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序章

4.咲耶の系譜

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 四時間目のソフトボールは、男女混合による二試合が行われた。聖光学院高等学校の校庭は広く、ソフトボール場が同時に二面確保できるのだ。
 咲耶はAチームに配属され、ピッチャーで四番に任命された。それは、先ほどの祝詞のりとの効果に他ならなかった。

『お願いだから、絶対に本気を出さないでよ。打つのも投げるのも走るのも、あたしたちと同じ普通の女子レベルに抑えて……』
(分かっておる。心配するでない)
 笑いながら告げる咲耶の言葉に、咲希は不安しかなかった。昨夜、咲希を襲った男たちを倒した時、咲耶が凄まじい身体能力を見せたことを忘れていなかった。
 一気に二十メートル以上を跳躍し、目にも見えない速度で移動して咲耶は男たちを瞬時に叩きのめしたのだ。その動きはどんなアスリートでも不可能なほど、人間離れしたものだった。


「プレイボールッ!」
 主審をしている男子生徒の合図で、試合が開始された。咲耶はマウンド上でボールを握ると、ゆっくりとモーションに入った。
『待ってッ! 一球目は主審の遥か上に投げてッ! あのバックネットを狙ってッ!』
 不意に嫌な予感がよぎり、咲希が叫んだ。その言葉にムッとしながらも、咲耶は咲希の言葉どおりバックネットに向かってソフトボールを投げた。

 凄まじい風斬り音とともに、ボールが消滅した。
 次の瞬間、轟音とともにバックネットを大きく揺らしながら、ソフトボールが鉄製のネットに突き刺さった。
 敵、味方、審判たちすべてがシンと静まりかえって、バックネットに刺さったボールを見つめていた。ボールは落ちてくる気配もなく、鉄製のネットを押し広げて中央部分までめり込んでいた。

『バカッ……! 手加減してって言ったでしょッ! あんなの受けたら、キャッチャー死んじゃうわよッ!』
(手を抜いたつもりじゃったが、まだ強かったかのう……? 加減が難しいわい……)
 ポリポリと右頬を掻きながら、咲耶が申し訳なさそうに告げた。咲耶は当然のこと、咲希にも分からなかったが、今の球速は時速三百キロを優に超えていたのだった。プロ野球の一流投手の球速が百五十キロ前後なので、その倍以上の速度が出ていたのだ。

『打たれてもいいから、もっと手加減しなさいッ! 今の十分の一くらいでいいわッ!』
(十分の一は大げさではないか? まあ、もう少しゆっくりと投げるとしよう……)
 そう告げると、咲耶が二球目のモーションに入った。今度はかなり力を抑えたと見えて、球速は六十キロくらいだった。

 一番バッターは、水島というサッカー部の男子だった。運動神経には定評があり、女子からも人気がある生徒だ。
 一球目と違い、ちょうど打ち頃のストレートが来たため、水島はフルスイングをしてきた。タイミングもばっちりで、水島自身も長打になることを疑わなかった。

「えッ……?」
 だが、バットは見事に空を切った。バットが当たったと思った瞬間に、ボールが消失したのだ。いや、正確にはボールが直角・・に落ちたのだった。
 フォークボールなどというレベルではなかった。球威を無視するかのように、突然ボールが真下に落ちたのだ。ホームベース上でバウンドをしているボールを、水島は茫然とした表情で見つめた。

『今度は何やったのよッ! あんなの、あり得ないでしょッ!』
(いや……打たれそうじゃったから、をぶつけてボールを落としただけじゃ……)
 悪びれもせずに、咲耶が堂々とのたまった。ハアッと大きくため息を付くと、咲希が呆れたように告げた。
『自然界の物理法則を無視しないでッ! あんな動き、不自然すぎるでしょッ!』
(しかし……)
『しかしもかかしもないッ! 打たれてもいいから、普通に投げなさいッ!』
(分かったから、そう怒鳴るでない。うるさくて敵わぬわ……)

