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84. 笑顔を呼んだ本
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「ノエルのお手伝いって、なにをするの?」
と、ミコトが少し不安げにモカに問いかけると、お茶を一口飲みながらモカが答えた
「本のお手伝い」
「本って、ノエルが持つ生徒会長の本のこと?」
「うん。その本のお手伝い」
「なんで急に……」
「手伝ってあげた方がいい気がして」
と、二人の会話を聞いて、ナギとモナカが顔を見合わせ、ノアも一口お茶を飲んだ
「ノアはどう思う?」
ミコトがそうノアに問いかけても、無言のままお茶を飲み続ける
「サクナさんは……」
今度はサクナに声をかけてみても、同じく返事をせず紅茶を飲んだ
「えーっと……。どうしようかな、ミコト達が使うわけにもいかないし」
その頃、すぐに目を覚ましたノエルが机に置いた本を見て、はぁ。と一つため息つきながら呟いていた
「とりあえず、他の学園の本を読んでから」
一冊、本を取りページを開くと、困ったようにまた一つため息をついた
「そっか……。もうちょっと寝て、考えよう」
パタンと本を閉じて、ベッドに勢いよく倒れると、枕をぎゅっと抱きしめた
「でもなぁ……」
目を閉じ悩んでいると、突然部屋の扉が開いて、ミコト達がそーっと部屋に入ってきた。その様子にノエルが驚きつつも気づかれないように寝たふりをした
「この本?」
「うーん、たぶん違うかなぁ」
ミコトが机に置かれた本を指差しモカに問いかけると、否定しながら本を見つめていると、ミコトが部屋の入り口にいるナギとモナカを見た
「ノエルは寝てるの?」
「うん、たぶん……」
と、枕を抱いたままのノエルを見てナギが答えていると、モカが一冊の本を手に取った
「まって!触っちゃダメ!」
本の気配を感じたノエルが慌てて呼び止まるが、その声に驚いたモカが本をぎゅっと強く抱きしめた。すると、ミコト達の真上に、とても大きな一冊の本が現れ、ドスンとミコトとモカの頭にぶつかった
「なにこの本……」
床に落ちた本に、少し痛そうに頭を擦りながらミコトが言うと、ノエルがベッドから降りて振ってきた本を不思議そうに見つめた
「みんなが本のこと考えるから出てきたんじゃないの?」
「そうかなぁ。でもこんな大きな本、どうしよう……。消せる?」
「うーん、消すのもったいないしなぁ……」
と、ミコトと話しながら、本を重たそうに開き、その本のページに書かれた文字を読みはじめた
「ノエル、どうしたの?」
ずーっと読み続けるノエルに、ミコトが恐る恐る声をかけると、ノエルがくるりと振り向いて、ミコト達を見てエヘヘと微笑んだ
「みんな、ありがとう。私のやりたいこと、この本のお陰で出来そうだよ!」
と、ミコトが少し不安げにモカに問いかけると、お茶を一口飲みながらモカが答えた
「本のお手伝い」
「本って、ノエルが持つ生徒会長の本のこと?」
「うん。その本のお手伝い」
「なんで急に……」
「手伝ってあげた方がいい気がして」
と、二人の会話を聞いて、ナギとモナカが顔を見合わせ、ノアも一口お茶を飲んだ
「ノアはどう思う?」
ミコトがそうノアに問いかけても、無言のままお茶を飲み続ける
「サクナさんは……」
今度はサクナに声をかけてみても、同じく返事をせず紅茶を飲んだ
「えーっと……。どうしようかな、ミコト達が使うわけにもいかないし」
その頃、すぐに目を覚ましたノエルが机に置いた本を見て、はぁ。と一つため息つきながら呟いていた
「とりあえず、他の学園の本を読んでから」
一冊、本を取りページを開くと、困ったようにまた一つため息をついた
「そっか……。もうちょっと寝て、考えよう」
パタンと本を閉じて、ベッドに勢いよく倒れると、枕をぎゅっと抱きしめた
「でもなぁ……」
目を閉じ悩んでいると、突然部屋の扉が開いて、ミコト達がそーっと部屋に入ってきた。その様子にノエルが驚きつつも気づかれないように寝たふりをした
「この本?」
「うーん、たぶん違うかなぁ」
ミコトが机に置かれた本を指差しモカに問いかけると、否定しながら本を見つめていると、ミコトが部屋の入り口にいるナギとモナカを見た
「ノエルは寝てるの?」
「うん、たぶん……」
と、枕を抱いたままのノエルを見てナギが答えていると、モカが一冊の本を手に取った
「まって!触っちゃダメ!」
本の気配を感じたノエルが慌てて呼び止まるが、その声に驚いたモカが本をぎゅっと強く抱きしめた。すると、ミコト達の真上に、とても大きな一冊の本が現れ、ドスンとミコトとモカの頭にぶつかった
「なにこの本……」
床に落ちた本に、少し痛そうに頭を擦りながらミコトが言うと、ノエルがベッドから降りて振ってきた本を不思議そうに見つめた
「みんなが本のこと考えるから出てきたんじゃないの?」
「そうかなぁ。でもこんな大きな本、どうしよう……。消せる?」
「うーん、消すのもったいないしなぁ……」
と、ミコトと話しながら、本を重たそうに開き、その本のページに書かれた文字を読みはじめた
「ノエル、どうしたの?」
ずーっと読み続けるノエルに、ミコトが恐る恐る声をかけると、ノエルがくるりと振り向いて、ミコト達を見てエヘヘと微笑んだ
「みんな、ありがとう。私のやりたいこと、この本のお陰で出来そうだよ!」
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