ストラグルガールズ

シャオえる

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63. 思いを気づかれないように

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「サクナさん!話聞きましたよ!」
「転校するんですよね!なんで急に……」
「ごめんね、急いでいるの。話は後……」
 アードルド学園に戻ってきて生徒会室に来たサクナが、ちょうど部屋にいた生徒達に返事をしながら机の中や本棚を見て何かを探すように生徒会室を散らかしていた

「ところでノエルさんとミコトさんは?」
 ふと探していた手を止めて生徒達に声をかけると、困ったように生徒達が顔を見合わせた
「今日は二人とも来ないと思います……」
「そう……なんであんな人が」
 とグッと歯を食い縛り呟くと、その表情に生徒達が不安そうな顔でサクナを見ている
「また遊びに来るから。またね」
 ふぅ。と深呼吸をして、ニコッと微笑み生徒達に声をかけ生徒会室の扉を閉めると、ふぅ。と一つため息をついて、歩こうと顔を上げると、ちょうど生徒会室に来ていたクリスと目があった


「わがままを聞いてくれて、ありがとうございます」
 ペコリとクリスに頭を下げてお礼を言うサクナ。それを見てクリスが困ったように笑う
「いえいえ。ですが、そんな急いで動いて、あなたの願いは叶いそうですか?」
「わかりません。でも何もしないよりかは叶うかと……」
「見つけた!サクナさん!」
 話の途中、突然大声で名前を呼ばれ、声のする方に振り向くと、ノエルがエヘヘと笑いながらサクナに近づいてきた
「もー、探したよ。すぐこの学園に転校するの?」
 ノエルがニコニコと笑って話しかけてもサクナは返事をせずに、プイッと顔を背けた。そんな二人のやり取りを見てクリスが、ふぅ。と困ったように笑ってノエルに話しかけた
「ノエルさん、今登校ですか?ミコトさんも一緒に来たんですか?」
「ミコトはまだ向かってるよ。みんな飛んで行くっていうから遅いんだよね。すぐ移動する術使えばいいのに」
「その術は皆さんには難しいと思いますよ」
 まだ来ないミコト達に不満そうなノエルに、クリスが少し呆れたように返事をすると、まだノエルを見ないふりをしているサクナに声をかけた

「ところでサクナさん、本はどこ?」
「本?私、本なんて」
「ノアの学園の本持っていったでしょ?勝手にもって行ったらダメだよ。生徒会長として認められないよ」
「あなたに……!」
 ノエルの言葉に少し苛立ったサクナが声を荒らげ叫ぶ。その声に生徒会室にいた生徒達が心配そうな顔をして部屋から出てきた。サクナがそれに気づくと、生徒会室から背を向けてノエルに近づくと小声で話しかけた
「ミコトさん達が来るのなら、それまで二人で話しましょ」
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