 そう告げると、咲耶は三投目を投げた。今度は時速百キロくらいのストレートだった。
 野球においては、球速百キロというのは素人でも打てる速度だ。バッティングセンターのピッチングマシーンも、百キロに設定されているものも多い。
 だが、ピッチャープレートからホームベースまでの距離が18.44メートルの野球に対して、女子ソフトボールは13.11メートルだ。野球のおよそ七割しかない。同じ球速百キロでも、打席に立つと体感的には百四十キロくらいに感じられるのだった。

 その結果、サッカー部男子の水島、陸上部女子の前田、野球部男子の光枝と、三者連続三振を奪った。ベンチに戻った咲耶を待っていたのは、拍手と賞賛の嵐だった。
(どうじゃ、の才能は……? 何か、言いたいことはあるか?)
 ふんぞり返るようにベンチに座りながら、咲耶が得意げに告げた。
『はい、はい……。さすがですよ、咲耶さま。この調子でがんばってくださいね』
(何か棘のある言い方じゃのう? まあ、よいわ。次は打つ方で活躍してやろうぞ……)

 咲耶のいるAチームの攻撃は、一番、二番とも凡退し、三番がフォアボールで一塁に出塁した。次は四番の咲耶であった。
(来た球を思い切り打ち返せばよいのじゃろう?)
 右のバッターボックスに向かいながら、咲耶が訊ねてきた。その言葉に、咲希が焦ったように告げた。
『思いっきりなんて、絶対にダメよッ! 打つ方もちゃんと手加減してッ!』

(人のいないところへ打てばよいではないか? そうすれば、誰も怪我などせぬ)
『そうだけど……。お願いだから、やり過ぎないでよね』
(分かっておるわ……)
 どこまで分かっているのか、咲希は思い切り眉をひそめた。そして、ハッと名案を思いついて咲耶に告げた。
『そうだ、咲耶……。この試合、誰にも怪我をさせなかったら、ケーキを食べさせてあげる』
(ケーキ……? 何じゃ、それは……?)
 咲希の思惑通り、咲耶が食いついてきた。

『昨日のオムレツよりもずっと甘くて、凄く美味しい食べ物よ。食べてみたくない?』
(な、何とッ……! そんな物があるのか?)
 ゴクリと生唾を飲み込むと、興奮した様子で咲耶が訊ねた。
『一人でも怪我させたら、ケーキはなしよ。分かった?』
(分かったッ! 約束じゃぞッ!)

 上機嫌でバッターボックスに入ると、咲耶は相手の守備位置を確認した。
(ピッチャーの右か左へ打てば、誰にも当たらぬな……)
 外野手三人の間を狙おうと決めると、咲耶は見よう見まねでバットを構えた。相手のピッチャーは、先ほど三振に取ったサッカー部の水島だった。

 一球目は内角高めに大きく外れたボールだった。だが、咲耶は迷わず思い切りバットを振った。それも野球やソフトボールのスイングでなく、<咲耶刀>で上段から相手を斬り裂くような凄まじい太刀筋だった。

 パーンッ……!

 壮絶な破裂音とともに、ソフトボールが爆散した。本来であればバットに弾き返されるボールが、限界を超える衝撃を受けて砕け散ったのだ。
 再び、敵、味方、審判たち全員が、驚愕に眼を見開いて咲耶を見つめた。ホームプレートの上には、ソフトボールの破片がゴムの焼けた異臭を放っていた。

『ち、ちょっとッ……! 何やってるのよッ!』
(何って……。お、思ったよりも、やわかっただけじゃ……)
 さすがにバツが悪そうな顔をしながら、咲耶がソフトボールの破片から視線を逸らした。
『信じられない……! すぐにフォローしてッ! 不良品だったみたいって審判に言うのよッ!』
(わ、分かった……)

