5 / 136
5. 負けられない魔術対戦
しおりを挟む
「ここなら大丈夫かな?ノエルは危ないから離れててね」
校庭に移動したミコト達。テストのために使用する生徒は居らず、ミコトとサクナが広い校庭の真ん中で向かい合って立ち、ノエルは、ミコトに言われて学園の玄関で様子を見ている
「さて、始めましょうか。手加減は無しですよ」
「もちろん!手加減なんてつまんないもんね」
ミコトとサクナがニコッと笑って話をしていると、早々にテストを終えたモカがノエルの所に駆け寄ってきた
「ノエル。こっち!そこは危ないよ!」
学園の中へと手招きをしてノエルを呼ぶと、ミコトとサクナがいる校庭の見える二階の教室へと入って、ベランダから様子を伺う
「あれなに?二人は一体何をするの?」
「対戦だよ、魔術対戦。つい最近までノエルも対戦してて、とても強かったんだよ」
「そんなわけ……」
とノエルがモカの話に言い返そうとした時、ドンッと何かがぶつかった音と学園が揺れ、バランスを崩したノエルがモカにぎゅっと抱きついた
「あーあ、また先生達に怒られるよ……」
揺れが収まり校庭を見て、モカがはぁ。とため息ついた。強風が吹き校庭の砂ぼこりのせいで、目が開けれず、そーっと目を開けながら校庭を見ると、校庭にある木に傷だらけで背もたれているサクナに、空に浮かんでいたミコトが勢いよく向かっていた
「危ない!」
ノエルが思わずミコトに向かって大声で叫んだ。だが、ノエルの声は届かず、ミコトの手はサクナの顔のすぐ側、サクナの後ろにある木をぶつけ、ぎゅっと強く目を閉じていたサクナがそーっと目を開くと、木がゆっくりと後ろに倒れだした
「サクナ、今日も私の勝ちだね!」
エヘヘと笑ってそう言うミコトを悔しそうな顔をして睨むサクナの元に、物々しい音が聞こえて校庭に来た生徒や先生達が心配そうに近づいてくる
「テスト免除だ!ノエル、モカ。一緒にケーキ食べに行こう!ご褒美だ!」
呆然としているノエルとモカに向かって元気よく両手を振るミコトにモカが苦笑いで手を振り返していると、少し足を震わせながらサクナが立ち上がった
「待ちなさい!まだ……」
ミコトを睨みながら、語気を強めて少し足取りをふらつかせながら、ミコトのいる場所へと歩いていくサクナに、近くにいた生徒達が慌てて腕をつかんでサクナを止めた
「サクナさん、ダメです。これ以上魔力を使うと魔力と体力の回復に時間が……」
そう言われ、歩いていた足を止め、またミコトを睨むサクナをミコトがニコッと微笑んで見ている
「じゃあね、サクナ。また対戦しようね!」
手を振ながらそう言うと、地面を軽く蹴りノエルとモカがいる二階へとふわりと飛んで来た
「二人ともおまたせ」
嬉しそうにモカにぎゅっと抱きついたミコトを頭を撫でるモカ。そんな二人の様子を見たノエルが不思議そうに声をかけた
「対戦に勝ったなら、あなたが委員長じゃないの?」
「違うよー。あんな一回勝っただけじゃダメなの。まだまだ時間かかるよ」
「そうなの……?」
ミコトの返事に、ノエルが首をかしげているとミコトが倒した木をどうするかと校庭が騒がしくなっていた
「後でヒカリ先生に怒られるよ……」
と、モカがポツリと呟いた言葉に、ミコトが誤魔化そうとエヘヘと笑うと、校庭を見ていたノエルの手を取り引っ張ると、ノエルに話しかけながら教室の中へと入っていった
「それより、ノエルもお腹空いたでしょ。食堂行こう!魔力の回復にはご飯も大切だもんね」
校庭に移動したミコト達。テストのために使用する生徒は居らず、ミコトとサクナが広い校庭の真ん中で向かい合って立ち、ノエルは、ミコトに言われて学園の玄関で様子を見ている
「さて、始めましょうか。手加減は無しですよ」
「もちろん!手加減なんてつまんないもんね」
ミコトとサクナがニコッと笑って話をしていると、早々にテストを終えたモカがノエルの所に駆け寄ってきた
「ノエル。こっち!そこは危ないよ!」
学園の中へと手招きをしてノエルを呼ぶと、ミコトとサクナがいる校庭の見える二階の教室へと入って、ベランダから様子を伺う
「あれなに?二人は一体何をするの?」
「対戦だよ、魔術対戦。つい最近までノエルも対戦してて、とても強かったんだよ」
「そんなわけ……」
とノエルがモカの話に言い返そうとした時、ドンッと何かがぶつかった音と学園が揺れ、バランスを崩したノエルがモカにぎゅっと抱きついた
「あーあ、また先生達に怒られるよ……」
揺れが収まり校庭を見て、モカがはぁ。とため息ついた。強風が吹き校庭の砂ぼこりのせいで、目が開けれず、そーっと目を開けながら校庭を見ると、校庭にある木に傷だらけで背もたれているサクナに、空に浮かんでいたミコトが勢いよく向かっていた
「危ない!」
ノエルが思わずミコトに向かって大声で叫んだ。だが、ノエルの声は届かず、ミコトの手はサクナの顔のすぐ側、サクナの後ろにある木をぶつけ、ぎゅっと強く目を閉じていたサクナがそーっと目を開くと、木がゆっくりと後ろに倒れだした
「サクナ、今日も私の勝ちだね!」
エヘヘと笑ってそう言うミコトを悔しそうな顔をして睨むサクナの元に、物々しい音が聞こえて校庭に来た生徒や先生達が心配そうに近づいてくる
「テスト免除だ!ノエル、モカ。一緒にケーキ食べに行こう!ご褒美だ!」
呆然としているノエルとモカに向かって元気よく両手を振るミコトにモカが苦笑いで手を振り返していると、少し足を震わせながらサクナが立ち上がった
「待ちなさい!まだ……」
ミコトを睨みながら、語気を強めて少し足取りをふらつかせながら、ミコトのいる場所へと歩いていくサクナに、近くにいた生徒達が慌てて腕をつかんでサクナを止めた
「サクナさん、ダメです。これ以上魔力を使うと魔力と体力の回復に時間が……」
そう言われ、歩いていた足を止め、またミコトを睨むサクナをミコトがニコッと微笑んで見ている
「じゃあね、サクナ。また対戦しようね!」
手を振ながらそう言うと、地面を軽く蹴りノエルとモカがいる二階へとふわりと飛んで来た
「二人ともおまたせ」
嬉しそうにモカにぎゅっと抱きついたミコトを頭を撫でるモカ。そんな二人の様子を見たノエルが不思議そうに声をかけた
「対戦に勝ったなら、あなたが委員長じゃないの?」
「違うよー。あんな一回勝っただけじゃダメなの。まだまだ時間かかるよ」
「そうなの……?」
ミコトの返事に、ノエルが首をかしげているとミコトが倒した木をどうするかと校庭が騒がしくなっていた
「後でヒカリ先生に怒られるよ……」
と、モカがポツリと呟いた言葉に、ミコトが誤魔化そうとエヘヘと笑うと、校庭を見ていたノエルの手を取り引っ張ると、ノエルに話しかけながら教室の中へと入っていった
「それより、ノエルもお腹空いたでしょ。食堂行こう!魔力の回復にはご飯も大切だもんね」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる