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1章 王都ルーデリー 出会い編

1-11 スキルの修得

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 行為が終わり、服を着て朝食をとる。
 同然だがナツキは少しよそよそしい。

 ミーシャが合流したところで冒険者ギルドの一室へと向かう。

「この部屋は基本的に講習会なんかで使うのですが、空き日には予約して誰でも使用することが出来るんです。」

 ナツキがそう説明してくれる。
 会議なんかにも使われるらしく、防音処理が施されてるとの事だ。

 魔物狩りに行く前に基本の説明と、スキルの修得を済ませたほうがいいとの事でここを使用することになった。

 彼女たちの説明をまとめると


〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

 遠い昔、「迷い人」の一人がかつて存在した恐怖の象徴「魔王」を討伐した。
 しかし、魔王は強大な魔力をもってして、自分の死を引き金に発動する大魔法を発動する。
 その大魔法は、魔力濃度の高いいくつかの場所(正確な数は不明らしい)に強い影響を与え「土地」そのものが魔物化してしまう。
 その魔境の事をいつしか「ダンジョン」と呼ぶようになったとか。

 魔物の動きが活発になるにつれて、人類(亜人含む)は次第に押され始める。
 しかし、これまた「迷い人」の登場で状況は一変する。
 「迷い人」はこの世界の人々が認知していなかった、「レベル」と「スキル」の概念を広め、対抗手段を得た人類は魔物を退治しながら生活する今へと至る。

 「スキル」に関してはまだわかっていないことが多いが、自ら何かを「経験」することで修得するのが一般的。
 (例・剣術の修業を積み「剣術」スキルを得る)
 しかし、百年ほど前に分かった新しい方法では、「レベル」が上がった時に蓄積される「経験」を使い、適正にあったスキルを思い浮かべることによって、「スキル」を習得できるという方法。
 当然自分の想像の範囲内の物しか修得できない為、本人にとって未知の「スキル」は習得できない。

 「スキル」は「個性」で自分の「特別」の一つなので、共有が進まず、判明してないスキルも多いのだとか。

 そして「特殊スキル」
 分類として分けられているが、聖女の使う「聖水」のように、自力で修得できるものもある。
 しかし、そのほとんどが修得方法どころか能力すら分からない(特殊スキル持ちが話さない為)。

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

「つまり、自分の想像することが出来るモノなら、「スキル」として修得できる可能性が有るって事だね?」

 説明を聞き、思ったことを口にすると、二人は頷いた。

 スキルか、どんなものがいいだろうか?
 ナツキに聞いた話では、聖女は自分が作った「聖水」効果を得られないらしい。
 それを自分に置き換えると、自分で尿を飲んでも回復効果は得られないという事だ。
 魔物と対峙することを考えた時、出来るだけ大けがは避けたい、鉄壁の防御みたいなものが欲しい。
 そう思ってスキルを考える。
 すると頭に文字が浮かんでくる。

 「鉄壁」

 ほぼそのままだ。
 その言葉を強く念じると、文字が光って消える。
 今ので修得できたのだろうか。
 そう思い、ステータスを確認する。

 スキル
 鉄壁Lv1
 耐久が少し上昇

 想像していたより、しょぼい能力だった。

ーーーーーーーーーー

「最初はそんなものです。
 スキルは、レベルアップの経験でも上げられますが、使用することでも上げることが出来ます。
 「鉄壁」は恐らく「常時発動型」なので、戦闘をこなせば自然と上がると思います。」

 「鉄壁」の話をするとナツキが説明してくれる。

「それにしても、耐久を上げるスキルで一般的なのは「防御上昇」と言うのですが。
 やはり誰かに教わるより、カズ殿の想像力で考えたほうが、良いかもしれません。」

 なるほど、さっき説明していた「想像できる範囲内」とはそういう事か。
 逆にみんなで共有することで新しい発想が出なくなるという事だ。

「これ以上何かを説明するより、実際に経験経験したほうが良いと思います。」

 そういってナツキは剣を差し出す。
 そうだ、自分の手で魔物を狩る必要がある。
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