ルーグ家の双子

シャオえる

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ルーグ家は…

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 医務室を出て、廊下を歩いているアーベル大佐とリズル少佐。

「なぁリズル、どう思う?」
リズル少佐の一歩前を歩くアーベル大佐が話し始める

「わかりません。あの子達は、本当にルーグ家の双子はでしょうか?」
 問いかけに答えるリズル少佐。

「ルーグ家の関係者、全て行方が分からなくなって、半年ですよね」
 今度はリズル少佐が問いかける。

「あぁ…」

「では、あの子達は…」

「ルーグ家の双子かはまだ分からないが、あの規模の能力を考えると、そうであろうというのが本部の考えみたいだ」

「えぇ、私より遥かに強い魔力の反応でしたから。そうだと思いますが…」
 そう答えると、ぐっと手に力を込める。

 アーベル大佐は立ち止まりリズル少佐の方を向き、話しかける。

「そうだとしたら、ルーグ家に双子が生まれていたという記録はないのだ」

 リズル少佐も立ち止まり、驚いた様子で、アーベル大佐を見る
「ルーグ家は、双子の存在を隠していた…と」

 アーベル大佐は頷く。
「あぁ、隠したいという気持ちは分かるが…」

「ですが…」

「だから今から会議をするそうだ」

「今からですか?」

「ルーグ家の捜索かつ双子の対策、相当参ってるみたいだがな」

「仕方ありません、ルーグ家は…」

 アーベル大佐はため息まじりに答える。
「あぁ、この世界の一番といわれる魔力使いの一族。それが半年前から、全ての者が音沙汰もなく行方不明。いたと思えば、双子だからな」

「えぇ、ルーグ家の双子が10才の日になると…」

「いつも何かが起こる。天変地異か戦争か。この世界の言い伝えの一つだな。二人に何があったかはまだ分からないが、前触れじゃないか、という事で動いているが、クリス・ルーグが何も話さないとなれば、どうにも…」

 リズル少佐が少し考えている様子で、アーベル大佐に質問をする。
「これまで、ルーグ家の双子に起こった記録というのは?」

「近々に起こったのは、もう数十年前だそうだ。その時は大規模な水害で、本部、ルーグ家、他の魔術一家の協力により怪我人は多数いたが、死者は…」
 アーベル大佐は言葉に詰まった。

「そんなに多かったのですか?」

「いや、双子の片割れだけだったそうだ」

「え?」

 アーベル大佐は、体の向きを直し歩き始めた。
「ともかく、あの子からルーグ家の情報が少しでも手に入らないと先には進めん。一家の捜索も半年かかってゼロだからな」

「頼んだぞ、リズル少佐」
そ ういって、廊下を歩き続けるアーベル大佐。
その背中を見届けながら、頷くリズル少佐

「了解…」
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