アリアノート

シャオえる

文字の大きさ
上 下
34 / 65

34. 眠る姿に思いを寄せて

しおりを挟む
 アリアの部屋に着いたクリアがそーっと部屋の扉を開けた。魔術で現した小さな光で、ベッドで寂しそうな顔をしているアクアが見えた
「アクア、大丈夫?」
「お母様」
 クリアの声を聞いたアクアがゆっくりと体を起こし、ベッドに少し座ったクリアの体にぎゅっと抱きついた
「ちょっと怖い夢を見たの……」
「そう。でももう大丈夫よ、アクア」
 ちょっと強いアクアの抱きしめに戸惑いつつも優しくアクアの頭を撫でながら返事をするクリア。しばらくアクアを撫でていると、顔を見上げるようにアクアがクリアを見た
「どうしたの?」
「ねぇお母様は明日、お出かけする?」
「うーん、分からないわ。明日、予定ちゃんと聞いてからじゃないと……」
 少し聞いていた予定を思い出しながら答えると、クリアを抱きしめていたアクアの手がちょっと強くなった
「もしお出掛けるなら一緒に行く!」
「えっ、どうして?」
「お母様は私が読んだことのない本を買わないから。私が見て買うの」
「そう、それならちゃんと眠らなきゃ駄目ね」
 アクアの話にクリアがフフッと笑って言うと、布団に潜り込み眠る体制に入ったアクア。少しずれた布団をかけ直しながら、立ち上がるとまたアクアの頭を優しく撫でた
「おやすみなさい、お母様」
「おやすみ、アクア」
 しばらく頭を撫でていると、眠りはじめたアクア。スースーと寝息が聞こえると、クリアがパチンと小さく指を鳴らした。すると、二人を照らしていた小さな光が消えて、アクアを起こさないよう窓から入る月の光を頼りにそーっと部屋を出た



「アリアの様子はどう?」
 術室に戻り、アリアの様子を見ていた家政婦達に声をかけながら、アリアを映す魔術の方へと歩く
「変わりなくまだ眠っています」
「じゃあ二人とも眠っているのね」
 スヤスヤと眠るアリアの姿を見て、さっき見たアクアの寝顔を思い出しフフッと微笑む
「クリア様、そろそろ少しお休みになった方が……」
「そうね。でも二人が心配だから、もう少し見ているわ。それよりも、ミオちゃんは帰ったの?」
「はい。今日は私達が様子を見ているので、家でしっかり休むよう伝えています」
「そう。ありがとう」
 アリアの様子を見ながら返事をすると、アリアの家には、外に警備の人達、家の中にはお世話をするため呼んだ家政婦達しか居ないことに気づいて、何か思い付いたようにまたフフっと笑った
「じゃあ、少しアリアの家の中に行ってみようかしら。少しだけなら良いわよね」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...