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第4章 愛と硝煙の日々

6 灼熱の太陽

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「このリヨンからファヴィニーナ島までの直線距離はおよそ1,090kmだ。ステルス・コブラの最大航続距離は約800kmだから、無給油では飛べない。問題はどこで給油をするかだ」
 <星月夜シュテルネンナハト>リオン支部のブリーフィング・ルームで、アランが眉間に皺を寄せながら告げた。このブリーフィングに参加しているのは、アランの他に龍成、凛桜、はるか、フランソワーズの四人だった。

「ルートとして考えられるのは二つね。ローマ経由か、アジャクシオ経由……。でも、ステルス・コブラを借りた経緯を考えると、給油をするなら同じフランス国内の方がいいに決まっているわ。そうなると、イタリアのローマは却下ね」
 恋人のフランス空軍大佐から非合法でステルス・コブラを借りた手前、他国での給油は問題外だとフランソワーズは告げた。

「アジャクシオって、どこなの?」
 初めて聞く地名に首を傾げながら、凛桜がフランソワーズに訊ねた。
「地中海に浮かぶコルス島という島にある空港よ。このリオンからアジャクシオまでは、直線距離でおよそ520km。ちょうどファヴィニーナ島までの中間地点ね」
「アジャクシオ・ナポレオン・ボナパルト空港か……。確かに地理的にはちょうどいいが、問題が一つあるな……」
 フランソワーズの提案に、アランが腕組みをしながら告げた。

「問題って?」
 アランの告げた言葉の意味が分からずに、凛桜が訊ねた。
 アジャクシオで給油をすれば、ファヴィニーナ島までは残り560kmだ。航続距離が800kmのステルス・コブラなら十分飛べる距離だし、残りの燃料で攻撃飛行も可能だった。

「帰りはどうする? アジャクシオからファヴィニーナ島へ行き、マフィアの支部を攻撃するまではいい。だが、それでほとんどの燃料を使い切るぞ。まさか、ステルス・コブラを乗り捨てて帰る訳にもいかないだろう?」
「そうね……。帰りは仕方ない……。トラーパニ空港で給油しましょう。<星月夜シュテルネンナハト>本部から話を通せないかしら?」
 フランソワーズが龍成を見つめながら訊ねた。

「無茶言うな。トラーパニは軍事利用もされているイタリアの空港だぞ。おたくのマフィアを攻撃してガス欠になりました。給油させてくださいなんて、通用するはずないだろう?」
 龍成が呆れたようにため息をつきながら告げた。
「いや、やってみる価値はあるぞ、リューセイ。俺たちはマフィアを攻撃するのが目的じゃない。拉致されたヒメカワ警視を救出するためにファヴィニーナ島に行くんだ。結果的に多少の戦闘行為があったとしても、あくまで救出活動を前面に出せば、イタリアの援助を受けられるかも知れない」
 アランが真剣な表情を浮かべながら告げた。

「そうだな……。分かった。俺から高城の親父さんに連絡しておく……」
「頼む。では、イタリアからの援助が確約され次第、作戦を実行しよう。ステルス・コブラにはリューセイとリオ。俺とフランソワーズは他のメンバーを率いて、輸送ヘリでトラーパニ空港に向かう」
「あたしは、どっちに……?」
 はるかがアランに訊ねた。その瞳は、アランと一緒にいさせて欲しいと訴えていた。

「ハルカはもちろん、俺と一緒だ。君をリクルートしてここまで連れてきた責任は、俺にあるからな……」
「はいッ! よろしくお願いしますッ!」
 満面の笑みを浮かべながら、はるかが答えた。その様子を見て、凛桜と龍成が顔を見合わせた。はるかの気持ちを読み取ったのだ。

「では、高城の親父さんに連絡してくる。トラーパニ空港の協力が得られるまで休憩にしよう」
「分かった。頼んだぞ、リューセイ」
 龍成の言葉に頷きながら、アランが告げた。
「龍成、瑞紀ちゃんに連絡しないの?」
 席を立ちかけた龍成を見上げながら、凛桜が訊ねた。

「そうだ、龍成……。ミズキはカンザキと一緒にファヴィニーナに向かったんだろう? 俺たちの作戦を伝えておかないと、またどんな無茶をするか分からないぞ」
 凛桜の言葉に同調するように、アランが告げた。
「そうだな……。分かった。高城の親父さんに連絡した後で、瑞紀にも作戦を伝えておくよ」
 龍成が奥歯にものを挟んだような口調で、アランに言った。その様子を見て、凛桜が顔を曇らせた。

