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緑スライムを狩に行こう!(2)

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「はっ!」

国の東森でレベル1~5の緑スライムを剣で瞬殺する。やられたスライムは魔石とドロドロな液体に変わる。スライムが落とした魔石はギルドに渡して、どろどろ液は回収ポットに集められる。集めた液は不純物を除き、秘密の工程を過ぎてぬるぬる液になるらしい。

1匹、1匹と緑スライムを倒して、セバスにドヤがを見せた。しかしセスの魔法は複数攻撃で、俺が1匹倒す間に3匹倒す。

「セス、負けねーぞ!」

「私も、レオには負けません」









部屋を出てエントランスに向かい。俺たちを待っていたラマさんの魔法で、ギルドがあるレクト街に転送で送ってもらった。最初からギルドに話を通してあったのか、俺たちはギルドの裏口から入り、ギルド長――髭面のガタイのいい男性に会った。

ギルド長は俺の姿を見て、胸に手を当て頭を下げた。

「いらっしゃいませ、王太子殿下様」

「あぁ、今日、1日だけ冒険者になれると聞いてやってきた、よろしく頼む」

「はい、王太子殿下様と側近様に特別、冒険者カードを作成いたしました」

俺たちは着いて早々――話が分かるギルド長に、特別1日だけ使用できる冒険者カードを渡された。そのカードに名前を登録するときになって、いつもの名前ではとなりレオとセスにした。

ステータスと言うものはレベル1、駆け出しの冒険者らしい。そのギルドで受けた依頼は緑スライムを30達倒せだ。スライムを倒して魔石を30個ギルドに収めれば終わりだ。

初心者クエの為、他の冒険者はいない。誰にも会わない事をいいことに、セスことセバスと競いながら東森で緑スライムを狩っていた。16歳の頃はまだ、いまのように騎士団と朝練を始めていない為、筋肉量は少なく振る剣筋は軽い。

1振りで倒せる緑スライムでよかった。隣ではセスは魔法を登録済みの杖を振り、魔法を使いスライムを次々と倒していた。

見た目が16歳となり、気分まで若返ったようで、こんな提案をしてしまう。

「セス、今晩のおかずを賭けようぜ!」

「いいですよ、レオ」

マサとラマは俺たちがスライムを狩っている間、他のモンスターが出ないよう森の見回りをしていた。



――ちょうど半分くらい狩って。

「セス、少し休憩しようか?」

「はい、レオ」  
 
近くの岩に腰をかけた、セスはアイテムボックスを開き、中から持ってきた果物と果実水を出してくれた。

「レオ、林檎と林檎の果実水です」

「ありがとう、セス。……はぁ、美味い。なぁ、セス。この、緑スライムがぬるぬる液の元なんだよな」

「はい、この緑スライムは薬草を食べて育つ、スライムだと聞いております」

「へぇ、このスライムは薬草を食べるのか。だから、ぬるぬるだけではなく傷も治すんだな」

俺たちは緑スライムを倒してポットに回収していた。休憩が終わり何匹か狩った辺りで、緑スライムがいなくなり森の奥に行く提案をした。

「セス、あっちでスライムを探そうぜ!」

「レオ、余り森の奥に行っては、なりません!」

「そんなに奥に行かないって!」

また緑スライムを見つけて狩っていた。そんな俺たちに大きな影が近寄った。

「セス!」

「レオ!」

魔法使いのセバスを背に守り、俺は迫ってきた影に剣を構えた。そんな俺たちの前に姿を表したのは大きな犬? ――嫌、狼か……?

 その、大きな狼は俺たちにコクコク頭を下げた。

「こんにちは僕はフェンリルのカム。この森に住んでいるんだ、よろしくね」

その狼は悠長に言葉を話した。

「セ、セス。この狼、言葉を話すぞ!」

「その様ですね。あ、思い出しました。このフェルリルのカム様は――モードラー当主のお友達のフェルリル様です」

「モードラー当主の友達? なんだ、知り合いか……そうか、友達か」

「あのね、伝語を伝えにきた。マサとラマが奥の森で大猪モンスターを倒したから、今日は焼肉にしますか? それとも生姜焼きにしますか? って、聞いてきてって僕に言ったから聞きにきた」

この狼は、マサとラマの言葉を伝える為に、ここに来たのか。

「セス、今日の夕飯――焼肉と生姜焼きかどうする?」

「そうですね。甘辛のタレが絡む焼肉にするか、ピリリと生姜が効く生姜焼きにするか……どっちも良いです。魔法を使ってお腹もすきましたから」

「俺も動いて腹が減ってきた。焼肉と生姜焼き両方にしてくれと、2人に伝えてくれ。あと、俺たちが食べる分をとって余ったら、近くの町か村に下ろしてやってくれ」

「分かった、おっとその前に撫で撫でして、褒めて、褒めて」

ちょこんと俺の前に座った。褒美のなでなでの要求か。この狼、可愛いな。

「よし、俺が撫で撫でしてやる」

そう言うと、両手を広げてピョンとカムは飛びついてきた。余りの大きさに潰されたが、撫で撫で、良くやったとカムを褒めた。  

「やった、レオール王太子殿下様に褒められたぁ。僕、嬉しい!」

こいつ最初っから、俺のことを知っていたのか。でも可愛いから許す。

「セスも褒めてやれ! もふもふだぞ」

「では、カム様、失礼しまして」

遠慮しながら撫で撫でするセスの手を持ち、もっと撫でてやれと、2人でわしゃわしゃカムを撫でた。

しまいにはゴロンと寝転んだカム。

「むふぅ、たくさん褒められた、ありがとう。所で2人は同じ匂いがするけど番なの?」
 
俺とセスが同じ匂いか――ほほう、カムには分かるのだな。番か……少し照れるが悪くない響きだな。

「あぁ、セスは俺の番だ!」
 
「レオ?」

「違わないだろ? セス」

「やっぱり2人は番か……。じゃ、僕。マサとラマに焼肉と生姜焼きどっちも食べたいって伝えに行くね。それで、お肉が残ったら近くの町か村に下ろすんだよね」

「そうだ、カム。頼むな」

「レオ、任せて!」

カムは嬉しそうに森の奥にかけて行った。それを見送っているとセスがボソッと呟く。

「レオ様、私たちって番だったのですね」

「セスは違うのか? 主君と側近は変わらないが、やる事やってんだ。ただ、その行為は性の吐口じゃない。互いに想いあってやってんだから、俺たちは番だろ?」

「想いあって……そうです。レオと私は番です」

嬉しそうに笑ったセス、いつみても可愛い笑顔だな。
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