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93. 見知らぬ場所に現れて
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「痛い……」
光の中に入った後、空から舞い降りドスンと地面に倒れたミコト。すると、ミコトの上にモカがドスンと降りて、苦しそうに顔を歪めた
「ごめんね、ミコト。大丈夫?」
「うん、早く退いてくれたら大丈夫……」
苦しそうに返事をするミコトの声を聞いて、慌ててモカが立ち上がると、ゆっくりと体を起こすミコトのその少し離れた場所で、ノエルが空を見上げていた
「ノエル、ここどこ?」
と、ミコトが話しかけながらノエルのいる場所まで歩くと、ノエルが少し困った顔をしてミコトとモカに振り向いた
「さあ……。適当に歩いてみる?」
「ここがどこかも分かんないのに歩くの?」
ノエルの言葉にモカが不安げに問いかけると、ノエルが二人から、くるりと背を向け歩きだした
「どこ分からんないから歩くんだよ。行こっ」
そう言うと、スタスタと歩きどんどん離れていくノエルをミコトとモカが慌てて追いかける
「でもどこに行くの?」
「たぶん近くに……」
降りた場所から大分歩き、ミコトとノエルが話をしていると、三人のいる場所から少し先にある草むらからガサッと物音が聞こえて、思わず足を止めた三人。すぐに物音は消えて、ノエルがそーっと歩き出す。ミコトとモカもノエルの背中に隠れるようにしながら、ゆっくりと歩き、草木が揺れた場所をそーっと見ると、小さな公園に、消えたはずの生徒会長達が肩を寄せ合い、ベンチに座っていた
「ノエルさん……みなさんもどうして……」
三人の気配に気づいた一人が少し驚いた顔をして立ち上がると、周りにいた生徒会長達がノエル達を見て皆、ホッと胸を撫で下ろす
「ノエルの知り合い?」
「うん、生徒会長さん達だね。こんなところで何してるの?」
ミコトの問いかけに答えながら、ノエルが生徒会長達の側に歩きだすと、生徒会長達がぎゅっと手を繋ぎ合いながら、ゆっくりと立ち上がった
「ここがどこか分からなくて困ってて……」
「魔術が使えないし、どうしたらいいかも分からなくて……」
「本に魔力を持っていかれたんだね。まだまだ魔力が足りなかったんだね」
「ノエルだって、居なくなった時、魔力無かったじゃん」
「えー、そうだった?」
ミコトの言葉にエヘヘと笑って誤魔化しながら、うーんと背伸びをすると、ミコト達にくるりと振り向いてエヘヘとまた微笑んだ
「さてと、もうちょっとしたら、ノア達が迎えに来るかもしれないから、それまでみんなご飯でも食べてのんびりしていよう」
光の中に入った後、空から舞い降りドスンと地面に倒れたミコト。すると、ミコトの上にモカがドスンと降りて、苦しそうに顔を歪めた
「ごめんね、ミコト。大丈夫?」
「うん、早く退いてくれたら大丈夫……」
苦しそうに返事をするミコトの声を聞いて、慌ててモカが立ち上がると、ゆっくりと体を起こすミコトのその少し離れた場所で、ノエルが空を見上げていた
「ノエル、ここどこ?」
と、ミコトが話しかけながらノエルのいる場所まで歩くと、ノエルが少し困った顔をしてミコトとモカに振り向いた
「さあ……。適当に歩いてみる?」
「ここがどこかも分かんないのに歩くの?」
ノエルの言葉にモカが不安げに問いかけると、ノエルが二人から、くるりと背を向け歩きだした
「どこ分からんないから歩くんだよ。行こっ」
そう言うと、スタスタと歩きどんどん離れていくノエルをミコトとモカが慌てて追いかける
「でもどこに行くの?」
「たぶん近くに……」
降りた場所から大分歩き、ミコトとノエルが話をしていると、三人のいる場所から少し先にある草むらからガサッと物音が聞こえて、思わず足を止めた三人。すぐに物音は消えて、ノエルがそーっと歩き出す。ミコトとモカもノエルの背中に隠れるようにしながら、ゆっくりと歩き、草木が揺れた場所をそーっと見ると、小さな公園に、消えたはずの生徒会長達が肩を寄せ合い、ベンチに座っていた
「ノエルさん……みなさんもどうして……」
三人の気配に気づいた一人が少し驚いた顔をして立ち上がると、周りにいた生徒会長達がノエル達を見て皆、ホッと胸を撫で下ろす
「ノエルの知り合い?」
「うん、生徒会長さん達だね。こんなところで何してるの?」
ミコトの問いかけに答えながら、ノエルが生徒会長達の側に歩きだすと、生徒会長達がぎゅっと手を繋ぎ合いながら、ゆっくりと立ち上がった
「ここがどこか分からなくて困ってて……」
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「えー、そうだった?」
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