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59. 微かな足音を頼りに
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「あれ?お母様もお父様も居ないの?」
アリアを探すため、お城の中をあちらこちらと見て回るアリア。リビングに着くと、バタバタと騒がしくしていても誰も来ないことに不安を感じて、ふと足を止めた
「必ず誰かいるのに……」
持っていた杖を胸の前でぎゅっと強く掴み、ふぅ。と一つため息をつくと、その吐息がリビングに少し響いた
「見つかってない……。それなら先にミオの傷に使えそうなものを探そう」
リビングの入り口で隠れながらアクアの様子を見ていたアリアが聞かれないように呟く。足音をたてないように、そーっとお城の中を歩き見て回っていると、リビングから大分離れた場所にある、お城の雰囲気のから少し違う大きな扉を見つけ、恐る恐る扉を開けた
「うわぁ……。すごい……」
扉を開けてすぐ、壁一面に置かれた本棚と、大量の本が目に入り、入る予定のなかったその部屋に一歩入ると、見たことのない表紙の本に目をとられ立ち止まった
「すごい難しい……。ミオと読めたら楽しそう」
本棚を見渡しながら部屋の奥へと入っていくと、床に書かれた魔方陣を見つけ、踏まないように壁沿いに歩いていると、部屋の片隅でふわりと浮かんでいる一冊の本を見つけた
「あれ?この本、どこかで見た?」
浮かんでいる本に手を伸ばし、そーっと恐る恐る手に取りとると、本が独りでにパラパラとページが開いて、眩い光を放った
「ねぇ、ここにいる?」
その頃、まだアリアを探していたアクアが稽古場に入り大声で叫んでいた。稽古場にコツコツと歩くアクアの足音が響き、少し怒った顔でまた一人呟いた
「誰もいないじゃん、いったいどこに……」
稽古場を出ようと、入り口の方に振り向いたその時、突然視界が真っ暗になった
「私、術を使ってないのに、なんで……」
驚いて辺りを見渡すが、先ほどと変わらず誰かいる様子もなく、アクアの視界は暗いまま
「アリアお姉ちゃん、いるの?」
と、アクアがまた大声で叫びアリアを呼ぶ。すると、アクアの背後から光が現れた。アクアが振り向くと、その光の中から、右手に本を浮かべ持つアリアが現れた。アクアが驚き見ていると、アリアがフフッと少し困ったように笑ってアクアに話しかけた
「この本、私の薬草の知識の代わりに、なんてならないと思うんだけど、どう思う?」
アリアを探すため、お城の中をあちらこちらと見て回るアリア。リビングに着くと、バタバタと騒がしくしていても誰も来ないことに不安を感じて、ふと足を止めた
「必ず誰かいるのに……」
持っていた杖を胸の前でぎゅっと強く掴み、ふぅ。と一つため息をつくと、その吐息がリビングに少し響いた
「見つかってない……。それなら先にミオの傷に使えそうなものを探そう」
リビングの入り口で隠れながらアクアの様子を見ていたアリアが聞かれないように呟く。足音をたてないように、そーっとお城の中を歩き見て回っていると、リビングから大分離れた場所にある、お城の雰囲気のから少し違う大きな扉を見つけ、恐る恐る扉を開けた
「うわぁ……。すごい……」
扉を開けてすぐ、壁一面に置かれた本棚と、大量の本が目に入り、入る予定のなかったその部屋に一歩入ると、見たことのない表紙の本に目をとられ立ち止まった
「すごい難しい……。ミオと読めたら楽しそう」
本棚を見渡しながら部屋の奥へと入っていくと、床に書かれた魔方陣を見つけ、踏まないように壁沿いに歩いていると、部屋の片隅でふわりと浮かんでいる一冊の本を見つけた
「あれ?この本、どこかで見た?」
浮かんでいる本に手を伸ばし、そーっと恐る恐る手に取りとると、本が独りでにパラパラとページが開いて、眩い光を放った
「ねぇ、ここにいる?」
その頃、まだアリアを探していたアクアが稽古場に入り大声で叫んでいた。稽古場にコツコツと歩くアクアの足音が響き、少し怒った顔でまた一人呟いた
「誰もいないじゃん、いったいどこに……」
稽古場を出ようと、入り口の方に振り向いたその時、突然視界が真っ暗になった
「私、術を使ってないのに、なんで……」
驚いて辺りを見渡すが、先ほどと変わらず誰かいる様子もなく、アクアの視界は暗いまま
「アリアお姉ちゃん、いるの?」
と、アクアがまた大声で叫びアリアを呼ぶ。すると、アクアの背後から光が現れた。アクアが振り向くと、その光の中から、右手に本を浮かべ持つアリアが現れた。アクアが驚き見ていると、アリアがフフッと少し困ったように笑ってアクアに話しかけた
「この本、私の薬草の知識の代わりに、なんてならないと思うんだけど、どう思う?」
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