス」
ガット君が離れたのをみて、私は杖を握りしめて。
「「ファイア!!」」
と、杖を振った。
「「「ドゴッ!」」」
「え?」
「ヒエェええええ!」」
杖から放たれたファイアは、私がゲームのなかでみてきたものよりも火の玉が大きく……鉄格子と部屋の壁に、人が通れるくらいの穴を開けた。
私は捕まった格子から手を伸ばして、自分のカバンを取ろうとしていた。あの中に魔法の杖と、もしものためにとワンピースを押し込んだ。
何か、棒のようなものがない?
早くここを抜けださないと、カロール殿下と私(私に変装したイアン)が結婚してしまう。鉄格子をガシャン、ガシャン鳴らしながら、必死に手を伸ばしていた。
(あと少しで……いま、肩掛けに手が届いた!)
そのとき――部屋の扉が開き騎士が2人部屋に入って来た。しまった音を出していたから? ――私の見張りが来たのかと思ったけど。彼らは「ここなら誰もいないな」「……はいっちゃいけなぇ、部屋だけど少しくらいならいいか?」と部屋の椅子に座り、勝手に紅茶を入れ、兜を脱ぎ、くつろぎ会話を始めた。
まるで、ここに私がいないかのような動作?
騎士たちは一向にベッドの上、鉄格子の中にいる私をみない。「おーい」声をかけても、無視をしているようでもない――彼らに私の姿が見えていない?
彼らは紅茶を飲み、深いため息を吐いた。
「はあ……疲れた。まったく、最近のカロール殿下は人使いが荒いねぇ」
「そうだな。私達もだが他の騎士達は休みもなく働かされている。フウッ…………それも今日で終わりになるだろう」
「あぁ、やっと終わるなぁ」
「でもさ、貴族が集まる公の舞台でいちど婚約破棄しといて、また捕まえるっておかしな話だよな」
うんうん、ともう1人の騎士が頷く。
私もそうだと頷いた。
「それに、さいきん殿下の付き人となったイアン様も不気味だよな――変わった術を使用される」
イアンが変わった術を使う? さっきの話で魔女に何かされたと言っていたわ。もしかすると魔女の術を使っているのかも。
ひとりの騎士が声を小さくして、隣の騎士に話す。
「ああ、ここだけの話だが……国王陛下と王妃様、周りの重役たちは……その、イアン様の術にかかっという話だ」
「はあ? なんだよそれ」
「陛下と王妃の言動がいきなり覆っただろう? あれ、イアンの術らしいぞ。魔導署のものがそう話していた……なんでも人を操る術だとか」
「こえぇ、人を操るのか…………そんなものを使っちゃ日には、この国は終わるぞ――でもさ、そういっても。下っ端の俺たちには何にもできないな」
「そうだなぁ。俺達は上の言うことに従うだけだ」
だから、彼らは殿下の言うことを聞くしかない。
疲れたように呟く騎士達の目の下にクマがあり、相当疲れているように見えた。
「んっ?【魔法通信】が来た。緊急招集だ! 西の砦で魔法使いが暴れているらしい――向かうぞ!」
「わかった、向かおう!」
魔法使いが暴れている?
もしかして、シエル先輩?
先輩なら早く私もそこに行きたい。手を伸ばして、カバンを取ろうとしていたそこに。
「ぴゃあっ、人族が一杯いて怖いっス。もう俺っちは無理っス~」
なさけない声を出し、騎士たちがしめ忘れた扉から飛び込むように、黒い塊が部屋の中に転がり込んできた。この子。見た目は猫だけど言葉を話す猫だ。
この猫は頭を抱え、丸まって震えだした。
「もう、怖いっス、限界っス、あるじ、あるじ~!」
猫はカタカタ震えて、そのまま頭を抱えていたけど。キョロキョロしたあと背伸びのポーズを取り、体を起こして2本の尻尾を膨らせたせたまま、部屋の中をそろーりそろーり、鼻をクンクン動かして見回しはじめた。
「ンン? 知っている匂いがするっス。この匂いはルーチェ姉さん? ルーチェ姉さんここにいるっスか?」
ルーチェ姉さん? ……この猫ちゃんは私のことを知っているみたい。
「ボ、ボク、ラエル様の使い魔のガットっス。よろしくお願いします――どこにいますか?」
ラエルさんの使い魔? ここにラエルさんがきているということは――シエル先輩もいる。
「ガット君、私はここにいるわ」
と、鉄格子を鳴らして声をかけてみた。
「「うにゃっ?」」
ガット君は急な声に驚いたのか尻尾をますます膨らませて、その場にぴょんと飛び跳ねた。周りを見るも、やはり私の姿の見えないのかぴょんぴょんと跳ねて、体も尻尾もぷっくり膨らませた。
「ごめん、ガット君……驚かせちゃったね」
「ん? ルーチェ姉さん、大丈夫っス。んん? この部屋――嫌な魔法がかかってるっス。だから、モヤがかかって姉さんの姿が見えないのか?」
嫌な魔法……
「これは――ボクにはこの魔法は解けないっス。いま主人に連絡するっス……『ラエル様!』 …………あれ、おかしいな……ジージー言うだけで念話ができないっス」
ガット君は首を傾げる。もしかして、この部屋には何かしらの魔法がかかっていると言っていたから、その魔法のせいで念話ができないとか?
「ガット君、やめた方がいい。魔法で邪魔されているのかも。私に考えがあるの――落ちでいるカバンをとってベッドまできてくれる?」
「了解っス」
ようやく手の届くところまでカバンがくる、私は中から魔法の杖を取り出した。
「おお、それって、シエル様が作った魔法の杖! 威力は抜群……でも売れない商品っス!」
「ハハハッ、威力は抜群なのね……」
先輩何を作って……いい、いまは考えない。威力のあるのなら、この鉄格子吹っ飛ばせるかも? 次にワンピースを取り出すとガット君が興味を持ち、クンクン匂いを嗅いた。
「すごい、このワンピース……飛行魔法、創造魔法、防御魔法のほかにも……うへぇ、魔法が何重にもかかってるっス」
「え?」
先輩、また凄いものをくれたんだと、汚れたワンピースを脱いで着替えて、ファイアがいちど打てる杖を持った。
「ガット君はなるべく、ベッドから離れて」
「わかったっス」
ガット君が離れたのをみて、私は杖を握りしめて。
「「ファイア!!」」
と、杖を振った。
「「「ドゴッ!」」」
「え?」
「ヒエェええええ!」」
杖から放たれたファイアは、私がゲームのなかでみてきたものよりも火の玉が大きく……鉄格子と部屋の壁に、人が通れるくらいの穴を開けた。
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