時を奏でる境界線

シャオえる

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108. 学園に響く危険な時間

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「あら?今日はお休みの日?」
 魔術学園にやって来た、メイナとリエルとカリア。だが、学園は門や玄関は空いているが、人がいる気配がない
「本当だ。人いないね」
 メイナが玄関や室内など辺りを見渡していく。リエルも隣で一緒に学園の中を見ていく
「カリアか……」
「あら、ラックさん。今日は休校日ですか?」
 音もなく三人の側にやって来たラック。急に現れ、驚いたメイナとリエルがカリアの後ろに隠れる
「ああ、振替休日だよ。聞いていなかったのか?」
 そんな二人に気にもせず、玄関へと向かっていく
「学園の中、見れないの?」
「後日来るといい。私ももう帰る予定で、戸を閉めようとしていた所だ……」
 学園見学が出来ず落ち込むメイナとリエルに、カリアが何かを思い付く
「じゃあ、タストスに行ってみる?」
 カリアの提案に、すぐご機嫌になって二人とも頷く
「行く!パフェ久しぶりに食べたい!」
「そうだね、行こう!」
 二人でグイグイとカリアを引っ張って、ラックの横を通りすぎて、学園を後にしていく

「……これで良いのか?」
 バタバタと急ぎ足で学園を後にするカリア達を、見守るラック。その後ろを誰かがやって来た
「ああ、助かる」
 そうこう話しているうちに、門を出て見えなくなったカリア達。ラックが空を見上げる。今日は一段と日差しが眩しい日和。いつの間にか居なくなっているのに気づくと、ラックはポツリ呟く
「もうすぐ午後ラクトか……」



「カノンさん!居ますか!」
 男性隊員が、大声を上げノエル達の部屋をドンドンと叩いている
「え?なに?」
 カノンから渡された資料を読み込んでいた二人。物音がしてもまだ起きないカノンをノエルが起こして、クリルは扉を開けに向かう。開いた瞬間、バタバタと勝手に入っていく隊員。起きたばかりのカノンと二人、隊員の勢いに押され、状況が読めずにいると、隊員がカノンを見つけ大急ぎで話し始めた

「カノン隊長!先程、魔術学園が崩れ落ちたと連絡が!魔術反応はフラワードと同じだそうです。12時になる瞬間と、時間もほぼ同じとありました。急いで来てください!」

「そんな……リエル達が」
 隊員の話に茫然とするノエルの隣で、慌てて飛び起きるカノン。クリルも話を聞いて立ち尽くし動けずにいる
「カリアと連絡は!」
「未だ取れていません。バルバさん達には連絡済みで、ドーケムからすぐ向かうそうです」
 二人を残してバタバタと部屋を出ていく隊員とカノン。静かになった部屋で、ノエルとクリルが未だ茫然としていた。
 外では慌ただしく本部の人達が動き回っている。その姿を見て二人は急いで、カノンの所へと走り出す
「待ってカノンさん!僕らも行く!」
 だが、側に来たノエルとクリルを止めようとする隊員達。その側で色々と指揮をしていたカノン。二人に気づいて、少し悩み、隊員達に声をかけたあと、二人にこちらへ来るように手招きをする
「そうだね。カリアは今の時間は、魔術が使えないし、バルバも到着に時間がかかる。一緒に来てくれ」
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