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シャオえる

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6. 思惑と願いを込めて

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「では、本はあの娘の手元にあると言うことか……」
 ミク達が騒がしくお昼ご飯を食べている頃、施設の会議室では、重々しい雰囲気が流れていた。ため息混じりに話す重鎮であろうか、老人の声が部屋の片隅まで聞こえて、会議室に集まった人達の緊張感が更に強くなっていく
「娘が離さぬということで、まだ本の中身は確認はしていないが、まあ多分思う通りであろうが……」
 老人の声に答えるように、少し離れて座っていた初老の男性が答えると、少しざわつき始める会議室。若い隊員達が二人の話の内容に戸惑っていた
「白紙ということだ。何も書かれていない」
 ざわつきに答えるように、落ち着いた様子で話す若い男性が呟くと、少しざわつきが収まり、また話し合いが続く

「それで、その娘の両親は?」
「屋敷には、いなかったよ。逃げ足が早いというか……」
「今も行方は不明だ。見つけるのは時間がかかると思うが……」
 あちらこちらで聞こえる、ため息と共に話が進み、再び沈黙が流れ、重々しい雰囲気になった会議室。若い隊員達は、聞き慣れない話し合いの内容に、未だ戸惑いの表情で上司である隊員達の話を聞いている

「今、その娘と本は、リコと一緒にいるのだろう?」
「はい。クルミとモモカも一緒に対応しています。ああ見えて三人とも能力は高いですし、歳も近いから適任であるという判断ですが……なにか?」
 初老の男性の問いかけに、若い女性隊員が答えると、黙りこみ考えはじめた。それを見ていた老人が、女性隊員に向かって話しかけた
「……その三人は、歌は得意かね?」
「いえ、聞いたことはないですが……」
「そうか……」
 これもまた不可解な質問に戸惑う女性隊員。話を聞いていた周りの隊員達も、不思議そうに二人の様子を見ている。しばらくすると、老人達がキィと音をたてゆっくりと椅子から立ち上がった
「話しは一旦終わろうか……。進展があり次第、また集まろう」





「……嫌です」
「なんで?一緒に行こうよ!」
 お昼ご飯の後、リコ達と部屋に戻るとベッドに座り何やら嫌がっているミクがいた。その目の前では、ミクに少しずつ顔を近づけながら問い詰めているリコがいた
「もういい加減、諦めなさいリコ。いつまで粘ってるの?」
 二人の様子を見ていたクルミが、呆れながらリコに話しかけた
「だって、一人は寂しいでしょ?いいじゃん。一緒にお風呂くらい。もっとミクとお話したいし」
「別にお風呂じゃなくても……」
 リコとクルミが、あれこれと話していると、モモカがミクの隣に座って二人の様子を一緒に見ていると、クルミに言い負かされて落ち込むリコを見て、ちょっと笑ったミク。その瞬間を見たリコが、ミクの手を引っ張って部屋をバタバタと音をたて出ていってしまった。急な出来事に慌てるミクに、走りながらリコが声をかけた
「笑ったってことは、もう大丈夫だよね。ミクの気が変わる前に、急いでお風呂行こう」
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