デスパレートレアス

シャオえる

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26. お願いを叶えて

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「レアス……。いる?」
 寮へと帰る前に、レアスの家にやって来たツムギ。鍵の空いていた玄関から恐る恐る入って、すぐに朝ごはんを置いていたリビングへと向かってく
「良かった。ご飯食べてるね」
 空になり残されていた食器を見て、ホッと胸を撫で下ろすツムギ。ルトとララも嬉しそうに空になっている食器を見ていると、突然ツムギがレアスの部屋へとバタバタと足音を立てて走り出した

「レアス、いるの」
 レアスの部屋の前で、ふぅ。と深呼吸をしてノックもせずに、ゆっくりと扉を開けた。すると、開けてすぐ着替えをしているレアスが目に入って慌ててバタンと扉を閉じた
「ゴメンね、わざとじゃないよ!」
 慌てて扉越しに、あたふたと大声と身振り手振りでレアスに話しかける
「あの、心配になって……。本当はナオとカホも来る予定だったんだけど、ココとナツメを見るって突然ニーナ先生に言われて、それで……」
 と、そう言っているとガチャと部屋の扉が開いてレアスが出てきた
「着替えた。入りたいなら入れば」
「……じゃあ、入ります」
 恐る恐る部屋の中に入ると、レアスが鏡の前に立ち髪の毛を梳かしていた
「どこかお出掛けするの?」
「……ええ」
「一緒に行ってもいい?」
 ツムギがそう言うと、レアスの動きがピタッと止まった。少しツムギの方に振り向くと、ツムギが慌ててレアスにペコリと頭を下げた
「えっと、ゴメン……」
「それより、お願いがあるの」
 ツムギの言葉を遮るように、そう言いながら横を通り過ぎ、部屋の扉を開けたレアスに、ツムギが不思議そうな顔をして話しかけた
「お願い?なに?」
「本を取ってきてほしいの」







「えーっと、どこにあるの……」
 本棚がある部屋に移動して、天井を見上げるツムギ、その少し離れた場所で、レアスが天井を見上げて指差した
「この一番上。ララなら本を見れば分かると思うから」
 そう言うと、レアスに抱かれていたララが何度も頷くとツムギの肩に乗って本のある方に目を向けた
「じゃあ、取りに行ってくるよ」
 レアスにそう言うと、ルトとララを肩に乗せたまま、一緒に本のあるという場所に飛んで行く。地上で見守るレアスが少し小さく見える程の大きな本棚の天井近くで、前に取った本よりも少し小さな本を見つけたララが、グイグイと本棚から取り出そうとし始めた
「これ?」
 ツムギがララに聞くと何度も頷いて本を取ろうと引っ張り続けるララ。ツムギとルトもたくさんの本に挟まれ取れない本を無理矢理引っ張り取り出すと、落とさないようにそーっとレアスの所に降りていく


「はい、どうぞ。この本であってる?」
「……ええ」
 ツムギから本を受け取ると、すぐに本をめくり読みはじめたレアス。険しい顔をして読むその姿を見て、ツムギが恐る恐る話しかけた
「ねえ。私もその本、読んでもいい?」
 そう話しかけると、パタンと本を閉じたレアス。ふぅ。と深呼吸をしてスタスタと歩きはじめた
「出掛けるの?一緒に……」
 慌ててレアスの後を追っていくが、振り向くことなく部屋を出ていった。すぐに扉を開けて、廊下をキョロキョロと見渡すが、レアスは居らず、リビングや部屋に行って探しても姿は見当たらず、ララがしょんぼりとうつ向いてしまった。そんなララをぎゅっと抱きしめるツムギ。ルトも頭を撫でてララを励ましながら、リビングに戻ると、まだ残していた食器をカチャカチャと重ね始めたツムギ。ふぅ。と深呼吸すると、ルトと一緒にテーブルに座って、まだしょんぼりとしているララに気づいて、励ますようにニコッと微笑んで話しかけた
「宿題しながら、ちょっと待ってみようか。すぐ帰ってくるかもしれないもんね」
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