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48. 一人、記憶の片隅で
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「ノエル、その本はどうするの?」
家に帰ってきたノエル達。まだたくさん残っているお菓子を頬張るノエルに、ノアが問いかける
「一応持っておこうかなって。悪用されたら困るから」
口一杯にお菓子を頬張り答えていると、少し喉につまったのかトントンと胸を叩きだした。モカが慌ててお茶の入ったコップをノエルに手渡すと、コップを受け取り、勢いよくお茶を飲むその様子をノアが呆れた顔をして見ている
「まあ、あの本は大概の人は使えない術が書いてるけどね」
「そうだね、ナギくらいの術者なら、二度と魔術が使えなくなる程難しいだろうから」
お茶を一気に飲み干して、ふぅ。と深呼吸しながら返事をするとそれを聞いたナギがムッとした顔でノエルの方に振り向いた
「くらいって……。これでも前の実技テストは満点だったんだよ!」
「偉いねー。はいこれ」
ノエルの言葉に反論するように叫ぶナギの口元にお菓子を差し出すと、少し怒っていた顔が少し困った顔になり、ノエルの手に持ったままのお菓子をパクっと頬張った
「ありがと……」
モグモグとお菓子を食べるナギにノアが苦笑いしている側でミコトがあまり浮かない顔をしているのにモカが気づいてミコトの顔を覗き込みながら心配そうに声をかけた
「ミコト、どうしたの?」
モカの声を聞いて、ちらりとモカの方に顔を向けると、すぐゆっくりと立ち上がり一人トボトボと歩きだした
「少し部屋で休む。夕ご飯出来たら呼んで」
「ご飯出来たらって……。ミコト……」
モカが声をかけても、振り向くことなく部屋へと歩いていくミコトの後ろ姿をモカとナギが見ている。パタンと静かに部屋の扉が閉まる音を聞きながら、ノエルがお菓子を頬張った
「あの本は私が使った本だよね……」
部屋に入るなりベッドに勢いよく倒れ呟くミコト。枕を抱きしめぎゅっと目を閉じ、ゴロゴロとベッドの上を動き回る。しばらくゴロゴロとした後、ちらりと扉の方を見て、ゆっくりと体を起こし、手をぎゅっと胸元で握った
「あの本でノエルを呼び戻せたんだもん、言っても大丈夫だよね」
家に帰ってきたノエル達。まだたくさん残っているお菓子を頬張るノエルに、ノアが問いかける
「一応持っておこうかなって。悪用されたら困るから」
口一杯にお菓子を頬張り答えていると、少し喉につまったのかトントンと胸を叩きだした。モカが慌ててお茶の入ったコップをノエルに手渡すと、コップを受け取り、勢いよくお茶を飲むその様子をノアが呆れた顔をして見ている
「まあ、あの本は大概の人は使えない術が書いてるけどね」
「そうだね、ナギくらいの術者なら、二度と魔術が使えなくなる程難しいだろうから」
お茶を一気に飲み干して、ふぅ。と深呼吸しながら返事をするとそれを聞いたナギがムッとした顔でノエルの方に振り向いた
「くらいって……。これでも前の実技テストは満点だったんだよ!」
「偉いねー。はいこれ」
ノエルの言葉に反論するように叫ぶナギの口元にお菓子を差し出すと、少し怒っていた顔が少し困った顔になり、ノエルの手に持ったままのお菓子をパクっと頬張った
「ありがと……」
モグモグとお菓子を食べるナギにノアが苦笑いしている側でミコトがあまり浮かない顔をしているのにモカが気づいてミコトの顔を覗き込みながら心配そうに声をかけた
「ミコト、どうしたの?」
モカの声を聞いて、ちらりとモカの方に顔を向けると、すぐゆっくりと立ち上がり一人トボトボと歩きだした
「少し部屋で休む。夕ご飯出来たら呼んで」
「ご飯出来たらって……。ミコト……」
モカが声をかけても、振り向くことなく部屋へと歩いていくミコトの後ろ姿をモカとナギが見ている。パタンと静かに部屋の扉が閉まる音を聞きながら、ノエルがお菓子を頬張った
「あの本は私が使った本だよね……」
部屋に入るなりベッドに勢いよく倒れ呟くミコト。枕を抱きしめぎゅっと目を閉じ、ゴロゴロとベッドの上を動き回る。しばらくゴロゴロとした後、ちらりと扉の方を見て、ゆっくりと体を起こし、手をぎゅっと胸元で握った
「あの本でノエルを呼び戻せたんだもん、言っても大丈夫だよね」
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