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2. それぞれの思いが溢れる帰り道
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「アリア!ちょっと大丈夫?」
突然、体をユラユラと揺らされて、慌てて周りを見渡すアリア。すると、居なかったはずのミオや周りには人達が大勢居て驚きつつもバルコニーの方を見るとアクアがアリアから背を向け、大勢の人達に手を振っていた
「ごめん、大丈夫……」
ミオにエヘヘと笑って答えると、またアクアのいるバルコニーを見る。少しずつ歓声が静かになりはじめ、ほんの少しアクアやクリアの声がアクアにも聞こえてきた
「お二人とも、そろそろ……」
アリアの様子を見ていた一人の女性がクリアとアクアにコソッと話しかけると、二人とも集まってきた人達に微笑みお城の中へと戻っていった。二人の姿が見えなり、騒がしさも更に落ち着き、人々が帰りはじめた。アリアとミオの近くにいた人達も帰りはじめ、二人も手を繋ぎ帰りはじめた。ミオと楽しそうに話すアリアの姿をお城の小窓からクリアが見ている
「アリアの様子は?」
「変わりないと報告は受けております」
「じゃあ、アクアの魔力は?」
「こちらも変わりないみたいですが、ただ……」
「そうね、あの子の魔力はどれ程なのかは誰にも分からないものね」
ため息混じりにクリアが言うと、周りいたお供の家政婦達が困った様子で顔を見合わせた
「ごめんなさい。少し休んでもいいかしら」
「ですが、今から食事会が……」
家政婦達が止める声も聞かず、クリアは寝室がある方へと一人歩きはじめた
「ねえ、アリアってば!聞いてるの?」
その頃お城から帰る途中のアリアは、ミオに体を揺すられていた。何度も声をかけても返事をしないアリア。ユラユラと揺らされて、やっとアリアがミオの方を向いた
「えっ?どうしたの?」
「ずーっとボーッとしているよ。私の話、聞いている?」
「うん、今日の夕御飯の話でしょ?」
「全然違うよ!アクア王女の杖の話!」
「あれ、そうだっけ?」
少し怒り気味に言うミオに対し、アリアが首をかしげ返事をすると、ミオが少し呆れたように、はぁ。とため息ついた。それを見てアリアがまた不思議そうに首をかしげた
「話してたのは杖の話し。素敵だったね。私も欲しいなぁ……」
「持ってどうするの?」
「そりゃあもちろん、もっと魔術が使えるように訓練するの」
目を輝かせながらそう言うと隣でフフッと微笑むアリアに気づいて気まずそうに顔を背けた
「あっ、ごめん……」
「ううん、気にしないで」
「……そろそろ帰ろう。夕御飯作るから、アリアの家で一緒に食べよう」
「本当?ミオの作るご飯は美味しいから嬉しいな」
フフッと微笑むアリアを見て、ミオも微笑みまた手を繋いで、二人一緒にアリアの家へと少し早歩きで向かっていった
「うーん、いまいちと言えばそうだね。魔力がないって聞いていたから覚悟はしていたけどさ」
その頃、アリア達が帰った後のお城の一室では、アクアが一人呟いていた。隣で浮かぶ杖にそっと触れると、浮かんでいた杖が消え、部屋の小窓を見て、不適に微笑みまた一人呟いた
「アリアお姉ちゃんには頑張ってもらわないといけないからなぁ。お母様には、もう少し黙っていよう」
突然、体をユラユラと揺らされて、慌てて周りを見渡すアリア。すると、居なかったはずのミオや周りには人達が大勢居て驚きつつもバルコニーの方を見るとアクアがアリアから背を向け、大勢の人達に手を振っていた
「ごめん、大丈夫……」
ミオにエヘヘと笑って答えると、またアクアのいるバルコニーを見る。少しずつ歓声が静かになりはじめ、ほんの少しアクアやクリアの声がアクアにも聞こえてきた
「お二人とも、そろそろ……」
アリアの様子を見ていた一人の女性がクリアとアクアにコソッと話しかけると、二人とも集まってきた人達に微笑みお城の中へと戻っていった。二人の姿が見えなり、騒がしさも更に落ち着き、人々が帰りはじめた。アリアとミオの近くにいた人達も帰りはじめ、二人も手を繋ぎ帰りはじめた。ミオと楽しそうに話すアリアの姿をお城の小窓からクリアが見ている
「アリアの様子は?」
「変わりないと報告は受けております」
「じゃあ、アクアの魔力は?」
「こちらも変わりないみたいですが、ただ……」
「そうね、あの子の魔力はどれ程なのかは誰にも分からないものね」
ため息混じりにクリアが言うと、周りいたお供の家政婦達が困った様子で顔を見合わせた
「ごめんなさい。少し休んでもいいかしら」
「ですが、今から食事会が……」
家政婦達が止める声も聞かず、クリアは寝室がある方へと一人歩きはじめた
「ねえ、アリアってば!聞いてるの?」
その頃お城から帰る途中のアリアは、ミオに体を揺すられていた。何度も声をかけても返事をしないアリア。ユラユラと揺らされて、やっとアリアがミオの方を向いた
「えっ?どうしたの?」
「ずーっとボーッとしているよ。私の話、聞いている?」
「うん、今日の夕御飯の話でしょ?」
「全然違うよ!アクア王女の杖の話!」
「あれ、そうだっけ?」
少し怒り気味に言うミオに対し、アリアが首をかしげ返事をすると、ミオが少し呆れたように、はぁ。とため息ついた。それを見てアリアがまた不思議そうに首をかしげた
「話してたのは杖の話し。素敵だったね。私も欲しいなぁ……」
「持ってどうするの?」
「そりゃあもちろん、もっと魔術が使えるように訓練するの」
目を輝かせながらそう言うと隣でフフッと微笑むアリアに気づいて気まずそうに顔を背けた
「あっ、ごめん……」
「ううん、気にしないで」
「……そろそろ帰ろう。夕御飯作るから、アリアの家で一緒に食べよう」
「本当?ミオの作るご飯は美味しいから嬉しいな」
フフッと微笑むアリアを見て、ミオも微笑みまた手を繋いで、二人一緒にアリアの家へと少し早歩きで向かっていった
「うーん、いまいちと言えばそうだね。魔力がないって聞いていたから覚悟はしていたけどさ」
その頃、アリア達が帰った後のお城の一室では、アクアが一人呟いていた。隣で浮かぶ杖にそっと触れると、浮かんでいた杖が消え、部屋の小窓を見て、不適に微笑みまた一人呟いた
「アリアお姉ちゃんには頑張ってもらわないといけないからなぁ。お母様には、もう少し黙っていよう」
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