浮気者はいりません

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最終話 …やりおったナナカと、私達は幸せ!

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あの後、王の間にいた国王、側近、騎士は魔王という言葉を聞くだけで恐怖に震える様になったと、弟君が作った魔導偵察機で偵察してきたと報告をうけた。

(よほど魔族の魔力にあてられて、怖い目にあったのね)

元婚約者のジュリオンはというと、自由奔放、見境のない、ナナカに手を焼いていたが……ナナカはとうとうやりおった。

学園を崩壊させ、ナナカは多くの婚約を壊しだとして、多くの貴族、一般女性を敵に回し訴訟を起こされ、裁判にかけられた。男爵の家は潰され、多額の慰謝料請求が彼女の元に送られた。

『ケッ、私を誰だと思っているの! 第一王子の婚約者よ!』

その慰謝料請求をナナカはジュリオンの名を出して、踏み倒そうとしたのだ。
自分がナナカの誘惑に負けて手を出し、キャロット嬢との婚約破棄して国王の怒りをかい(魔王に怯えさせられた、恐怖が抜けぬ)と、王太子になれず。弟ーー皇太子となった第二王子の側近として、どうにか王城においてもらっている。

ジュリオンは、何度もナナカに"大人しくしてくれ!"と言ったが、ナナカは聞かず遊びまわった。

そして、今度は慰謝料の請求の束……ジュリオンは手に負えないと、陛下に頼み込み"接近禁止命令"をだしてもらい、手切金として金を払いナナカと婚約破棄をした。

しかし、ナナカは懲りず同じことを繰り返す。
そして大商人の娘の婿に手をだそうとして捕まり、そんなに男が好きならと、商人が経営する一番下(数々の変態が集まる)の娼館へと送られたそうだ。



その頃、私達は妖精つむぎで作られたウェディングドレスとタキシードを着て、魔王城でみんなに祝福されてランと結婚した。

「キャロ、一生愛して、幸せにする」
「私もランを愛して、幸せにするわ!」

そして、今夜、初夜を迎える。
ランから真面目な顔で『今夜着てくれ』と送られたのは……真っ白なフリフリエプロン。ランが言うには、なんでも横乳、太もも、丸見えなお尻を隠す姿がいいらしい。

「魔法で、スケスケにもできる!」
「きゃっ、変なことに魔法を使わないの!」

「照れるキャロ可愛い。今日から俺だけのキャロだ!」

ランに抱えられて、ベッドに優しく寝かされる。

「は、はじめてだから、優しく……ね」
「……ん? 俺もだけど」

「あ、」

(ランがエッチだから忘れていた……彼はズッと、私だけを想いつづけてくれていた)

「……私、幸せ」
「俺もだ」

ランと見合って、笑った。

「フフ、緊張する」
「ああ、緊張するな……できるだけ、優しくする。愛しているキャロット」

「私も愛しているわ、ランスロット」



二年後、私はランに似た可愛い男の子を出産した。
その半年後。マスカレット様とケーキ屋の娘さんから結婚の招待状が届き、二人で驚く。

「へぇ、兄貴、あの子と結婚するのか。この前、デートに誘えたって喜んでいたのにな、めでたいな」

「ええ、おめでたいわね」

幸せを噛みしめて、ランにそっと寄り添った。





*最後までお読みいただきありがとうございました。*
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