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50話
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「アオ君、ちょっといい?」
カサンドラは庭で、剣の訓練をするアオに声をかけた。アオはすぐに覚えたてのクリーン魔法を使用して、カサンドラの後をついてきた。
「アオ君、もう、クリーン覚えたんだ」
「ああ、便利そうだったからな」
アオはお祖母様に魔法の特訓を受けて、次々と魔法を覚えている。今ではカサンドラよりも、多くの魔法を使えるかもしれない。
(少し悔しいので、私も負けずに覚えますわ)
「ところで、ドラの用事ってなんだ?」
「フフ、着いてからのお楽しみですわ」
アオの思いをカサンドラが知ったのか、知らなかったかは知らないが。カサンドラはウキウキと「アオ君、入って」と、自分の部屋の扉を開けた。
部屋の中にはシュシュもいて、彼女の隣には紺色の男性物の服が飾られていた。それともう一つ、カサンドラの妹から贈られたドレスが、様変わりして飾られていた。
カサンドラは先に部屋に入り、アオに衣装を見せる。
「見て、アオ君! 舞踏会の衣装が出来上がったの。こちらのジュストコールがアオ君ので、こっちが私のドレス。ジュストコールの袖とスカートの裾にお揃いの、スルールの葉っぱの刺繍が入っているの」
カサンドラは嬉しそうに、ジュストコールの袖と、ドレスの裾を見せた。
「お2人の衣装にお揃いの刺繍をしようと、思いつきまして。スルールの低木をイメージさせていただきました」
素敵よねぇ、と話す、カサンドラに。
アオは驚いて、声を上げる。
「ちょ、ちょっと待て! ドラ、シュシュ……こ、こんなキラキラして、素敵な服をオレが着るのか?」
「ええ、アオ君は私の騎士ですもの。当日これを着てエスコートしてください」
カサンドラとシュシュが準備した衣装は、3日前にシャルル様が着ていた白と黒のタキシードよりも、素敵な服だとアオは思った。なにより、1番はカサンドラとおそろいの刺繍だ。
「当日持ちます、ハンカチは私もお揃いにしました」
「シュシュ、ありがとう。さぁアオ君、サイズを見るので着てくださる? と言いたいとですが……尻尾の穴があいていません」
いまから寸法を測って、シュシュが開けると言ったが、アオは「いいよ」と首を振った。
「当日、耳と尻尾を魔法で消すから」
「え? アオ君、無理はいけませんわ。それも含めてアオ君なんだから……私のためとかで消すのは、やめてください!」
「悪いが、ドラがなんと言おうが消すと言ったら消す。オレの努力を見てほしい」
アオ君! と、カサンドラはアオを抱きしめた……のだけど。女性のシュシュと違い、タヌキの姿とも違う。男性のアオとお日様の香りに、カサンドラの心はドキッとはねる。
――え、これは何⁉︎
カサンドラは婚約者だった、アサルト皇太子とはダンスの練習以外で、くっつくことがなかった。自分に男性との、免疫がないことに気づいていなかったのだ。
(前に手を繋いだときは、なんとも無かったのに……)
カサンドラは胸に手を当てて考えたけど、わからない。
寸法を見るためにアオが着た……ジュストコール姿が、さらにカサンドラには違って見えた。
カサンドラは庭で、剣の訓練をするアオに声をかけた。アオはすぐに覚えたてのクリーン魔法を使用して、カサンドラの後をついてきた。
「アオ君、もう、クリーン覚えたんだ」
「ああ、便利そうだったからな」
アオはお祖母様に魔法の特訓を受けて、次々と魔法を覚えている。今ではカサンドラよりも、多くの魔法を使えるかもしれない。
(少し悔しいので、私も負けずに覚えますわ)
「ところで、ドラの用事ってなんだ?」
「フフ、着いてからのお楽しみですわ」
アオの思いをカサンドラが知ったのか、知らなかったかは知らないが。カサンドラはウキウキと「アオ君、入って」と、自分の部屋の扉を開けた。
部屋の中にはシュシュもいて、彼女の隣には紺色の男性物の服が飾られていた。それともう一つ、カサンドラの妹から贈られたドレスが、様変わりして飾られていた。
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「見て、アオ君! 舞踏会の衣装が出来上がったの。こちらのジュストコールがアオ君ので、こっちが私のドレス。ジュストコールの袖とスカートの裾にお揃いの、スルールの葉っぱの刺繍が入っているの」
カサンドラは嬉しそうに、ジュストコールの袖と、ドレスの裾を見せた。
「お2人の衣装にお揃いの刺繍をしようと、思いつきまして。スルールの低木をイメージさせていただきました」
素敵よねぇ、と話す、カサンドラに。
アオは驚いて、声を上げる。
「ちょ、ちょっと待て! ドラ、シュシュ……こ、こんなキラキラして、素敵な服をオレが着るのか?」
「ええ、アオ君は私の騎士ですもの。当日これを着てエスコートしてください」
カサンドラとシュシュが準備した衣装は、3日前にシャルル様が着ていた白と黒のタキシードよりも、素敵な服だとアオは思った。なにより、1番はカサンドラとおそろいの刺繍だ。
「当日持ちます、ハンカチは私もお揃いにしました」
「シュシュ、ありがとう。さぁアオ君、サイズを見るので着てくださる? と言いたいとですが……尻尾の穴があいていません」
いまから寸法を測って、シュシュが開けると言ったが、アオは「いいよ」と首を振った。
「当日、耳と尻尾を魔法で消すから」
「え? アオ君、無理はいけませんわ。それも含めてアオ君なんだから……私のためとかで消すのは、やめてください!」
「悪いが、ドラがなんと言おうが消すと言ったら消す。オレの努力を見てほしい」
アオ君! と、カサンドラはアオを抱きしめた……のだけど。女性のシュシュと違い、タヌキの姿とも違う。男性のアオとお日様の香りに、カサンドラの心はドキッとはねる。
――え、これは何⁉︎
カサンドラは婚約者だった、アサルト皇太子とはダンスの練習以外で、くっつくことがなかった。自分に男性との、免疫がないことに気づいていなかったのだ。
(前に手を繋いだときは、なんとも無かったのに……)
カサンドラは胸に手を当てて考えたけど、わからない。
寸法を見るためにアオが着た……ジュストコール姿が、さらにカサンドラには違って見えた。
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