(龍成、瑞紀ちゃんと話しづらいんだ……。あたしのせいで瑞紀ちゃんとの関係にヒビが入ったから……)
 自分を相棒バディに選んだことによって、龍成と瑞紀の関係が壊れかけていることに凛桜は責任を感じていた。龍成が自分を選んでくれたことは嬉しかったが、だからと言って二人の関係を悪化させることは凛桜の本意ではなかった。

「瑞紀ちゃんにはアランから連絡をしてあげて……」
 龍成の横顔を見つめながら、凛桜がアランに向かって言った。凛桜の言いたいことを察すると、アランが頷きながら告げた。
「そうか……。そうだな。分かった。ミズキには俺から連絡をしておこう……」
「いや、大丈夫だ。瑞紀は俺の相棒バディだ。俺から連絡をする……」
 龍成が凛桜を安心させるように笑顔を見せながら告げた。

「龍成、でも……」
「心配するな、凛桜。単なる作戦の連絡だ。どうっていうことはないさ……」
 龍成の言葉に頷くと、凛桜は言いたいことを呑み込みながら無理矢理笑顔を浮かべた。
「そうね……。やはり、龍成から連絡してあげた方がいいと思う。アランやあたしから連絡を受ける方が、瑞紀ちゃんにとっては嫌だろうし……」

「では、ミズキの方は任せるぞ、龍成……。代わりに、タカギ本部長には俺から連絡をしておこう……」
「そうか……。悪いな、アラン……」
「気にするな。では、三十分後にここに集合だ。それまでは休憩とする」
 アランの宣言に、龍成たちは席を立った。

「じゃあ、あたしはフランとお茶しているわ。また、後でね、龍成……」
「分かった。じゃあ、後でまた……」
 そう告げると、龍成はブリーフィング・ルームから足早に出て行った。その後ろ姿を見送りながら、凛桜は小さくため息をついた。

(龍成はまだ瑞紀ちゃんを愛している……。本当は瑞紀ちゃんとどんな会話をするのか、横で聞いていたい。でも、龍成はそんなことをする女は嫌いなはず……。龍成を信じて、待っているしかないわ……)
「フラン、どこかでお茶をしない?」
 凛桜は笑顔を浮かべると、明るい声でフランソワーズを誘った。

「ふーん、そういうことなのね。お酒の方が良さそうだけど、お茶で我慢してあげるわ。リオ、行きましょう。お姉さんが相談に乗ってあげるわよ」
 ニヤリと笑いを浮かべると、フランソワーズが席を立った。その碧眼が楽しげに輝いていることに気づき、凛桜は顔を引き攣らせた。
「別に相談なんか……」
「いいから、行きましょう、リオ……」
 フランソワーズに腕を掴まれて、凛桜はブリーフィング・ルームから連れ出された。後に残ったアランとはるかが、お互いの顔を見合わせながら苦笑いを浮かべていた。


 左腕のリスト・タブレットが着信のバイブレーションに震えた。そこに表示された名前を見て、瑞紀は顔をしかめた。
「誰からだ……?」
 白い乳房を揉みしだき、ツンと突き勃った薄紅色の乳首を咥えていた純一郎が、顔を上げて瑞紀に訊ねた。

「間違い電話みたい……あッ、んッ……知らない番号だわ……んあッ……」
 胸から広がる甘い愉悦と、敏感な乳首を甘噛みされる峻烈な快感に、瑞紀が白い喉を仰け反らせながら答えた。
「白銀か……? 出ていいぞ、瑞紀……」
「違……うッ……。間違いだって……あッ、いやッ……」
 何度も絶頂を極めた女体は、純一郎の愛撫に驚くほど素直に反応した。まるで、全身が性感帯に変わってしまったかのようだった。

「<星月夜シュテルネンナハト>が、玲奈の救出に動き出したのかも知れない。電話に出て、話を聞いた方がいい……」
「分かったわ……お願いだから、電話の間は何もしないで……んあッ……」
 乳首を摘まみ上げて扱き始めた純一郎の右手を、瑞紀は左手で握り締めながら告げた。
「分かっている。気にしないで、早く出てやれ……」
 ニヤリと笑みを浮かべた純一郎の顔を、瑞紀は不安そうに見つめて通話アイコンをタップした。

