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 熊クマ食堂でシンギとマヤと私で話は続いていた、彼らは本当にタヤを大切にしていることがわかったし、タヤが私よりも3歳も年上だとわかった。

 タヤを知れば知るほど、私の心はウキウキして仕方がない。私に時間があれば、また一緒に採取に行きたいものだ。

「フォルテ殿下、舞い上がっていますね」

 シンギに見抜かれたか……

「ああ、私は舞い上がっている。だが、シンギさんが考えている、頼りがいのない王太子にはならない。タヤを幸せにしたい、その為には父上と母上と話をして、私の婚約者と話し合わなくてはならない」

 婚約者の令嬢を傷付けずに婚約破棄したい。幼な頃に一度だけ会ったことがある、病弱な兎族の彼女との婚約破棄は心が痛む。

 ――まだまだ、色々と考えなくてはならないな。

 タヤと過ごすには……溜まっている執務を終わらせて、数ヶ月後に訪れる夏季休暇をもぎ取らないと。



 ♱♱♱



「…………っ」

 目を覚ますと、前回と同じく部屋で自分のベッドに寝ていた。あの後にルテが俺を熊クマ食堂に連れてきてくれたのか、そこで偶然にジンギにあったのかな? ……また、ルテに迷惑をかけてしまった。

「お礼を言わないと……くっ、」

 目が覚めても前とは違い、まだ体にヒートが残っているようで、一度抜いてしまおうと自分の熱に触れた。

(……まだ熱く、トロトロだ)

 思い出すのはルテのこと。あのデカい熱杭がオレの尻で達するときの熱い息遣いと、掠れた声は天幕のときのフォルテに、どことなく似ていた。

「あっ、……フォルテ、んんっ」

 この気持ちがなんだか分からないし、呼び捨てなんて許されないけど……ここでなら呼べる。自分の甘ったるい香りが埋め尽くす部屋で、気になるフォルテの名を呼び。ベッドの上で、トロトロでグチュグチュな杭を夢中に擦った。

 そのフォルテの横から、ルテが出てきてタヤの杭に触れる。

「……っ、はぁ、はぁ、ルテ、そこ、先の方を触って、ルテ、ルテッ、イク、あっ、あぁあ……!」

(ハァ、ハァ……最高に気持ちよかった…………って。ははっ……ハァ、フォルテとルテが出てくるなんて、オレは誰でもいいのか?)

 オメガのオレはフォルテを求めているのか。それともルテを……ただ単にアルファを求めていなのかわからず、頭の中はグチャグチャだ。

「な、なんて、オメガはエロい体なんだ」


 でも2人のことは気になっている……ふうっ、喘ぎすぎて喉が渇いたな、みず……み?

「うわぁっーー!」

 喉をうるおしたくて、棚の上のコップを取ろうとしたが足がもつれ、ベッドの上から床に尻からずり落ちた。

「いっ、てぇ……」

 すごい音がしたが。今日は熊クマ食堂は休みで、シンギもタヤを寝かせて家に帰り、誰も店にはいないと思っていたが。

 トントントン、下から階段を上がってくる足音が聞こえた。ヤベェ、シンギさんに心配かけた? と部屋まで来たら謝ろうと考えた。

「タヤ、凄い音がしたが平気か? 怪我していないか?」

(え、シンギさんじゃない?)

 この声は……ルテだ。

(平気じゃねぇ……いま、扉を開けられたら霰もない姿を見せて、俺の香りでルテをまた誘ってしまう、それだけは避けなくては……)

「寝ぼけて、ベッドから落ちただけだから平気だ……それとルテ、絶対に扉を開けないでくれ。さっきの様なこと以上の事が起こる……」

「わかっている、この扉は開けない。すごい音がしたからきたんだ。タヤ、ほんとうに怪我していないか?」

「ああ、大丈夫……ありがとう、ルテ、心配かけたな」

「いいや、また採取クエストに行こうな」
 
 ルテはあんな事があったのに、誘ってくれるんだ……嬉しい。

「あぁ、行きたい。絶対に行こうな」



 ♱♱♱



 約束してから一ヶ月後たち。ルテとたまに時間があうと採取クエストに行ったり、ギルド近くの食堂で話したりと仲良くやっていた。

 出る前に――抑制剤もしっかり飲んで、ヒートが起こる時期はルテに教えていた。ルテも気をつけてくれているみたいで『タヤ、ヒートがそろそろ起こるだろう? 私の側を離れるな』とオレを守ってくれる。

 なんだろう、嬉しいんだけど……むず痒い。
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