19 / 19
最終話 …やりおったナナカと、私達は幸せ!
しおりを挟む
あの後、王の間にいた国王、側近、騎士は魔王という言葉を聞くだけで恐怖に震える様になったと、弟君が作った魔導偵察機で偵察してきたと報告をうけた。
(よほど魔族の魔力にあてられて、怖い目にあったのね)
元婚約者のジュリオンはというと、自由奔放、見境のない、ナナカに手を焼いていたが……ナナカはとうとうやりおった。
学園を崩壊させ、ナナカは多くの婚約を壊しだとして、多くの貴族、一般女性を敵に回し訴訟を起こされ、裁判にかけられた。男爵の家は潰され、多額の慰謝料請求が彼女の元に送られた。
『ケッ、私を誰だと思っているの! 第一王子の婚約者よ!』
その慰謝料請求をナナカはジュリオンの名を出して、踏み倒そうとしたのだ。
自分がナナカの誘惑に負けて手を出し、キャロット嬢との婚約破棄して国王の怒りをかい(魔王に怯えさせられた、恐怖が抜けぬ)と、王太子になれず。弟ーー皇太子となった第二王子の側近として、どうにか王城においてもらっている。
ジュリオンは、何度もナナカに"大人しくしてくれ!"と言ったが、ナナカは聞かず遊びまわった。
そして、今度は慰謝料の請求の束……ジュリオンは手に負えないと、陛下に頼み込み"接近禁止命令"をだしてもらい、手切金として金を払いナナカと婚約破棄をした。
しかし、ナナカは懲りず同じことを繰り返す。
そして大商人の娘の婿に手をだそうとして捕まり、そんなに男が好きならと、商人が経営する一番下(数々の変態が集まる)の娼館へと送られたそうだ。
その頃、私達は妖精つむぎで作られたウェディングドレスとタキシードを着て、魔王城でみんなに祝福されてランと結婚した。
「キャロ、一生愛して、幸せにする」
「私もランを愛して、幸せにするわ!」
そして、今夜、初夜を迎える。
ランから真面目な顔で『今夜着てくれ』と送られたのは……真っ白なフリフリエプロン。ランが言うには、なんでも横乳、太もも、丸見えなお尻を隠す姿がいいらしい。
「魔法で、スケスケにもできる!」
「きゃっ、変なことに魔法を使わないの!」
「照れるキャロ可愛い。今日から俺だけのキャロだ!」
ランに抱えられて、ベッドに優しく寝かされる。
「は、はじめてだから、優しく……ね」
「……ん? 俺もだけど」
「あ、」
(ランがエッチだから忘れていた……彼はズッと、私だけを想いつづけてくれていた)
「……私、幸せ」
「俺もだ」
ランと見合って、笑った。
「フフ、緊張する」
「ああ、緊張するな……できるだけ、優しくする。愛しているキャロット」
「私も愛しているわ、ランスロット」
二年後、私はランに似た可愛い男の子を出産した。
その半年後。マスカレット様とケーキ屋の娘さんから結婚の招待状が届き、二人で驚く。
「へぇ、兄貴、あの子と結婚するのか。この前、デートに誘えたって喜んでいたのにな、めでたいな」
「ええ、おめでたいわね」
幸せを噛みしめて、ランにそっと寄り添った。
*最後までお読みいただきありがとうございました。*
(よほど魔族の魔力にあてられて、怖い目にあったのね)
元婚約者のジュリオンはというと、自由奔放、見境のない、ナナカに手を焼いていたが……ナナカはとうとうやりおった。
学園を崩壊させ、ナナカは多くの婚約を壊しだとして、多くの貴族、一般女性を敵に回し訴訟を起こされ、裁判にかけられた。男爵の家は潰され、多額の慰謝料請求が彼女の元に送られた。
『ケッ、私を誰だと思っているの! 第一王子の婚約者よ!』
その慰謝料請求をナナカはジュリオンの名を出して、踏み倒そうとしたのだ。
自分がナナカの誘惑に負けて手を出し、キャロット嬢との婚約破棄して国王の怒りをかい(魔王に怯えさせられた、恐怖が抜けぬ)と、王太子になれず。弟ーー皇太子となった第二王子の側近として、どうにか王城においてもらっている。
ジュリオンは、何度もナナカに"大人しくしてくれ!"と言ったが、ナナカは聞かず遊びまわった。
そして、今度は慰謝料の請求の束……ジュリオンは手に負えないと、陛下に頼み込み"接近禁止命令"をだしてもらい、手切金として金を払いナナカと婚約破棄をした。
しかし、ナナカは懲りず同じことを繰り返す。
そして大商人の娘の婿に手をだそうとして捕まり、そんなに男が好きならと、商人が経営する一番下(数々の変態が集まる)の娼館へと送られたそうだ。
その頃、私達は妖精つむぎで作られたウェディングドレスとタキシードを着て、魔王城でみんなに祝福されてランと結婚した。
「キャロ、一生愛して、幸せにする」
「私もランを愛して、幸せにするわ!」
そして、今夜、初夜を迎える。
ランから真面目な顔で『今夜着てくれ』と送られたのは……真っ白なフリフリエプロン。ランが言うには、なんでも横乳、太もも、丸見えなお尻を隠す姿がいいらしい。
「魔法で、スケスケにもできる!」
「きゃっ、変なことに魔法を使わないの!」
「照れるキャロ可愛い。今日から俺だけのキャロだ!」
ランに抱えられて、ベッドに優しく寝かされる。
「は、はじめてだから、優しく……ね」