『瑞紀か? 今どこにいる?』
 スピーカーから龍成の声が響き渡った。瑞紀は慌てて左耳たぶの骨伝導スピーカーに切り替えようとした。だが、その手を純一郎が握り締め、そのまま話せと眼で告げてきた。
「ファヴィニーナの……ホテルよ……」
 そう告げた瞬間、左乳首に峻烈な快感が走った。純一郎が乳首を啄み、歯で甘噛みしてきたのだ。瑞紀は声が漏れないように、慌てて右手で口を押さえた。

『神崎と一緒なのか?』
「うん……別の部屋に……んッ……泊まっている……わ……」
 ジロリと純一郎を睨むと、瑞紀は愛撫を止めるようにと首を振った。だが、純一郎はニヤニヤと笑いながら、豊かな乳房を揉みしだいていた。

『俺たちは今、フランスのリヨン支部に来ている。AH-10Sステルス・コブラを借りることができた。<星月夜シュテルネンナハト>本部からイタリアのトラーパニ空港に給油の許可を申請しているところだ』
「そう……」
 純一郎の右手が瑞紀の左脇腹を撫ぜながら下半身に移動していった。瑞紀は彼の意図を察すると、激しく首を振って抗議した。

『日本からは俺の他に、アラン、凛桜、そして、西新宿署の早瀬はるか警部補が来ている。リヨン支部からは特別捜査官エージェント八人が応援してくれることになった。給油許可が下り次第、二手に分かれてファヴィニーナに向かう予定だ』
「んッ……分かった……」
 瑞紀は左手で強く口元を押さえると、漏れ出そうになる声を噛み殺した。純一郎の右手が濡れた秘唇を嬲り始めたのだ。同時に、尖りきった乳首を甘噛みされながら舌先で転がされた。瑞紀は激しく首を振って、純一郎を睨んだ。

『遅くても、明日か明後日にはファヴィニーナに到着する。それまでは、勝手に動くな。姫川警視は、俺たちと協力して救出するんだ』
「……ッ! んッ……! わ、分かった……わ……。んッ……!」
 瑞紀は唇を噛みしめると、ビクンッと大きく仰け反った。純一郎がクルンと薄皮を剥いて真珠粒クリトリスを剥き出しにし、コリコリと扱きながら愛液を塗り込み始めたのだ。女の最大の弱点を集中的に責められ、瑞紀は全身をビクつかせながら哀願するように純一郎を見つめて首を振った。

『どうした、瑞紀?』
「……何でも……ないッ……! んくッ……んッ……はッ……!」
 長い髪を振り乱しながら、瑞紀が激しく首を振った。腰骨を灼き溶かすような快感に、赤く染まった目尻から涙が溢れた。手で強く口元を押さえていないと、恥ずかしい声を龍成に聞かれてしまいそうだった。

『大丈夫か? 調子でも悪いのか?』
「……だい……じょうぶ……よ……」
 必死で口元を押さえながら、瑞紀が小声で告げた。だが、その腰は真珠粒クリトリスから迸る峻烈な快感に耐えきれず、イヤらしく動き出した。

(お願いッ! やめてッ!)
 漏れ出そうになる嬌声を噛み殺しながら、瑞紀が眼で純一郎に訴えた。だが、純一郎は右手の中指と薬指を揃えると、グチュッという音とともに秘唇に挿し込んできた。そして、その指を鉤状に曲げると、粒だった天井部分Gスポットを擦り上げながら激しく抜き挿しを始めた。

「んッ……はッ……んッ……んぁッ……くッ……はッ……!」
(だめッ! そんなにされたら、我慢できないッ……!)
 快美の火柱が背筋を走り抜けると、脳天に雷撃が襲いかかった。白い喉を仰け反らせながら、瑞紀はビクンッビクンッと痙攣を始めた。目の前にチカチカと閃光が瞬き、真っ白な光輝が意識を包み始めた。

『本当に大丈夫か? かなり調子が悪そうだが……』
「……へいき……よ……」
(だめッ! やめてッ! イッちゃうッ……!)
 随喜の涙を流しながら、瑞紀は激しく首を振った。だが、その様子を楽しむように、純一郎は天井部分Gスポットへの刺激を加速させた。プシャップシャッと音を立てて秘唇から愛液が飛び散り、シーツに淫らな染みを描いた。

