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30. 嬉しさよりも困った話
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「はぁ、面倒……」
メア達が居なくなり、魔術で隠した家に戻ったノエルがため息つきながら玄関の扉を閉めた。そーっと家の中を歩き、アオイが眠っている寝室に入ると、添い寝するように側に置いていた小さいままの本を取り、起こさないように寝室を出て、リビングへと向かった
「アオイ、いるんでしょ?」
本をテーブルに置きながらノエルが呟く。独り言を呟いてすぐ、テーブルの側にある椅子に、クスクスと笑うアオイが現れた
「見つかったか。意外と早かったね」
「私がこの家に来て、魔力を消す気なんかなかったでしょう」
「まあね」
「メアさん達に見つかっていたかもしれないよ。この家だってアオイが居なくなってから見つかったんだし」
「家が見つかったのは私のせいじゃないよ。そっちの魔力が足りなかっただけ」
テーブルに置かれたままの食べかけのクッキーを見つけ一口食べながら言い返すと、ノエルが呆れたようにため息をついた
「私、今すぐあの感動的な別れを戻してほしい」
「無理だよ。あの別れは必要だし、なんか魔術師ぽい別れ方で良かったでしょう?」
と、クッキーを食べながら返事をすると、ノエルがまたため息をついて、椅子に座ると、飲み干されたティーカップに紅茶を注いだ
「残していった、とっておきの魔術はなんなの?」
「んー、教えたくてもまだ発動してないからね。困ったねぇ。このまま発動しないのかも」
「じゃあその魔術がダメそうなら、あの子を連れて帰ってよ」
「それはイヤ。もうちょっとお菓子も紅茶も欲しいから」
そう言うとクッキーを乗せていたお皿を指差した。さっきまで数枚あったはずのクッキーは全部無くなり、いれたばかりの紅茶も無くなっていた。ノエルがおかわりを取りにキッチンに向かい、棚からお菓子を探す姿を懐かしそうな笑みを浮かべた
「新たな世界で私の魔術を使うのも悪くないね。ちょっとだけ勿体ないことをしたかも」
メア達が居なくなり、魔術で隠した家に戻ったノエルがため息つきながら玄関の扉を閉めた。そーっと家の中を歩き、アオイが眠っている寝室に入ると、添い寝するように側に置いていた小さいままの本を取り、起こさないように寝室を出て、リビングへと向かった
「アオイ、いるんでしょ?」
本をテーブルに置きながらノエルが呟く。独り言を呟いてすぐ、テーブルの側にある椅子に、クスクスと笑うアオイが現れた
「見つかったか。意外と早かったね」
「私がこの家に来て、魔力を消す気なんかなかったでしょう」
「まあね」
「メアさん達に見つかっていたかもしれないよ。この家だってアオイが居なくなってから見つかったんだし」
「家が見つかったのは私のせいじゃないよ。そっちの魔力が足りなかっただけ」
テーブルに置かれたままの食べかけのクッキーを見つけ一口食べながら言い返すと、ノエルが呆れたようにため息をついた
「私、今すぐあの感動的な別れを戻してほしい」
「無理だよ。あの別れは必要だし、なんか魔術師ぽい別れ方で良かったでしょう?」
と、クッキーを食べながら返事をすると、ノエルがまたため息をついて、椅子に座ると、飲み干されたティーカップに紅茶を注いだ
「残していった、とっておきの魔術はなんなの?」
「んー、教えたくてもまだ発動してないからね。困ったねぇ。このまま発動しないのかも」
「じゃあその魔術がダメそうなら、あの子を連れて帰ってよ」
「それはイヤ。もうちょっとお菓子も紅茶も欲しいから」
そう言うとクッキーを乗せていたお皿を指差した。さっきまで数枚あったはずのクッキーは全部無くなり、いれたばかりの紅茶も無くなっていた。ノエルがおかわりを取りにキッチンに向かい、棚からお菓子を探す姿を懐かしそうな笑みを浮かべた
「新たな世界で私の魔術を使うのも悪くないね。ちょっとだけ勿体ないことをしたかも」
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