「どうやら、不良品だったようじゃ。新しいボールに変えてくれぬか?」
「そ、そうらしいな。破裂するなんて、どこかに傷があったんだろう……」
 顔を引きらせながらそう告げると、審判をしていた男子生徒はホームプレートの上の破片を拾い集め、新しいボールをピッチャーに投げた。

(やはり、加減は必要みたいじゃ……)
『だから、最初からそう言っているでしょッ!』
 大きくため息を付くと、咲希が呆れたように告げた。

 気を取り直して、水島が二球目を投げた。今度は外角高めのストレートだった。運動神経に定評があるだけあり、球速は八十キロ近く出ていた。
 咲耶はバットを上段・・に構えると、力を抑えて軽く・・振り抜いた。

 カキーンッ……!

 綺麗な打撃音とともに、弾丸ライナーの打球が一二塁間を抜けて飛んでいった。
(しまったッ! 少しズレてしもうたッ!)』
『えッ……?』
 咲耶の言葉に驚いて、咲希は打球の行方を見つめた。唸りを上げて凄まじい速度を維持したまま、打球はライトを守る男子生徒に向かっていた。

『咲耶ッ! 何とかしてッ!』
(ダメじゃ、間に合わぬッ!)
 プロでも捕球することが困難なスピードで、打球が一直線に男子生徒に襲いかかった。まともに激突すれば、怪我ではすまない衝撃だった。咲希は男子生徒の惨状を思い描いて、思わず眼を閉じた。

 バシッ……!

 恐る恐る眼を開いた咲希の黒瞳に、男子生徒がグローブを真正面に突き出して捕球している姿が映った。
『よ、よかった……。怪我はしていないみたいね……』
 ホッと胸を撫で下ろした咲希に、咲耶が厳しい口調で訊ねた。
(奴の名は何という……?)
『澤村君よ……。確か名前は彰人あきとだったかな? そう、澤村彰人よ』
 咲耶が真剣な表情を浮かべていることを疑問に思いながら、咲希が答えた。

(澤村彰人……。どんな奴じゃ?)
『部活には入っていないと思うわ。図書委員だったかな? クラスでも大人しくて目立たない男子よ』
(運動は得意なのか?)
『さあ……。あたしもあんまり話したことないから、よく知らないわ。でも、体育祭で目立ったこともないから、それほどでもないと思うけど……』
 咲耶の言いたいことが分からずに、咲希は不安を感じた。

(クラスにいた時には気づかなかったが、の打った球を捕った瞬間にを感じた……)
って……。さっき、咲耶がボールを直角に落とした時みたいなやつ……?』
(そうじゃ……と言いたいが、少し違う。が使ったのは神の……いわゆる、神気しんきじゃ。それに対して、あの澤村という奴から感じたは邪気じゃった……)
『邪気……?』
 言葉の雰囲気からして、よくないもののようだった。

(邪気は主に魔が使うじゃ……)
『魔……? 悪魔みたいなもの?』
(異国ではそうとも呼ばれているようじゃな。たちは妖魔と呼んでおる)
『妖魔って……。マンガやラノベには登場するけど、そんなものが実在するの?』
 咲耶の話をすぐには信じられず、咲希が不安げに訊ねた。

(呼び方など、どうでもよいが……。神が存在するのじゃ。それと相反あいはんする者がいてもおかしくはなかろう?)
『それはそうだけど……。それって、澤村君が妖魔かも知れないってこと?』
(いや、たぶん違うじゃろう。妖魔本体のはもっと禍々まがまがしい。澤村が放ったは、ごく小さなものじゃった。最近、どこかで妖魔の影響を受けたか、身近な者に妖魔がいるか……。いずれにせよ、注意しておく必要があるようじゃ……)
 思いもよらず真剣な口調で話す咲耶を、咲希は驚きとともに見直した。