『そうか。慣れない海外で疲れているのかも知れない。無理をするな……』
「……んッ、うん……」
(いやッ! もう、だめッ……! イクッ……!)
『とにかく、くれぐれも一人で動くなよ。また連絡する』
「うん……また……」
 辛うじて告げた瑞紀の言葉を聞くと、龍成が通信を切った。その瞬間、押さえていた快感が怒濤の奔流となって瑞紀に襲いかかった。

「だめッ! イクッぅうッ……!」
 ビックンッビックンッと総身を激しく痙攣させると、瑞紀は大きく仰け反りながら絶頂オーガズムを極めた。プシャアッという音とともに、大量の愛液が潮流となって噴出した。
 ガクガクと裸身を震わせながら官能の愉悦を貪ると、瑞紀は硬直した肢体をグッタリと弛緩させてベッドに沈み込んだ。

「ハッ……ハアッ……ハッ……ハァア……」
 せわしなく炎の吐息を漏らしながら、瑞紀は恨めしそうに純一郎を見つめた。電話越しとは言え、龍成の目の前でイカされたことは、かつてないほどの衝撃かいかんだった。
「よく我慢できたな。どうやら、白銀にはバレなかったようだな」
 ニヤリと笑いながら告げた純一郎に、瑞紀はビクッビクンッと全身を痙攣させながら唇を噛んだ。

「最低……」
 その言葉は、龍成との通話中に自分を弄んだ純一郎に向けたものなのか、それとも龍成の前で快感を貪ってしまった自分自身に対するものなのか、瑞紀自身にも分からなかった。
「悪かった、瑞紀……。ちょっとやり過ぎた。白銀と話すお前に嫉妬したんだ。許せ……」
 瑞紀の言葉を自分に対する非難と受け取った純一郎が、素直に謝ってきた。

(純が嫉妬……? 龍成に……? それは嬉しいけど、やり方ってもんがあるじゃない!)
 瑞紀は何度か深呼吸をして息を整えると、キッと純一郎を睨みながら告げた。
「今度やったら、本気で撃つわよ……。二度とこんなこと、しないで……」
「わ、悪かった……。約束する。だから、機嫌を直してくれ……」
 純一郎が瑞紀の黒髪を優しく撫ぜながら告げた。しばらくの間、純一郎を睨みつけると、瑞紀はハアッと小さくため息をついた。
(純の愛撫に感じてしまった私も同罪だわ。彼のことだけを責められない……)

「<星月夜シュテルネンナハト>が動き出したのなら、彼らと協力した方がいいわ。武器を揃えたとは言え、相手の戦力も分からないのに二人だけで攻め込むのはリスクが大きすぎる。今夜は下見だけにしましょう」
「一刻も早く玲奈を救い出したいって言うのが正直な気持ちだ。だが、お前の言うことが正しいのもよく分かる。分かった……。玲奈のことは大切だが、今はお前の方がもっと大事だ。玲奈を助けるためとは言え、お前を危険に晒したくない。今夜は下見だけにとどめよう……」
 そう告げると、純一郎は瑞紀の裸身を抱き寄せた。

「ありがとう、純……。私もあなたを危険な眼に遭わせたくないわ。玲奈さんの救出は、二、三日待って……」
「ああ……。深夜までにはまだ時間があるな……」
「下見は、夜中の十二時を過ぎてからの方がいいわね……」
 お互いの眼を見つめ合うと、二人は顔を近づけて唇を重ねた。そして、ネットリと舌を絡め合うと、唾液の糸を引きながら唇を離した。

「それまでに……もう一度、愛して……」
 黒曜石の瞳に情欲の炎を燃やしながら、瑞紀が熱い吐息とともに呟いた。一度燃え上がった躰が、今の口づけで抑えきれないほど昂ぶっていた。
「一度と言わず、何度でも抱いてやるよ……」
 純一郎が再び唇を重ねてきた。お互いの愛情を確かめ合うように、二人は濃厚な口づけを交わした。
 地中海に沈む灼熱の太陽が、燃え上がる二人の裸身を赤く照らした。


