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104. 足りない思いは心補って
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「お邪魔しました……」
お茶を飲み終えた生徒会長達が、少しうつ向きながら玄関でモカにお礼を言う
「体調悪くなったり、何かあったら連絡してね」
「……はい。残った人達のことよろしくお願いします」
「私達でも、呼び戻せることが出来るか調べてきますから!」
「ありがとう」
モカが笑ってお礼を言うと、生徒会長達がペコリと頭を下げると、ふわりと空を飛んで帰っていった。バラバラに飛んで帰る生徒会長達の姿を見届けたモカが、ゆっくりと玄関の扉を閉めると、ふぅ。とため息をついた
「ノエル、みんな帰ったよ」
そう言いながら、リビングに戻ったモカ。すると、ノア達がリビングの窓を開けてベランダを見ていた
「何してるの?」
「さぁ、わかんない」
と、モカの問いかけにナギが返事をして、またベランダを見ると、ノエルが置きっぱなしの本を険しい顔をして見ていた
「ノエル、何してるの?」
モカが近づきながら心配そうに声をかけると、声に気づいたノエルが少し振り向いて、はぁ。とため息をついた
「これからどうしようかなって悩んでるの」
「ミコトとモナカ達を迎えに行くんでしょ?」
「そうなんだけど、これがちょっと難しそうで……。本があれば、どうにかなるかと思ってたんだけど……」
そう言いながら、はぁ。とため息つくノエルを見て、ノアやナギ達が不安そうに顔を見合わせていると、ノエルが本の表紙をポンポンと軽く叩きながら、困った顔をして首をかしげている
「ノエルが戻っても無理なの?」
そうナギが問いかけると、本から手を離し、ふぅ。と深呼吸して立ち上がり、くるりとナギ達の方に振り向いた
「今すぐ連れて帰るほどの魔力も体力もないから、少し休んでじゃないと……」
「でも、早い方が良いんでしょ?」
と、ノアがノエルの言葉を遮るように問いかけると、ノエルがまたくるりと振り向き本を見つめ頷いた
「ミコトの魔力が無くなる前に連れて戻らないといけないから、本に戻るのなら早い方がいいけれど」
「それなら、私が手伝う。前に教えてもらった術があれば、どうにかなるでしょ?」
ノエルに近づきながらそう言うノアに、ナギが驚きつつも不安そうに見ていると、リビングから様子を見ていたサクナがナギの横を通り過ぎ、ノエルとノアの側へと歩きだし、それに気づいたノエルが少し振り向きサクナに微笑み、ノアに返事をした
「そうだね、ノアなら大丈夫かもしれないね。一緒にミコト達を迎えに行こっか」
お茶を飲み終えた生徒会長達が、少しうつ向きながら玄関でモカにお礼を言う
「体調悪くなったり、何かあったら連絡してね」
「……はい。残った人達のことよろしくお願いします」
「私達でも、呼び戻せることが出来るか調べてきますから!」
「ありがとう」
モカが笑ってお礼を言うと、生徒会長達がペコリと頭を下げると、ふわりと空を飛んで帰っていった。バラバラに飛んで帰る生徒会長達の姿を見届けたモカが、ゆっくりと玄関の扉を閉めると、ふぅ。とため息をついた
「ノエル、みんな帰ったよ」
そう言いながら、リビングに戻ったモカ。すると、ノア達がリビングの窓を開けてベランダを見ていた
「何してるの?」
「さぁ、わかんない」
と、モカの問いかけにナギが返事をして、またベランダを見ると、ノエルが置きっぱなしの本を険しい顔をして見ていた
「ノエル、何してるの?」
モカが近づきながら心配そうに声をかけると、声に気づいたノエルが少し振り向いて、はぁ。とため息をついた
「これからどうしようかなって悩んでるの」
「ミコトとモナカ達を迎えに行くんでしょ?」
「そうなんだけど、これがちょっと難しそうで……。本があれば、どうにかなるかと思ってたんだけど……」
そう言いながら、はぁ。とため息つくノエルを見て、ノアやナギ達が不安そうに顔を見合わせていると、ノエルが本の表紙をポンポンと軽く叩きながら、困った顔をして首をかしげている
「ノエルが戻っても無理なの?」
そうナギが問いかけると、本から手を離し、ふぅ。と深呼吸して立ち上がり、くるりとナギ達の方に振り向いた
「今すぐ連れて帰るほどの魔力も体力もないから、少し休んでじゃないと……」
「でも、早い方が良いんでしょ?」
と、ノアがノエルの言葉を遮るように問いかけると、ノエルがまたくるりと振り向き本を見つめ頷いた
「ミコトの魔力が無くなる前に連れて戻らないといけないから、本に戻るのなら早い方がいいけれど」
「それなら、私が手伝う。前に教えてもらった術があれば、どうにかなるでしょ?」
ノエルに近づきながらそう言うノアに、ナギが驚きつつも不安そうに見ていると、リビングから様子を見ていたサクナがナギの横を通り過ぎ、ノエルとノアの側へと歩きだし、それに気づいたノエルが少し振り向きサクナに微笑み、ノアに返事をした
「そうだね、ノアなら大丈夫かもしれないね。一緒にミコト達を迎えに行こっか」
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