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じゅっろく熊
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森の奥深く。リチャとマンション3階建てぐらいの大きさのドラゴンは楽しげに笑っていた。それもバッチバッチに花火を散らして。
「今の僕ならレッド! 君を倒せる!」
「けっ、負けが続く熊族のリチャごときが、竜族の俺様を倒すだとぉ? どの口が言ってんだぁ?」
バチッと、2人のカチあった殺気と殺気に風圧が起こり。私はその風圧に軽々と飛ばされて、すぐ近くの木に必死にしがみ付いた。
(こわっ、吹っ飛んでいっちゃうところだった)
すぐに文句をリチャに言った。
「ちょっと、リチャ、落ち着きなさい!」
「あ、ごめん。ヒジリ……あいつが僕を挑発するし。今日はヒジリもいるから頑張っちゃった」
てへっ、じゃない!
私とリチャの会話に、ジロリとドラゴンが私を睨んだ。
「あぁん? ヒジリだと? リチャ、お前! 男同士の戦いになに、か弱い女性を連れてくるんだぁ! 怪我したらどうするんだ! ……お嬢さんはこの中に入って、俺たちの勝負を見ていてください」
レッドと呼ばれたドラゴンは私のために、防御ドームを魔法で作ってくれた。大人しく入ればドラゴンはうんうんと頷き、嬉しそうに笑った。
「へぇ、けっこう可愛いじゃねぇかぁ? あの女性はリチャのなんなんだ?」
「名前はヒジリ。彼女は僕の嫁(予定)の人だよ。あくまで予定! だからね」
「嫁(予定)か……どこで知り合ったんだ?」
「1週間前くらいかな? ザザンの森に1人でいたんだ。初めて会ったときに僕が一目惚れした! レッド、このことはヒジリには内緒だからね」
リチャは口元に手を当てて、シーってドラゴンに言ってるけど。……まっ、丸聞こえだよリチャ。
ふんふん、とやる気のリチャ。
「レッド、戦う前に姿を変えろ!」
「リチャも、なぁ!」
目の前に土煙が舞い、ドラゴンとリチャは人型の姿になって現れる。赤髪、鋭い赤い瞳、シャツとズボン姿のレッドと、茶髪、人懐っこい茶色の瞳のリチャ⁉︎ 2人とも人並外れたタイプ別のイケメンだった。
「「行くぜぇ!」」
その2人が睨み合い体当たりした。これは彼らを囲う円がないけどお相撲だ。両者とも相手のズボンのベルトに手をかけたまま、どっちもピクリとも動かない!
「くっ! レッド、負けない」
「けっ、俺様が負けるかよ!」
「ふふふっ、今日の僕は秘密のハニーフレンチトーストをヒジリと食べてきたから、負けるわけがないんだぁ!」
「はぁ? なに美味そうなもん2人でイチャイチャ食ってんだよ! リチャ!」
レッドは先制を仕掛けたが、リチャの動きの方が早くレッドを持ち上げ、投げ飛ばした。レッドは近くの木にぶち当たり地面にずり落ちが。すぐに立ち上がり、親指で口元の血を拭き取り。
「ほんとうに、口だけじゃねぇなぁ。まじ、今日のリチャは半端ねぇ」
「えへん、強いだろ。ヒジリ、ヒジリ、見てた!」
リチャは余裕があるらしく、私に手を振ったけど、余りにも次元の違う戦いに驚いていた。
「羨ましいことするな! くそっ負けねぇ、第二形態だ!」
レッドがそう叫び。メキメキと頭には真っ黒なツノが生えて、お尻に長い鱗状の尻尾が生えた。ゲームなどに出てくる、一目で竜族と分かる姿になった。
「あっ、ずるい! 僕も第二形態!」
えっ、リチャも? と見ていたけど。えっ、えぇ? 彼はボフッと元のもふもふリチャ熊の姿に戻った。
「そうだろうと思った。リチャ、嫁(予定)の前だからって、無理するなって!」
「嫁(予定)の前だからこそ、無理するんだよ!」
どちらも引かない戦いが、また始まる。
「今の僕ならレッド! 君を倒せる!」
「けっ、負けが続く熊族のリチャごときが、竜族の俺様を倒すだとぉ? どの口が言ってんだぁ?」
バチッと、2人のカチあった殺気と殺気に風圧が起こり。私はその風圧に軽々と飛ばされて、すぐ近くの木に必死にしがみ付いた。
(こわっ、吹っ飛んでいっちゃうところだった)
すぐに文句をリチャに言った。
「ちょっと、リチャ、落ち着きなさい!」
「あ、ごめん。ヒジリ……あいつが僕を挑発するし。今日はヒジリもいるから頑張っちゃった」
てへっ、じゃない!
