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68. 探すための力を
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「ここは……前に来た場所と一緒?」
光の中に入ったアカリが閉じていた目を恐る恐る開けると、見覚えのある街並みに、ふぅ。と一つ深呼吸をした
「私の記憶はまだある。その前に早くノエルを見つけなきゃ」
と気合いを入れて空から探そうと地面を軽くトンっと蹴るが、飛ぶことが出来ず、困ったようにはぁ。とため息つくと、人混みの中を駆け抜けていった
「見つからない……。私、もう疲れた……」
その頃、本棚にある本を半分ほど読み終えたナギがぐったりとした顔で部屋にあったソファーにペタンと倒れた。それを見たノアが、読んでいた本を本棚に戻してナギの隣に座った
「じゃあ、少し休む?」
「休むー」
返事をしながら、うーんと背伸びをするナギを、ノアがクスッと笑って見ていると、サクナがまだ本を読んでいる事に気づいて声をかけた
「サクナさんも少し休んだら?」
「ええ、もう少し読んだら……」
本を読んだままノアに返事をしていると、突然閉じていたはずの部屋の扉がガラッと勢いよく開く音がして、驚き全員が扉の方に振り向くと、クリスも少し驚いた顔をして部屋に入ってきた
「みなさん、こんな時間まで何してるんですか?」
「クリス先生こそ、どうしてこの学園に?」
「色々と話があってね。それにしてもこの部屋にこんなにも生徒が来るなんて、初めてじゃないですかね」
サクナの質問にクスクスと笑って答えるクリスに、ノアとナギが顔を見合わせ困っていると、近くにあった本棚から一冊適当に取り出して読みはじめた
「それで何の術を探していたんですか?」
クリスに問いかけられ答えていいのかとサクナとノアが顔を見合わせていると、ナギが少しうつ向きながらポツリと呟いた
「ノエルとミコトを探す術……」
ナギの小さな声は静かな部屋ではよく響いて、ノアとサクナがまた困ったように顔を見合わせ、クリスもふぅ。とため息をついた
「二人が今どこにいるか、当てはあるんですか?」
そう三人に問いかけると、ナギがうつ向いたまま小さく顔を横に振るとまた、クリスが困ったようにため息をついた
「二人のうち、どちらかに少しの魔力を感じればすぐに見つかると思いますが……。仕方ない、ちょっと手伝いましょうか」
と、一人何やら呟き本棚から取り出した本を戻すと、本を戻したはずの手には、また別の本が現れた
「その本……」
「ノエルが持ってるはずじゃ……」
見覚えのあるクリスが持つその本に、サクナとノアが驚いていると、クリスが二人の言葉に答えるように、顔を少し横に振りながらサクナに本を差し出した
「いえ、あれは違うはずです。なので一緒に持っていって二人を探して渡してくださいね」
光の中に入ったアカリが閉じていた目を恐る恐る開けると、見覚えのある街並みに、ふぅ。と一つ深呼吸をした
「私の記憶はまだある。その前に早くノエルを見つけなきゃ」
と気合いを入れて空から探そうと地面を軽くトンっと蹴るが、飛ぶことが出来ず、困ったようにはぁ。とため息つくと、人混みの中を駆け抜けていった
「見つからない……。私、もう疲れた……」
その頃、本棚にある本を半分ほど読み終えたナギがぐったりとした顔で部屋にあったソファーにペタンと倒れた。それを見たノアが、読んでいた本を本棚に戻してナギの隣に座った
「じゃあ、少し休む?」
「休むー」
返事をしながら、うーんと背伸びをするナギを、ノアがクスッと笑って見ていると、サクナがまだ本を読んでいる事に気づいて声をかけた
「サクナさんも少し休んだら?」
「ええ、もう少し読んだら……」
本を読んだままノアに返事をしていると、突然閉じていたはずの部屋の扉がガラッと勢いよく開く音がして、驚き全員が扉の方に振り向くと、クリスも少し驚いた顔をして部屋に入ってきた
「みなさん、こんな時間まで何してるんですか?」
「クリス先生こそ、どうしてこの学園に?」
「色々と話があってね。それにしてもこの部屋にこんなにも生徒が来るなんて、初めてじゃないですかね」
サクナの質問にクスクスと笑って答えるクリスに、ノアとナギが顔を見合わせ困っていると、近くにあった本棚から一冊適当に取り出して読みはじめた
「それで何の術を探していたんですか?」
クリスに問いかけられ答えていいのかとサクナとノアが顔を見合わせていると、ナギが少しうつ向きながらポツリと呟いた
「ノエルとミコトを探す術……」
ナギの小さな声は静かな部屋ではよく響いて、ノアとサクナがまた困ったように顔を見合わせ、クリスもふぅ。とため息をついた
「二人が今どこにいるか、当てはあるんですか?」
そう三人に問いかけると、ナギがうつ向いたまま小さく顔を横に振るとまた、クリスが困ったようにため息をついた
「二人のうち、どちらかに少しの魔力を感じればすぐに見つかると思いますが……。仕方ない、ちょっと手伝いましょうか」
と、一人何やら呟き本棚から取り出した本を戻すと、本を戻したはずの手には、また別の本が現れた
「その本……」
「ノエルが持ってるはずじゃ……」
見覚えのあるクリスが持つその本に、サクナとノアが驚いていると、クリスが二人の言葉に答えるように、顔を少し横に振りながらサクナに本を差し出した
「いえ、あれは違うはずです。なので一緒に持っていって二人を探して渡してくださいね」
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