ルーグ家の双子

シャオえる

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二人の未来、それから

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「アリス!クリス!」
 リリスの声が聞こえる

 二人は、儀式か行われる予定だった場所で、両手を繋ぎ、互い向かい合うように倒れていた
「お母様…?」
  アリスとクリスが、目を覚ます
「アリス!クリス!」
 リリスは、二人を抱きしめ涙を流す
「二人とも…生きてた!」

 カフル、リズル達もクリス達を見て喜び、抱きしめあい、二人の生存に安堵した



そして、それから数年後



「よーし、今日から頑張んなきゃ!」

 成長し、少し背も延びたクリスが、事件後立て直した魔術本部の門前にいる
 うーんと、背伸びをして、気合いをいている

「クリス!」
 クリスの後ろから呼ばれ振り替えると見慣れた顔が二人
「アリス!リズルさんも」
 二人がクリスの元へ歩いてくる
「どうしたの?二人一緒だね」

「ふふん、二人でパフェ食べに行ってたんだ」
 アリスはニヤニヤと笑い、嬉しそうにクリスに報告する

「えっ?」

「特待生としてのご褒美。クリスは残念だったもんねー!」
 リズルの腕を掴み、嬉しそうな顔でクリスに話しかける
「リズルさん…」
 ムスッとした顔で、リズルを見る
リズルも、ヤバいという顔で、焦りつつ言い訳をする
「クリスも特待生として合格していたら一緒に行ったぞ。今回は約束だったからな」

「そこの双子。もうすぐ身体検査よ!早く入りなさい!」
 ノーツ医師が二人を呼び、ハァっとため息混じりで、アリス達の所へ歩いてくる
「えっ?身体検査…」
 思わず、アリスがお腹をふにっと摘まむ
「残念だったね、アリス」
 クリスはニヤニヤとした顔で、アリスを煽る
「うるさいなー」

 大騒ぎしながら、本部内へ入っていく二人

「あの二人、本当に入ったのか…」
 その様子を、呆れた様子で何処からともなくアーベル大佐がやってきた
「アーベル大佐…。ええ、二人して今日から我が本部の特殊教育学部の生徒です」

「なぜまた此所に…」
 アーベル大佐が、不思議そうに聞く
リズルはフフっと笑い、質問に答える
「監視というのもありますし、それに二人とも夢があるそうで…」

 リズルの声が聞こえたのか、アリスとクリスはくるっと回り、アーベル大佐、リズル、ノーツ医師の方を見る

「そうだよ!クリスは、リズルさんみたいに、魔法でも何でも困っている子供がいたら、すぐ助ける人になるの!」
「アリスは、ノーツ医師みたいに、怪我で苦しんでいる人を助けたいの!」

「ねー!」
 二人は顔を見あい、ニコニコと笑う

「なんか照れるな…」
 リズルは少し頬を赤らめる
「そうね」
 ノーツ医師は、うんうんと頷く
「そうか?羨ましいが…」
 ちょっと、寂しそうなアーベル大佐
アーベル大佐をリズルと、ノーツ医師は微笑み笑う

「ほら、時間だ。二人とも遅刻するぞ!」
 リズルが二人の方に声をかける
アリス、クリスも大声で返事をする

「はーい!」
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