 もしかして咲耶って、単なるへっぽこ女神じゃないかも知れない……。

 その感想が正しいかどうかは、今の咲希には判断が付かなかった。


 四時間目終業のチャイムが鳴ったのは、四回裏の攻撃が終了したときだった。試合は咲耶の活躍で、二対〇でAチームが勝利した。ヒットで出塁したランナーを一塁に置いた状態で、二打席目の咲耶は見事ホームランを打って試合を決めた。
 九番を打っていた沢田彰人は一度もバットを振らず、三回裏に咲耶が三振に切って取った。

『妖魔のがしたというのは、気のせいじゃなかったの?』
 試合後に教室へ戻る澤田の後ろ姿を見つめながら、咲希が咲耶に訊ねた。
(そんなことはない。確かに奴からは妖魔のを感じた。そのうちに何か仕掛けてくるやも知れぬ。気に留めておいた方がよい)
 黒曜石の瞳に厳しい光を浮かべながら、咲耶が告げた。

『分かった……。あたしでいるときも、注意するようにする。ところで、着替えたら屋上で凪紗とお弁当を食べる約束をしているの……』
(弁当ッ……! 楽しみじゃッ!)
 昨夜のオムライスで味を占めたのか、目を輝かせながら咲耶が告げた。

『だから、昼休みの間、あたしに戻ってくれない? 凪紗だけにはきちんと話をしておきたいの……』
(そんなことしたら、弁当が食べられぬではないかッ!)
 不満そうな声を上げながら、咲耶が文句を言った。
『お弁当よりも、凪紗との友情の方が大事でしょッ! 女神のくせに、そんなに食い意地張らないでよ』
(食い意地など張っておらぬ。ただ、人間がどんな物を食するのか、興味があるだけじゃ)
 建て前と本音を使い分けながら、咲耶がもっともらしい言い訳をした。

『分かったわよ、ケーキにプリンも付けてあげるから、昼休みはあたしに変わって』
(プリン……? 何じゃ、それは……?)
 興味津々といった様子で、咲耶が目を輝かせた。
『ケーキに劣らないスイーツよ。滑らかな舌触りで、プルンとした甘いスイーツ……。食べてみたくない?』
(仕方ないのう……。今日だけは、弁当を譲ってやるとしよう。ケーキとプリン、絶対じゃぞ!)
 思ったよりも咲耶の扱い方が簡単であることに、咲希は気づいてきた。

『うん、約束するわ。それと、昼休みに凪紗に本当のことを話すけど、いいわよね?』
(よいわけなかろうッ! のことは、絶対に告げてはならぬッ!)
 不意に焦ったような口調で、咲耶が叫んだ。その様子を不審に思って、咲希が追求した。
『何でよ? 咲耶のことを話さないで、この状況を凪紗に何て説明するのよ?』
(て、適当に誤魔化しておけばよいではないか? 一つの体に二つの心が住まうことを……何というんじゃったか?)

『二重人格のこと?』
(そう、それじゃッ! その二重人格になったとでも言っておくがよい!)
 咲希の助け船に飛びつくように、咲耶が叫んだ。
『でも、それじゃ咲耶の力の説明ができないじゃない?』
(力の説明など、いらぬッ! それに、魔の者が現れたのじゃから、が女神であることを伝えるのは危険じゃ! 最悪は戦いになった場合に、人質にされる可能性もあるぞ!)
 咲耶が告げた言葉に、咲希が驚愕した。

『妖魔と戦いになるの?』
(古来から、神と妖魔は相容れぬ存在じゃ。人間を守護する神と、人間に災いをもたらす妖魔は、言わば敵同士なのじゃ)
 それが本当であれば、咲耶の言うとおり凪紗を巻き込むことは危険リスクが大きかった。咲耶が女神であることを知っていれば、戦いに利用されたり、人質に取られる可能性が高いからだ。

『分かったわ。咲耶があたしの守護神であることは伏せることにする。でも、名前くらいは言ってもいいでしょ?』
(咲耶とだけ告げておくがいい。木花咲耶このはなさくやの名は言わぬ方がよい。こう見えても、それなりに有名な女神じゃからな……)
 あたしは知らなかったけど……とは言わない方いいと咲希は思った。