「……ん? 俺もだけど」
「あ、」
(ランがエッチだから忘れていた……彼はズッと、私だけを想いつづけてくれていた)
「……私、幸せ」
「俺もだ」
ランと見合って、笑った。
「フフ、緊張する」
「ああ、緊張するな……できるだけ、優しくする。愛しているキャロット」
「私も愛しているわ、ランスロット」
二年後、私はランに似た可愛い男の子を出産した。
その半年後。マスカレット様とケーキ屋の娘さんから結婚の招待状が届き、二人で驚く。
「へぇ、兄貴、あの子と結婚するのか。この前、デートに誘えたって喜んでいたのにな、めでたいな」
「ええ、おめでたいわね」
幸せを噛みしめて、ランにそっと寄り添った。
*最後までお読みいただきありがとうございました。*
10
お気に入りに追加
174
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
好きな人と友人が付き合い始め、しかも嫌われたのですが
月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
ナターシャは以前から恋の相談をしていた友人が、自分の想い人ディーンと秘かに付き合うようになっていてショックを受ける。しかし諦めて二人の恋を応援しようと決める。だがディーンから「二度と僕達に話しかけないでくれ」とまで言われ、嫌われていたことにまたまたショック。どうしてこんなに嫌われてしまったのか?卒業パーティーのパートナーも決まっていないし、どうしたらいいの?
【完結】悪役令嬢の反撃の日々
アイアイ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。
何をしているのですか? 貴方が抱きしめようとしている『ソレ』は私の妹ですよ?
ノ木瀬 優
恋愛
幼くして子爵家当主となったリーシャは、妹からの頼まれごとを済ませて家に帰ると、とんでもない光景を目撃してしまう。
よくある寝取られ物……かと思いきや、実は妹にはある思惑が……。
全6話。本日中に完結します。
R15は保険です。設定甘めなので頭を空っぽにして読んで頂けると嬉しいです。
貧乏男爵家の末っ子が眠り姫になるまでとその後
空月
恋愛
貧乏男爵家の末っ子・アルティアの婚約者は、何故か公爵家嫡男で非の打ち所のない男・キースである。
魔術学院の二年生に進学して少し経った頃、「君と俺とでは釣り合わないと思わないか」と言われる。
そのときは曖昧な笑みで流したアルティアだったが、その数日後、倒れて眠ったままの状態になってしまう。
すると、キースの態度が豹変して……?
公爵令嬢エイプリルは嘘がお嫌い〜断罪を告げてきた王太子様の嘘を暴いて差し上げましょう〜
星河由乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「公爵令嬢エイプリル・カコクセナイト、今日をもって婚約は破棄、魔女裁判の刑に処す!」
「ふっ……わたくし、嘘は嫌いですの。虚言症の馬鹿な異母妹と、婚約者のクズに振り回される毎日で気が狂いそうだったのは事実ですが。それも今日でおしまい、エイプリル・フールの嘘は午前中まで……」
公爵令嬢エイプリル・カコセクナイトは、新年度の初日に行われたパーティーで婚約者のフェナス王太子から断罪を言い渡される。迫り来る魔女裁判に恐怖で震えているのかと思われていたエイプリルだったが、フェナス王太子こそが嘘をついているとパーティー会場で告発し始めた。
* エイプリルフールを題材にした作品です。更新期間は2023年04月01日・02日の二日間を予定しております。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
私知らないから!
mery
恋愛
いきなり子爵令嬢に殿下と婚約を解消するように詰め寄られる。
いやいや、私の権限では決められませんし、直接殿下に言って下さい。
あ、殿下のドス黒いオーラが見える…。
私、しーらないっ!!!
侯爵令嬢の置き土産
ひろたひかる
恋愛
侯爵令嬢マリエは婚約者であるドナルドから婚約を解消すると告げられた。マリエは動揺しつつも了承し、「私は忘れません」と言い置いて去っていった。***婚約破棄ネタですが、悪役令嬢とか転生、乙女ゲーとかの要素は皆無です。***今のところ本編を一話、別視点で一話の二話の投稿を予定しています。さくっと終わります。
「小説家になろう」でも同一の内容で投稿しております。
悪役令嬢になりそこねた令嬢
ぽよよん
恋愛
レスカの大好きな婚約者は2歳年上の宰相の息子だ。婚約者のマクロンを恋い慕うレスカは、マクロンとずっと一緒にいたかった。
マクロンが幼馴染の第一王子とその婚約者とともに王宮で過ごしていれば側にいたいと思う。
それは我儘でしょうか?
**************
2021.2.25
ショート→短編に変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる