時を奏でる境界線

シャオえる

文字の大きさ
上 下
23 / 132

23. 気分転換にいかが?

しおりを挟む
「おう、カノン」
 バータナ兄妹を寮に送り届けた帰り道、本部の廊下で出会ったのは、会議終わりのバルバ大佐
「バルバ、どうしたー?」
 変なテンションのカノンを見つけて、呆れるバルバ大佐
「お前、寝てたんじゃないのか?」
 ここから、カノンの部屋まではちょっと遠い場所にある

「んー、なんとなく子守りを。ちょっとバータナ兄妹の進路相談がねー……」
 ご機嫌で話すカノン。それを聞いたバルバ大佐、うーんと悩む
「そうか、やっぱり二人とも悩んでいるのか」

「まあ、いきなり環境を変えるなんて大変だしねぇ」

 疲れすぎて変なカノンと、ため息をつくバルバ大佐
、そのまま廊下で二人座り込んで、そのまま時間が過ぎていく

「でなカノン、さっきまで会議だったのだか……」

「アゼルは、約一年ほど、行方不明らしい。まあヤツの事だから死んではないとは思うが……あとは、ダングだが、まぁ厳重注意だけになったよ」

「そうか、カリアはどこに?」

「休息だ。明日は俺もカリアも休日だからな。早めに休むよう言ったんだ」

「まあ、有って無いようなものだけどね、カリアも」
 笑うカノンに、バルバも苦笑いで話しかける 
「そうだな、お前も休みだろう。どうするんだ?」
 休みという事を忘れていたカノン。バルバからの質問に悩む
「あーじゃあ、あの子達と遊ぼうかなぁ?」
 ニコニコと話すカノンに、また呆れるバルバ大佐
「構いすぎたら嫌われるぞ」
「そうねー。でも、ほっとくなんて命令出さないでしょ本部は」

「ああ、未来ある子達だ。大切にしないとな」


 そして、夜が明けて午前レクト8時


 食堂に寝ぼけ顔でやって来た兄妹二人組
カリアとカノンも、疲れがたまってテンション低め
 だが、食堂のたくさんのご飯を見ると機嫌は一転、お腹一杯食べる兄妹組
 その隣、コーヒーを飲みながらあれやこれやと、話を進めるカリアとカノン

「で、ですね……」

 カノンが、兄妹四人に話しかける……が、妹二人がパフェを、また作る作らないで兄二人と大喧嘩中
 その様子を、楽しそうに見守るカリアと、無理矢理咳き込んで、喧嘩を止めるカノン

「今日、私とカリアは休日なのですが……」

 喧嘩冷めやらぬまま、四人に話すカノン
 突然、カリアが休みと聞いて落ち込む妹二人
「じゃあ、家に帰るのか?」
 カノンにクリルが質問する
「いえ、私もカリアも本部ここが家みたいなものなので、帰りませんが……是非午後ラクトの時間から皆で街に出掛けませんか?」

「バルバさんは?」
 今度は、メイナがカノンに質問する
「お家に帰ったよ。バルバは別にお家があるからね。どうする?僕らと出掛けるかい?」

 カノンの質問に、兄二人は嫌そうな顔、妹二人は楽しみな顔。両極端な反応に、カノンは笑って答えを見つける

「んじゃ、午後ラクト2時頃に行きましょうか。それまでは自由時間で」
しおりを挟む

処理中です...