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51話

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 な、なんなのこの持ちは?
 前よりも、アオが素敵に見える?
 
 カサンドラは自分の気持ちが、よく分からずにいた。でも妹と仲の良いアサルト皇太子殿下を想っていた、辛い気持ちじゃなく。この芽生えた気持ちは全然、嫌な気持ちじゃなく――カサンドラの心をほんわかさせた。


 
 舞踏会まで2週間、お祖母様とホウキに乗る練習をしてみたけど、カサンドラは地面から数センチ浮くのがやっとで……ホウキで王都に行くには無理だった。

 当日はタサの街で御者と馬車を数日間、借りることにした。別荘から王都はカサンドラが住んでいた、公爵家の屋敷よりも遠く。

 早朝に出てゆっくり王都まで向かっても、2日から1日半以上は掛かる距離。向かう途中の街の宿屋で一泊して、王都に着いて一泊する予定。

 そして道中、何が起こるか分からないから、舞踏会開催の3日前に別荘を出ることにした。王都に早く着いたら、王都観光をしようとアオとシュシュで話している。


 
 お昼過ぎスルールの低木を眺めながら、庭で洗濯物を取り込むカサンドラとシュシュの元へ、アオが嬉しそうにかけてきた。

「ドラ、シュシュ、聞いてくれ!」

「どうしたの? アオ君」
「何かいい事があったのですか?」

「そうなんだよ! オレさ、オレ! 1時間から2時間くらい、尻尾と耳を消せるようになったから。今日から荷馬車でタサの街に買い物に行けるぞ」

「ほんと? アオ君、無理をしていない?」

 大丈夫だ! と言うアオに。

「でしたら、アオ君と私、シュシュの王都に行く服と、お揃いの旅行カバンだとか、必要な物を街で買いたいわ」

 カサンドラとシュシュ、2人での買い物には限界があった。アオが荷馬車を出してくれるなら、必要なものを一気に買えるとカサンドラは喜んだ。

「私、ドラお嬢様とお揃いの服が着たいです」
「いいわね、お揃いにしましょう」

 みんなでお茶どきに行って、タサの街で人気の喫茶店でお茶をすることにした。そこは紅茶とリンゴがゴロゴロはいるアップルパイが美味しい店で、カサンドラが一度は寄りたいと、シュシュに言っていた喫茶店だ。

 一度、アップルパイをお土産に買ってきてから、みんなのお気に入り、それが今日は焼きたてが食べられるのだ。

「美味しいダージリンの紅茶と、焼きたてのアップルパイには生クリームをたっぷり乗せたいわ」

「あの美味い、アップルパイに生クリームかぁ。たまらんなぁ」

「私も生クリームたっぷりがいいです」

 アオが操る荷馬車でタサの街に向かった。
 
 みんなで目的の喫茶店に入るとそこに、オシャレなドレスを着て、お茶をするセリィーヌお祖母様と。ビシッとスーツを着て、人型となったシャルル様がいた。
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