「あッ、あッ……だめッ! また、イクッ! イクぅううッ!」
 緊縛された裸身を大きく仰け反らせると、玲奈はビックンビックンッと激しく痙攣しながら絶頂オーガズムを極めた。快美の火柱が背筋を灼き焦がし、脳髄までドロドロに熔解させた。焦点を失った瞳から滂沱の涙を流し、ワナワナと震える唇から白濁の涎を垂らしながら玲奈は歓喜の愉悦アクメを貪るように全身を硬直させた。そして、グッタリと弛緩すると、沈むようにレオナルドの胸に倒れ込んだ。

「また、イッたのか? これで何度目だ……?」
 ニヤリと笑いながら告げたレオナルドの言葉に、玲奈はせわしなく熱い吐息を漏らしながら小さく告げた。
「お願い……もう、許して……」
 白い肌は上気して真っ赤に染まり、女性らしい起伏に富んだ肢体はビクンビックンッと痙攣を続けていた。縄で絞り出された乳房の先端では鴇色の乳首が痛いほどそそり勃ち、羞恥の源泉からは止めどなく愛液が溢れて白い内股をビッショリと濡らしていた。

「東洋人の女は肌が敏感できめ細やく、アソコの締まりは最高だと言うが本当だな。俺のモノをネットリと締め上げて来やがる。滅多にいないいい女だ、お前は……」
 満足そうな表情でそう告げると、レオナルドは再び玲奈を下から突き上げ始めた。長大な逸物で粒だった天井部分Gスポットを何度も擦り上げると、腰を入れて最奥まで一気に貫いた。それは、女を狂わせる三浅一深の調律リズムに他ならなかった。

「ひぃいいッ! それ、だめぇえッ! おかしくなるッ……!」
 絶頂したばかりの女体を悪魔の律動で襲われ、玲奈はセミロングの髪を振り乱しながら悶え啼いた。凄まじい愉悦に腰骨が灼き溶け、快美の火柱が背筋を駆け上って脳天を雷撃が襲った。目の前を白い閃光がチカチカと瞬き、脳髄さえもドロドロに灼き溶かされた。

「いやぁあッ! イッちゃうッ! 許してぇえッ! イクぅううッ!」
 大きく裸身を仰け反らせると、玲奈は壮絶な絶頂を極めた。随喜の涙が滂沱となって流れ落ち、濡れた唇からは涎の糸がトロリと垂れ落ちた。限界を超える快絶に頭の中が真っ白に染まって、全身の痙攣が止まらなくなった。

「どうだ? 気持ちよすぎて、何も考えられないだろう?」
 レオナルドの言葉に、玲奈はガクガクと頷きながら告げた。
「もう……らめぇえ……。ゆるひてえぇ……」
 壮絶な快感に、呂律さえ回らなくなっていた。焦点を失った瞳は官能の愉悦に蕩けきり、炎の喘ぎを漏らす唇からは痴呆のように白濁の涎を垂れ流していた。そこには<西新宿の女豹>の姿は見る影もなかった。

(こんなの続けられたら……あたし、壊れる……。気持ちいいのが……止まらない……)
 玲奈の拒絶の意思を嘲笑うかのように、レオナルドが再び悪魔の律動を始めた。同時に縄掛けされた乳房を揉みしだかれ、ツンと突き勃った乳首を捻じり上げられた。剥き出された真珠粒クリトリスを摘ままれ、扱かれながら強く押しつぶされた。三浅一深の動きと一緒に女の急所を責められ、玲奈は涎の糸を振り乱しながら激しく首を振った。ありとあらゆる性感帯を襲う凄絶な快感に、玲奈は狂ったように啼き悶えた。

「すごひぃいいッ……! もう、ひぬぅううッ……! ゆるひてえぇ……! イッグぅううッ……!」
 背筋が折れるほど大きく仰け反ると、玲奈はビッグンッビッグンッと裸身を痙攣させて、極致感オルガスムスを極めた。シャアァアーッという音色を響かせて、秘唇から黄金の潮流が凄まじい勢いで噴出した。ガクッガクッと総身を激しく硬直させると、全身をグッタリと弛緩させて玲奈は失神した。

 それは、超絶な歓悦の奔流に呑み込まれた女体の末路以外の何物でもなかった。サハラの砂漠から吹きすさぶ南風シロッコが、玲奈の意識を跡形もなく燃やし尽くしていった。
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