私とリチャの会話に、ジロリとドラゴンが私を睨んだ。
「あぁん? ヒジリだと? リチャ、お前! 男同士の戦いになに、か弱い女性を連れてくるんだぁ! 怪我したらどうするんだ! ……お嬢さんはこの中に入って、俺たちの勝負を見ていてください」
レッドと呼ばれたドラゴンは私のために、防御ドームを魔法で作ってくれた。大人しく入ればドラゴンはうんうんと頷き、嬉しそうに笑った。
「へぇ、けっこう可愛いじゃねぇかぁ? あの女性はリチャのなんなんだ?」
「名前はヒジリ。彼女は僕の嫁(予定)の人だよ。あくまで予定! だからね」
「嫁(予定)か……どこで知り合ったんだ?」
「1週間前くらいかな? ザザンの森に1人でいたんだ。初めて会ったときに僕が一目惚れした! レッド、このことはヒジリには内緒だからね」
リチャは口元に手を当てて、シーってドラゴンに言ってるけど。……まっ、丸聞こえだよリチャ。
ふんふん、とやる気のリチャ。
「レッド、戦う前に姿を変えろ!」
「リチャも、なぁ!」
目の前に土煙が舞い、ドラゴンとリチャは人型の姿になって現れる。赤髪、鋭い赤い瞳、シャツとズボン姿のレッドと、茶髪、人懐っこい茶色の瞳のリチャ⁉︎ 2人とも人並外れたタイプ別のイケメンだった。
「「行くぜぇ!」」
その2人が睨み合い体当たりした。これは彼らを囲う円がないけどお相撲だ。両者とも相手のズボンのベルトに手をかけたまま、どっちもピクリとも動かない!
「くっ! レッド、負けない」
「けっ、俺様が負けるかよ!」
「ふふふっ、今日の僕は秘密のハニーフレンチトーストをヒジリと食べてきたから、負けるわけがないんだぁ!」
「はぁ? なに美味そうなもん2人でイチャイチャ食ってんだよ! リチャ!」
レッドは先制を仕掛けたが、リチャの動きの方が早くレッドを持ち上げ、投げ飛ばした。レッドは近くの木にぶち当たり地面にずり落ちが。すぐに立ち上がり、親指で口元の血を拭き取り。
「ほんとうに、口だけじゃねぇなぁ。まじ、今日のリチャは半端ねぇ」
「えへん、強いだろ。ヒジリ、ヒジリ、見てた!」
リチャは余裕があるらしく、私に手を振ったけど、余りにも次元の違う戦いに驚いていた。
「羨ましいことするな! くそっ負けねぇ、第二形態だ!」
レッドがそう叫び。メキメキと頭には真っ黒なツノが生えて、お尻に長い鱗状の尻尾が生えた。ゲームなどに出てくる、一目で竜族と分かる姿になった。
「あっ、ずるい! 僕も第二形態!」
えっ、リチャも? と見ていたけど。えっ、えぇ? 彼はボフッと元のもふもふリチャ熊の姿に戻った。
「そうだろうと思った。リチャ、嫁(予定)の前だからって、無理するなって!」
「嫁(予定)の前だからこそ、無理するんだよ!」
どちらも引かない戦いが、また始まる。
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