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次の日の早朝――タヤに変身リングを渡して、ルテはウォークインクローゼットから「学園で待っているから」と、やさしくキスをして城に戻っていった。
フォルテ……昨日もだけど、嬉しそうな顔して戻っていったな。そんなにオレのメイド姿――女装がみたいのか? メイドの格好なんて、高校の学園祭でしかした事がないぞ。
――そしてもう1人、嬉しそうに熊クマ食堂にやってきたロッサお嬢。話を聞くと彼女の屋敷で着替えるらしい。
「シンギさん、マヤさん、いってきます」
厨房で仕込み中のシンギとマヤに挨拶して、オレとロッサお嬢は公爵家の馬車に乗った。ベンチシートに向かい合って座り、オレは昨日の話をもう一度聞いた。
「ロッサお嬢、本気なのか?」
「私は本気よ。タヤにメイド服を着せるわ! そうすれば、フォルテ殿下と婚約破棄しても――ウチが不利にならず。貰ったお金も返さなくていいと言われたし、慰謝料も払ってくれるんだって……両親は残念がるどころか大金が手に入るって大喜びだったわ」
「へぇ~、よかったな」
「でしょう。それに次の仕事も見つけたからね」
ん?
「次の仕事?」
そう聞いたオレに。
ロッサお嬢はフフッと楽しげに笑った。
「私の仕事は、タヤの専属メイドよ」
「オレの専属メイド?」
「私とタヤって同郷でしょう? それに、この世界のことを知る、私がそばにいた方がいいと思うわ」
胸を張るロッサお嬢の、その言葉にオレは頷いた。
いくらフォルテを好きで、いまは恋人で運命の番だとしても……オレは貴族のことは何一つ知らない。
ここで18年――貴族のお嬢様をしているロッサお嬢が、オレのそばに居てくれる。それはオレにとっても心強い。
「いいのか、領地だっけ? 婚約破棄が終わったらそこで、のんびりするんじゃなかったのか」
「それもよかったのだけど。フォルテ殿下に頼まれたの……『執務などで忙しくて、タヤのそばに居られない日も多くなる。そうなると、タヤは貴族連中の中で1人になってしまう。タヤのそばにいてやってくれないか』って、それにお給金もいいのよ。美味しいものが食べられるし」
「オレも、ロッサお嬢がそばに居てくれると心強いよ」
「そうでしょう。私もタヤとの会話は楽しいもの。タヤは安心して、フォルテ殿下に愛してもらってね」
公爵家の馬車に揺られてロッサお嬢の家について、案内された応接間に用意されていた……メイド服を見てオレは困惑した。
「ロッサお嬢この女性物の下着を、オレがつけるのか?」
この時代のブラとパンツ……そして、男なら一度は見たいと憧れるガーターベルト……
「当たり前じゃない。それをタヤがつけたらフォルテ殿下、凄く喜ぶわよ」
「ほんとうか? これをオレがつけたら……ルテが喜ぶのか?」
「ええ、喜ぶわ」
オレはロッサお嬢の悪魔的な誘惑に負けた。
フォルテ……昨日もだけど、嬉しそうな顔して戻っていったな。そんなにオレのメイド姿――女装がみたいのか? メイドの格好なんて、高校の学園祭でしかした事がないぞ。
――そしてもう1人、嬉しそうに熊クマ食堂にやってきたロッサお嬢。話を聞くと彼女の屋敷で着替えるらしい。
「シンギさん、マヤさん、いってきます」
厨房で仕込み中のシンギとマヤに挨拶して、オレとロッサお嬢は公爵家の馬車に乗った。ベンチシートに向かい合って座り、オレは昨日の話をもう一度聞いた。
「ロッサお嬢、本気なのか?」
「私は本気よ。タヤにメイド服を着せるわ! そうすれば、フォルテ殿下と婚約破棄しても――ウチが不利にならず。貰ったお金も返さなくていいと言われたし、慰謝料も払ってくれるんだって……両親は残念がるどころか大金が手に入るって大喜びだったわ」
「へぇ~、よかったな」
「でしょう。それに次の仕事も見つけたからね」
ん?
「次の仕事?」
そう聞いたオレに。
ロッサお嬢はフフッと楽しげに笑った。
「私の仕事は、タヤの専属メイドよ」
「オレの専属メイド?」
「私とタヤって同郷でしょう? それに、この世界のことを知る、私がそばにいた方がいいと思うわ」
胸を張るロッサお嬢の、その言葉にオレは頷いた。
いくらフォルテを好きで、いまは恋人で運命の番だとしても……オレは貴族のことは何一つ知らない。
ここで18年――貴族のお嬢様をしているロッサお嬢が、オレのそばに居てくれる。それはオレにとっても心強い。
「いいのか、領地だっけ? 婚約破棄が終わったらそこで、のんびりするんじゃなかったのか」
「それもよかったのだけど。フォルテ殿下に頼まれたの……『執務などで忙しくて、タヤのそばに居られない日も多くなる。そうなると、タヤは貴族連中の中で1人になってしまう。タヤのそばにいてやってくれないか』って、それにお給金もいいのよ。美味しいものが食べられるし」
「オレも、ロッサお嬢がそばに居てくれると心強いよ」
「そうでしょう。私もタヤとの会話は楽しいもの。タヤは安心して、フォルテ殿下に愛してもらってね」
公爵家の馬車に揺られてロッサお嬢の家について、案内された応接間に用意されていた……メイド服を見てオレは困惑した。
「ロッサお嬢この女性物の下着を、オレがつけるのか?」
この時代のブラとパンツ……そして、男なら一度は見たいと憧れるガーターベルト……
「当たり前じゃない。それをタヤがつけたらフォルテ殿下、凄く喜ぶわよ」
「ほんとうか? これをオレがつけたら……ルテが喜ぶのか?」
「ええ、喜ぶわ」
オレはロッサお嬢の悪魔的な誘惑に負けた。
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