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42. また月夜を見れるように
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「ねえ、ちょっと起きてくれる?」
本に囲まれたことに気づかないまま、スースー眠るアオイに声をかける。耳元で何度か話しかけてみても起きる気配のないアオイに少し困りつつ、隣に座った
「本に囲まれて眠るのは私がしたことだけど、そろそろ起きてくれないと困るんだよね」
家の光を本で隠され少し暗くなっている二人の周りを見渡していると、二人を囲む本の表紙から魔方陣が次々と現れはじめた
「この魔術は確か……」
近くにあった魔方陣に触れようと指先を伸ばしたその時、寝ていたアオイの体が動き、少し目を開けた
「覚えた?」
そう問いかけられ、虚ろながらゆっくりと頷くと、二人の周りに現れている魔方陣達が微かに光った
「じゃあ、後はよろしく」
そう言うと、アオイがまた目を閉じ、ふぅ。と一つ深呼吸をした瞬間、二人を囲っていた本が突然バサバサと音をたて崩れ落ちた
「えっ、なに……?」
ちょうどベランダからリビングに戻っていたノエルが崩れ落ちた本の音に驚き駆け寄る。思っていたよりも沢山の本があり、呆然としていると、本の山が動きアオイが少しうつ向き加減で現れた
「本当に早く起きたね」
本の山を踏まないように少し浮いて現れたアオイは、小さな体ではなくノエルと出会った頃と同じ背丈に戻っていた
「あの、私……」
と、アオイがなにか言おうとした時、ノエルがそっと手を伸ばした。アオイが恐る恐るその手を掴むと、グイッと引っ張られノエルにぎゅっと抱きしめられた
「また会えるって言っていた?」
ノエルの問いかけにアオイは答えることなくただうつ向き、二人の側で落ちていた本がユラユラと揺れはじめ、ノエルやアオイの体にコツンと当たった
「ちょっと気持ちを落ち着くために、なにか飲む?」
「……はい」
アオイが小声で答えると、ノエルが抱きしめていた手を離した。本を踏まないようにしながら一人キッチンに向かうと、リビングに残ったアオイは、ふぅ。と一つ深呼吸をした
「まだ魔術も魔力も集まってないのに……」
キッチン方からカタンと音が聞こえ、アオイも本を踏まないように、そーっと歩いてリビングにあるテーブルの方へと向かう。その頃ノエルも、温かい紅茶を用意しながら、気持ちを落ち着かせるためにふぅ。と一つ深呼吸をしていた
「まだもう少し一緒に夢見たかったけれど、仕方ないよね、アオイ」
本に囲まれたことに気づかないまま、スースー眠るアオイに声をかける。耳元で何度か話しかけてみても起きる気配のないアオイに少し困りつつ、隣に座った
「本に囲まれて眠るのは私がしたことだけど、そろそろ起きてくれないと困るんだよね」
家の光を本で隠され少し暗くなっている二人の周りを見渡していると、二人を囲む本の表紙から魔方陣が次々と現れはじめた
「この魔術は確か……」
近くにあった魔方陣に触れようと指先を伸ばしたその時、寝ていたアオイの体が動き、少し目を開けた
「覚えた?」
そう問いかけられ、虚ろながらゆっくりと頷くと、二人の周りに現れている魔方陣達が微かに光った
「じゃあ、後はよろしく」
そう言うと、アオイがまた目を閉じ、ふぅ。と一つ深呼吸をした瞬間、二人を囲っていた本が突然バサバサと音をたて崩れ落ちた
「えっ、なに……?」
ちょうどベランダからリビングに戻っていたノエルが崩れ落ちた本の音に驚き駆け寄る。思っていたよりも沢山の本があり、呆然としていると、本の山が動きアオイが少しうつ向き加減で現れた
「本当に早く起きたね」
本の山を踏まないように少し浮いて現れたアオイは、小さな体ではなくノエルと出会った頃と同じ背丈に戻っていた
「あの、私……」
と、アオイがなにか言おうとした時、ノエルがそっと手を伸ばした。アオイが恐る恐るその手を掴むと、グイッと引っ張られノエルにぎゅっと抱きしめられた
「また会えるって言っていた?」
ノエルの問いかけにアオイは答えることなくただうつ向き、二人の側で落ちていた本がユラユラと揺れはじめ、ノエルやアオイの体にコツンと当たった
「ちょっと気持ちを落ち着くために、なにか飲む?」
「……はい」
アオイが小声で答えると、ノエルが抱きしめていた手を離した。本を踏まないようにしながら一人キッチンに向かうと、リビングに残ったアオイは、ふぅ。と一つ深呼吸をした
「まだ魔術も魔力も集まってないのに……」
キッチン方からカタンと音が聞こえ、アオイも本を踏まないように、そーっと歩いてリビングにあるテーブルの方へと向かう。その頃ノエルも、温かい紅茶を用意しながら、気持ちを落ち着かせるためにふぅ。と一つ深呼吸をしていた
「まだもう少し一緒に夢見たかったけれど、仕方ないよね、アオイ」
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