『ところで、昨日から一つ疑問に思っていることがあるんだけど……』
(何じゃ……?)
『守護神って、本人の体を乗っ取って好き勝手に動き回っていいの?』
(……ッ! そ、それは……)
 明らかに動揺しながら、咲耶が言葉に詰まった。その様子は、咲希の推論が正しいことを認めたも同然だった。

『やっぱり、本当は禁止されているのね? バレたら不味いんじゃないの?』
(ひ、非常時には、認められておるッ! あ、あの男たちに手籠てごめにされそうだったお前を助けたではないか?)
『うん、昨日はありがとう。でも、は非常時じゃないわよね?』
 ニヤリと笑みを浮かべながら咲希が告げた。ここぞとばかりに、咲耶の弱みを握ろうと思ったのだ。

(よ、妖魔の気配がするではないか?)
『それに気づいたのは、ついさっきでしょ? 昨日からずっと、あたしの体を使っているじゃない?』
(そ、それは……)
『もしかして、神の掟とかに違反してるんじゃないの?』
 咲希の言葉に、咲耶が全身をビクッと震わせた。

『やっぱり、そうなんだ……。』
(わ、がお前の体を借りているのは、お前の危機を助けた礼ではないか?)
『たしか、文句を言ったらずっと体を返さないとか言われた気がするけど……?』
(そ、そんなこと言った覚えが……)
『ないとは言わせないわよ。こんなこと、偉い神様が知ったらどうなるのかな?』
 ニッコリと笑みを浮かべながら、咲希が告げた。

(わ、分かったッ! 頼む、祖母様おばあさまだけには言わないでくれッ!)
『おばあさまって……?』
(怒らせると滅茶苦茶をするお方なのじゃ! 大昔、天岩屋戸あまのいわやどに閉じこもって、世界を暗黒の闇に変えてしまったくらいの恐ろしいお方なんじゃッ!)
「それって……」
 聞き覚えのある神話を思い出し、咲希が恐る恐る訊ねた。

『もしかしたら、天照皇大御神アマテラスおおみかみの天岩屋戸伝説のこと……?』
(そうじゃ……。あのお方に知られたら、どんな眼に遭わされるか……)
 本気で全身を震わせながら、咲耶が泣きそうな声で告げた。
『咲耶って、天照皇大御神の血筋なのッ?』
 日本神話の最高神の血を引く女神だったのかと思い、咲希が驚愕のあまり大きく目を見開いた。

(いや、天照皇大御神の血を引いているのは、の夫じゃ……)
『夫ッ……? 咲耶、結婚していたの?』
 天照皇大御神の血族というよりも、咲耶が結婚していたことの方が咲希には驚きだった。
(結婚くらい当然しておろう。を幾つだと思っておるのじゃ?)
 神話の時代から生きているのであれば、咲耶は二千歳は優に超えているはずだった。確かに本人が言うとおり、結婚していない方がおかしかった。

の夫は天照皇大御神の孫で、瓊瓊杵尊ににぎのみことという豊穣の神じゃ。ついでに言うのであれば、子供も三人おる……)
『子供ッ……?』
(そうじゃ。火照ほでり火須勢理ほすせり火遠理ほおりという。そのうちの火遠理は、お前たちにも浅からぬえにしがあるぞ……)
『縁……?』
 咲耶の言葉に、咲希は首を捻った。火遠理などという神の名は聞いたことがなかった。

(火遠理の孫が、神武じんむじゃ。つまり、神武はの曾孫に当たるのじゃ)
『神武って……まさか、神武天皇……?』
 日本における初代天皇の名が出て来たことに、咲希は驚愕した。まさか、咲耶が神武天皇の曾祖母だとは思いもしなかった。

 このへっぽこ女神が、天照皇大御神の孫嫁で、神武天皇の曾祖母だったなんて……。

 予想もしない展開に、咲希は茫然として言葉を失った。
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