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74. もう少し早く出会えたら
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ツムギがレアスをメルガの背中に乗せようと四苦八苦しているその頃、部屋で寝ていたララが目を覚ましていた。ボーッとしながら部屋の中を見渡してると、隣でスヤスヤ眠るルトを見つけて強く叩いた。だが、ルトは起きることなくゴロンと寝返りをうって、スヤスヤとまた眠りだした。その様子に、はぁ。とため息つくララ。仕方なく、ルトを置いて一人でレアスのいるリビングに行こうと立ち上がった時、ふと机に置かれた本を見つけたララ。ふわり浮かんで机に向かっていくと、閉じていた本が、突然ページが開き眩い光を放ち出した。驚いたララが寝ているルトをまた強く叩いたり揺すったりして、やっと目が覚めたルト。ちょっと寝ぼけながらララを見ると、グイグイとララに引っ張られ、一緒に光る本に恐る恐る触れ、本を取るとそのまま二人一緒に本を持って大急ぎでツムギとレアスの所に走っていった
「よし。メルガ、急いでお部屋に……」
その頃、やっとレアスをメルガの背中に乗せたツムギは、ふぅ。と深呼吸をして部屋に戻ろうとくるりと振り向くと、ツムギの帰りを塞ぐほどの本達が、ふわり浮かんでいた
「本がまた……。どうしよう……。レアス、起きて!」
無理矢理レアスの体を揺らして起こそうとするツムギ。その揺れのせいで背中から落としそうになってメルガがあたふたと狼狽えていると、ツムギの頭にゴツンと何かが当たって床に落ちた
「痛いよ……なに?」
頭を擦りながら、当たった何か落ちた方を見ると、一冊の本が落ちていた。その本を恐る恐る手に取り、ページをめくった瞬間、ルトとララが本棚の部屋にバンッと勢いよく部屋の中に入ってきた
「ルト、ララ!来ちゃダメ!」
ツムギの声が響く中、ツムギの持っていた本が眩く光り、思わずぎゅっと強く目を閉じた。ルトとララがレアスの部屋から持ってきた本も、また眩く光りを放ち、パラパラとページがめくられると、更に強い光にルトとララが目を閉じると、グイッと体を本に引っ張られそのまま本の中に入ってしまった。同じくツムギやメルガも本に引っ張られ、本の中へと引きずり込まれ、姿が消えると本がパタンと閉じられ、フッと姿が消えてしまった
「ちょっと遅かったかな……」
ツムギやルト達が本に引っ張られ部屋から消えたすぐ後、リンとミナモがクロウに乗って、本棚の部屋にやって来た
「メルガもいないか……。呼び戻すにもメルガに大分負担がかかりそうだし……」
床に散らばったままの本を避けながら、リンが ツムギとレアスを探していると、ミナモが足元にあった本を手に取り、はぁ。とため息ついた
「クロウ、魔術を起こした本と似たような本を探せるか」
ミナモの言葉を聞いて、天井までふわりと飛んでいったクロウ。大きな翼を広げ羽ばたかせると、床に散らばっていた本が次々と本棚に戻っていった
「無いようですね、ミナモの本棚にある?」
「さぁ、探してみないと……」
リンに返事をすると、ミナモの隣に降りてきたクロウの背中に乗り、部屋にある窓の方へと向かいだした
「あれ?ミナモ、どこに行くの?」
「一度聞いてくる。リンは本棚に戻って探してきてほしい」
「えー……」
ミナモの話に乗り気じゃなさそうな反応で答えるリン。その態度に、ミナモが呆れたようにため息をついた
「メルガが心配じゃないのか?」
「メルガだけなから、大丈夫ですよ。僕の使い魔ですもの。それより、二人が心配ですね」
「……使い魔が本を持っていたな」
「じゃあ、仕方ない。ミナモの本棚まで連れてって」
緊張感もなくニコニコと微笑みお願いをするリンに少し苛つきながらも、リンの隣にクロウと一緒に近づくと、ミナモの後ろにクロウに乗ると、またはぁ。とため息つくと、クロウの体をそっと触れた。すると、二人を乗せたクロウが、また天井までふわりと浮かんで窓の方へと向かっていった
「クロウ。最速で向かうぞ。思っているより面倒なことになりそうだ」
「よし。メルガ、急いでお部屋に……」
その頃、やっとレアスをメルガの背中に乗せたツムギは、ふぅ。と深呼吸をして部屋に戻ろうとくるりと振り向くと、ツムギの帰りを塞ぐほどの本達が、ふわり浮かんでいた
「本がまた……。どうしよう……。レアス、起きて!」
無理矢理レアスの体を揺らして起こそうとするツムギ。その揺れのせいで背中から落としそうになってメルガがあたふたと狼狽えていると、ツムギの頭にゴツンと何かが当たって床に落ちた
「痛いよ……なに?」
頭を擦りながら、当たった何か落ちた方を見ると、一冊の本が落ちていた。その本を恐る恐る手に取り、ページをめくった瞬間、ルトとララが本棚の部屋にバンッと勢いよく部屋の中に入ってきた
「ルト、ララ!来ちゃダメ!」
ツムギの声が響く中、ツムギの持っていた本が眩く光り、思わずぎゅっと強く目を閉じた。ルトとララがレアスの部屋から持ってきた本も、また眩く光りを放ち、パラパラとページがめくられると、更に強い光にルトとララが目を閉じると、グイッと体を本に引っ張られそのまま本の中に入ってしまった。同じくツムギやメルガも本に引っ張られ、本の中へと引きずり込まれ、姿が消えると本がパタンと閉じられ、フッと姿が消えてしまった
「ちょっと遅かったかな……」
ツムギやルト達が本に引っ張られ部屋から消えたすぐ後、リンとミナモがクロウに乗って、本棚の部屋にやって来た
「メルガもいないか……。呼び戻すにもメルガに大分負担がかかりそうだし……」
床に散らばったままの本を避けながら、リンが ツムギとレアスを探していると、ミナモが足元にあった本を手に取り、はぁ。とため息ついた
「クロウ、魔術を起こした本と似たような本を探せるか」
ミナモの言葉を聞いて、天井までふわりと飛んでいったクロウ。大きな翼を広げ羽ばたかせると、床に散らばっていた本が次々と本棚に戻っていった
「無いようですね、ミナモの本棚にある?」
「さぁ、探してみないと……」
リンに返事をすると、ミナモの隣に降りてきたクロウの背中に乗り、部屋にある窓の方へと向かいだした
「あれ?ミナモ、どこに行くの?」
「一度聞いてくる。リンは本棚に戻って探してきてほしい」
「えー……」
ミナモの話に乗り気じゃなさそうな反応で答えるリン。その態度に、ミナモが呆れたようにため息をついた
「メルガが心配じゃないのか?」
「メルガだけなから、大丈夫ですよ。僕の使い魔ですもの。それより、二人が心配ですね」
「……使い魔が本を持っていたな」
「じゃあ、仕方ない。ミナモの本棚まで連れてって」
緊張感もなくニコニコと微笑みお願いをするリンに少し苛つきながらも、リンの隣にクロウと一緒に近づくと、ミナモの後ろにクロウに乗ると、またはぁ。とため息つくと、クロウの体をそっと触れた。すると、二人を乗せたクロウが、また天井までふわりと浮かんで窓の方へと向かっていった
「クロウ。最速で向かうぞ。思っているより面倒なことになりそうだ」
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