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62. みんなが眠るその間に
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「メルガ、ありがとう。気をつけて帰ってね」
ミナモの家から出てメルガの背中に乗り空を飛んで、レアスの家まで送ってもらったツムギ達。玄関でメルガをぎゅっと抱きしめると、少し寂しそうにメルガはリンの所へと帰っていった。手を振りメルガを見送るツムギやルトとララの後ろで、レアスが玄関の扉を開けた
「あの、レアス……」
ツムギに声をかけられて少し振り向くと、本を抱きしめたまま何にも言わないレアスに少し怯えて、ツムギがほんの少し後退りをすると、レアスが目を背け家の中へと入っていった。パタンと小さく扉の音が聞こえると、ツムギがふぅ。とため息ついて、肩に乗るララの方にゆっくりと顔を向けた
「ララ、レアスのところ行かなくて大丈夫?」
ツムギがそう声をかけると、困った顔でレアスの部屋の窓がある方を見たララに、ルトが頭を撫でて励ましている
「レアス、一人になりたいのかな。もうちょっと一緒に居よっか」
ツムギがルトとララをぎゅっと抱きしめて、玄関の扉を開けると、電気をつけなかったのか、暗く静かなレアスの家。そーっと音を立てないように、家の中に入るとリビングへと歩いて、扉もそーっと音を立てないように開けて、ソファーにボフッと勢いよく座った
「ナオとカホから連絡来てる……」
鞄に入れっぱなしにしていた携帯を取り出すと、たくさんの着信やメールが来ていた。慌てて二人に返事を返していると、側で見ていたルトとララが眠たくなったのか、ツムギの膝枕で眠りはじめた
「二人とも疲れた?少し休んでて」
隣同士で眠るルトとララを撫でながら、ナオとカホにメールの返事をし終えると、起こさないようにそーっと携帯をテーブルに置いて、ふぅ。と深呼吸しながら、天井を見上げた
「レアス、大丈夫かな?」
そう呟いた言葉に誰からも返事もなく、ぼーっと天井を見つめていると、掛け時計の音が微かに聞こえて、リズムよく聞こえるその音にツムギもウトウトと眠気が襲ってきた
「私も少し休も……」
ルトとララを起こさないように抱きしめて、ソファーに寝そべりルトとララをお腹の上に乗せて、ツムギもすぐ眠ってしまった
「お母様の字……それに、書いてある魔術もお母様のもの」
その頃、一人部屋にいるレアスは椅子に座り、ミナモから渡された本を読んでいた
「まだ私の知らない術があったのね」
パタンと本を閉じると、ゆっくりと椅子から立ち上がり、部屋の窓を開けた
「ララは、あの子と一緒かしら……」
少し振り向いて部屋の扉の方を見た。開きそうにもない扉に、ふぅ。と一つ深呼吸をしてミナモから渡された本をぎゅっと強く抱きしめた
「少し……本を確認するだけだもの。お母様、いいよね……」
ミナモの家から出てメルガの背中に乗り空を飛んで、レアスの家まで送ってもらったツムギ達。玄関でメルガをぎゅっと抱きしめると、少し寂しそうにメルガはリンの所へと帰っていった。手を振りメルガを見送るツムギやルトとララの後ろで、レアスが玄関の扉を開けた
「あの、レアス……」
ツムギに声をかけられて少し振り向くと、本を抱きしめたまま何にも言わないレアスに少し怯えて、ツムギがほんの少し後退りをすると、レアスが目を背け家の中へと入っていった。パタンと小さく扉の音が聞こえると、ツムギがふぅ。とため息ついて、肩に乗るララの方にゆっくりと顔を向けた
「ララ、レアスのところ行かなくて大丈夫?」
ツムギがそう声をかけると、困った顔でレアスの部屋の窓がある方を見たララに、ルトが頭を撫でて励ましている
「レアス、一人になりたいのかな。もうちょっと一緒に居よっか」
ツムギがルトとララをぎゅっと抱きしめて、玄関の扉を開けると、電気をつけなかったのか、暗く静かなレアスの家。そーっと音を立てないように、家の中に入るとリビングへと歩いて、扉もそーっと音を立てないように開けて、ソファーにボフッと勢いよく座った
「ナオとカホから連絡来てる……」
鞄に入れっぱなしにしていた携帯を取り出すと、たくさんの着信やメールが来ていた。慌てて二人に返事を返していると、側で見ていたルトとララが眠たくなったのか、ツムギの膝枕で眠りはじめた
「二人とも疲れた?少し休んでて」
隣同士で眠るルトとララを撫でながら、ナオとカホにメールの返事をし終えると、起こさないようにそーっと携帯をテーブルに置いて、ふぅ。と深呼吸しながら、天井を見上げた
「レアス、大丈夫かな?」
そう呟いた言葉に誰からも返事もなく、ぼーっと天井を見つめていると、掛け時計の音が微かに聞こえて、リズムよく聞こえるその音にツムギもウトウトと眠気が襲ってきた
「私も少し休も……」
ルトとララを起こさないように抱きしめて、ソファーに寝そべりルトとララをお腹の上に乗せて、ツムギもすぐ眠ってしまった
「お母様の字……それに、書いてある魔術もお母様のもの」
その頃、一人部屋にいるレアスは椅子に座り、ミナモから渡された本を読んでいた
「まだ私の知らない術があったのね」
パタンと本を閉じると、ゆっくりと椅子から立ち上がり、部屋の窓を開けた
「ララは、あの子と一緒かしら……」
少し振り向いて部屋の扉の方を見た。開きそうにもない扉に、ふぅ。と一つ深呼吸をしてミナモから渡された本をぎゅっと強く抱きしめた
「少し……本を確認するだけだもの。お母様、いいよね……」
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