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シャオえる

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96. 伝えたいことはもう少し後で

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 リコ達がミクの捜索をしている頃、いつの間に寝ていたのか、ゆっくりと目を開けたミク。本部の部屋とは違うが、見覚えのある部屋の景色に、少しボーッとしつつゆっくりと首を横に向けた
「……ミク。おはよう」
 顔を向けた先に聞こえた懐かしい声に、ガバッと飛び起きると、隣で優しく微笑むその人に、勢いよく抱きついた
「お母様!」

「会いたかったです。お母様……」
 ミクの震える声に、そっと抱きしめるアマネ。ミクの頭に手を添えて、ミクの顔を肩に寄せた
「私もよ、ミク。ゴメンね、一人にさせて」
 会えた嬉しさからグスグスと泣き続けるミク。少し泣き止んだ頃、やっと落ち着いてアマネの顔を見て、二人見つめあう。もう一度ぎゅっと抱きしめると、優しく暖かい温もりに、すぐウトウトと眠そうに目を閉じた
「ミク。もう少し休んで」
「……でも」
「大丈夫。どこにも行かないわ」
 と、そっとミクをベッドに寝かし布団を被せミクの頭を撫でて眠りを誘うアマネ。でもミクは、もう少し抱きしめあい、話もしたくて、うつらうつらと眠い目を、どうにか開けようと頑張っている
「あの……お母様。お話ししたいことがたくさん……」
「もう少し寝て、元気になってから、たくさん聞くわ」
 アマネの言葉を最後まで聞くことなくすぐ、眠ってしまったミク。頭を撫でながら寝顔を見守るアマネ。ゆっくりとした時間が流れ静かな部屋に、キィッと部屋の扉が開く音が響いた
「あら……今、寝ちゃったの」
 部屋に来たライにクスッと笑って答えるアマネの隣に来て、ミクの寝顔を見るライ。久しぶりに見たミクに顔がほころぶ
「そうか、それは残念。笑顔を見たかったのに……」
 とミクの顔を見ながらライが呟いていると、アマネが本を取り出し、隣にいるライに手渡した
「その本は……」
「ミクが書いた本よ。何が書いているのかしらね」





「ミク、大丈夫かな?」
 レイに言われた通り、ミクの部屋で待機をしているリコ達。外に出てミクを探せないリコは、何も出来ず気持ちが落ち着かず部屋の中をウロウロと動き回っていた
「大丈夫だよ、多分……」
 リコと同じく気持ちが落ち着かないクルミとモモカは、紅茶を飲んで、一息つこうとしていた。リコも紅茶を飲もうと、二人のいるソファーに座ろうとしたした時、コンコンと扉が叩く音が聞こえた

「……はい」
 リコが扉を開けると、目の前には機嫌良さそうに微笑むレグスがいた。予想外の人物の登場に、思わず一歩後退りした
リコ。クルミとモモカもレグスが来たことに気づいて、思わずソファーから立ち上がった
「おや、君達だけかね?」
 急に現れたレグスに対し一気に緊張感が溢れだすリコ達。その緊張感を感じつつも、ニコニコと笑顔で部屋の中を見渡しはじめたレグス。ミクを探していると気づいたリコが急にあたふたと不審な動きをしはじめた
「えっと、あの……ミクは……」
「医務室です。少し体調が良くないみたいで……」
 レグスの側で、ずっとあたふたしているミクの代わりに答えるクルミ。その答えを聞いて、リコの後ろにいるクルミとモモカに向けて、今度は違う質問を問いかけた

「なら、レイはどこにいるか分かるかね?」
「いえ、出掛けるとさっき言っていましたが、どこにいるかは……」
「そうか。話を聞きたかったのだが……」
 クルミとの会話を終えて、再び考え込みはじめたレグスの様子を不安そうに見守るリコ達。しばらく部屋に沈黙が流れ、レグスの側にいたリコをモモカが、ぎゅっと抱きしめ、クルミも二人の側に来てレグスの様子を見ていると三人が不安げな表情なのに気づいたレグスが、ニコニコと笑った
「では、レイの事は他の者にも聞いてみるとしようか。それと、あの娘が医務室から戻り次第、早々に報告をするように……」
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