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64. 交差する思い
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「もう逃げるなってば!」
ミオが居なくなってから、アクアからまた逃げ続けているアリア。ミオが残した杖と本を抱き締めているせいで、少し足が遅くなり時々背中に水が当たっている
「ねぇ、何か使えそうな薬草とか無い?」
アリアが本に話しかけると、ジタバタと本が動き
抱き締めていたアリアの腕から離れた。本を掴むため、走る足を止めたアリア。アクアも足を止め、アリアに向かって手を伸ばした
「いい加減、その本を渡して!」
「ダメだよ。部屋にあったものを勝手に持ってきたし、あなたに渡したら大変なことになりそう」
「そんなことないよ、アリアお姉ちゃんを倒して居なくなるだけだから」
「どうしてそんなに私を……」
二人が話をしている間、本は二人の間に浮かび、ゆっくりとページをめくっている。パラパラと微かに聞こえたページの音を聴いて、アクアがふぅ。と一つ深呼吸をした
「邪魔だから」
「邪魔って、あなたから私に色々と仕掛けてきているのに……」
「存在も私がその本と協力して消してあげるから。だから、早く……」
話の途中、持っている杖をアリアの方に向けたアリア。突然、目の前にまた水が現れ驚いたアリアが持っていたミオの杖を水に向けた。その時、ページがめくっていた音が止まり、アリアが持っている杖がとても熱くなった
「なにこれ……」
杖を手放すことも出来ず戸惑っていると、アクアの水の魔術がアリアの持つ杖の先に当たり、また杖がとても熱くなり思わず杖を大きく振ると、すぐ側まで来ていたアクアの杖に当たった
「なに?」
二人の杖が当たってすぐ、お城の庭の片隅で治療を受けていたミオの側で、突然ドンッと大きな物音が聞こえ、お城の結界を張り直していたユーノや魔術師達が慌てる姿が見えた。ミオの側にいたクリア達がユーノに駆け寄っていくと、ミオもゆっくりと立ち上がり後を追いかける。すると、お城からどことなくアクアの魔力ともう一つ感じたことのない魔力が溢れ、クリアやユーノ達が顔を見合せていた
「これアリアの魔力だ……」
クリアの言葉に答えるようにミオがポツリと呟く
。その言葉を聞いて、クリアや家政婦達の視線が一気にミオに向いた
「私の杖を使ったんだ。ほんの少し私の魔力を感じる……」
ミオがそう言うと、またユーノとクリアが顔を見合せたその時、今度はさっきまでミオ達がいた庭からドスンと、大きな物音が聞こえてきた。ミオ達が再び庭に戻ると、部屋で各自寝ていたはずのアリアとアクアが向かい合っていた。驚くミオ達に気づいたアリアが困ったように笑い、アクアは一瞬クリアやユーノを見てすぐアリアを睨んだ
「あなたが怒るのは私にじゃないよ。でも一緒に怒ってあげる。一緒に戻ろう」
ミオが居なくなってから、アクアからまた逃げ続けているアリア。ミオが残した杖と本を抱き締めているせいで、少し足が遅くなり時々背中に水が当たっている
「ねぇ、何か使えそうな薬草とか無い?」
アリアが本に話しかけると、ジタバタと本が動き
抱き締めていたアリアの腕から離れた。本を掴むため、走る足を止めたアリア。アクアも足を止め、アリアに向かって手を伸ばした
「いい加減、その本を渡して!」
「ダメだよ。部屋にあったものを勝手に持ってきたし、あなたに渡したら大変なことになりそう」
「そんなことないよ、アリアお姉ちゃんを倒して居なくなるだけだから」
「どうしてそんなに私を……」
二人が話をしている間、本は二人の間に浮かび、ゆっくりとページをめくっている。パラパラと微かに聞こえたページの音を聴いて、アクアがふぅ。と一つ深呼吸をした
「邪魔だから」
「邪魔って、あなたから私に色々と仕掛けてきているのに……」
「存在も私がその本と協力して消してあげるから。だから、早く……」
話の途中、持っている杖をアリアの方に向けたアリア。突然、目の前にまた水が現れ驚いたアリアが持っていたミオの杖を水に向けた。その時、ページがめくっていた音が止まり、アリアが持っている杖がとても熱くなった
「なにこれ……」
杖を手放すことも出来ず戸惑っていると、アクアの水の魔術がアリアの持つ杖の先に当たり、また杖がとても熱くなり思わず杖を大きく振ると、すぐ側まで来ていたアクアの杖に当たった
「なに?」
二人の杖が当たってすぐ、お城の庭の片隅で治療を受けていたミオの側で、突然ドンッと大きな物音が聞こえ、お城の結界を張り直していたユーノや魔術師達が慌てる姿が見えた。ミオの側にいたクリア達がユーノに駆け寄っていくと、ミオもゆっくりと立ち上がり後を追いかける。すると、お城からどことなくアクアの魔力ともう一つ感じたことのない魔力が溢れ、クリアやユーノ達が顔を見合せていた
「これアリアの魔力だ……」
クリアの言葉に答えるようにミオがポツリと呟く
。その言葉を聞いて、クリアや家政婦達の視線が一気にミオに向いた
「私の杖を使ったんだ。ほんの少し私の魔力を感じる……」
ミオがそう言うと、またユーノとクリアが顔を見合せたその時、今度はさっきまでミオ達がいた庭からドスンと、大きな物音が聞こえてきた。ミオ達が再び庭に戻ると、部屋で各自寝ていたはずのアリアとアクアが向かい合っていた。驚くミオ達に気づいたアリアが困ったように笑い、アクアは一瞬クリアやユーノを見てすぐアリアを睨んだ
「あなたが怒るのは私にじゃないよ。でも一緒に怒ってあげる。一緒に戻ろう」
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