【R18】特殊スキルは聖水でした。

2章

2‐22 戦闘「大蛇」

「【ウインドエッジ】」

　リーズが風の刃でけん制すると、俺が前に出る。

「シルフィ、俺とリーズで奴の注意を引き付けるから上空で隙を見て風魔法で攻撃して。
　出来る？」

「キュー？
　キュー！」

　シルフィは上空へと飛び、上で待機する。

　大蛇は俺を睨みつけると口を開けて襲い掛かってくる。

　大丈夫、狼より速くない。
　
　動きをよく見て、出来るだけ無駄のない動きでよける。

　思い通りに体が動くのは、「剣術」と「強化感覚」のレベルが上がったおかけだろう。

　よけてすぐに大蛇のスピードも利用して体へ刀を入れようとするが、弾き返される。

　刀から手を離さなかった自分を褒めたい。

　そのままでは通らない、俺は刀身を「温度干渉」で熱し始める。

　以前に比べると、大分早くなったと思うがそれでも時間がかかる。

　大蛇は俺の位置を通り過ぎると、そのままリーズへと向かっている。

「【ウインドハンマー】」
　
　リーズはレイピアを下から上に振り上げる。

　するとすごい風が吹き大蛇を上空へと打ち上げる。

「シルフィ、今よ！」

　リーズが叫ぶ。

「シルフィ！」

　伝わってるか心配になり、俺も叫ぶ。

「【キュー！】」

　シルフィが鳴くと大蛇の体にいくつもの切り傷が出来、地面へと叩きつけられる。

　落下地点へと全力疾走し、大蛇の首元に刀を入れる。

　のたうち回る大蛇から距離を取って動きが止まるのを待つ。

ーーーーーーーーー

「よくやった、えらいよシルフィ。」

　褒めながらリーズと一緒にシルフィを撫でる。

　そして浮かんだ疑問をぶつける。

「魔法って呪文みたいなのは必要ないの？」

　リーズもシルフィも発動に時間を有さなかった。

「う～ん、必要ないっちゃないわね。
　魔法もスキルと同じでイメージで発動するのよ。
　もちろん適正はあるけどね。」

　イメージってことは魔法最強ってことじゃ…

「魔力を具体的にイメージしながら操るのはかなり難しいのよ。
　大魔法になればなるほど大量の魔力を変換しないといけないからね。
　呪文って言うのは口に出すことで集中力を高める行為なの。
　だから「正しい呪文」は存在しないけど、「呪文」自体には意味があるわよ。」

　なるほど、ルーティーンの一環と思えばいいのか。
　
　魔法も使ってみたいな、ここにきて楽しみが増えてきた。

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　さて、戦闘を終えて今度はより具体的にイメージしてみる。

「シルフィ、ステータスを教えてくれ。」

　現状を『把握』。

　シルフィ　シーズグリフォン
　2歳　Lv13
　スキル　魔法(風)Lv5
　
　さっきより具体的に見ることが出来た。
　レベルが上がってるってことは、俺の知識だけでなく正しく現状を把握できたって事だろうか。

「キールの「サーチ」より便利ね。
　多分、カズが具体的に何を『把握』したいかイメージすることが出来れば、もっと知れることが増えるはずよ。」

　なにが出来て、なにが出来ないのか。
　ゆっくり確認していこう。