上 下
16 / 35
本編

16.

しおりを挟む
夢中で授業を聞いていたらあっという間に1日が過ぎた。

クラスのみんなもとっても優しいし、特にエディーは親切だった。

「エディー、今日1日ありがとう。」

「あぁ、気にするな。…もうこの国には来ないのか?」

「ふふ、いつかまた会えるよ。」

エディーが騎士になったらお城で会えるよね。

「そうか。じゃあその時はお前の話もっと聞かせろよ。」

「うんっ!」

1日だけだったけど、同級生と気軽に話すことが出来たのだ。それだけで幸せ。

「またな、モモ。」

ふわっと抱きしめらたので、背中に手を回しその言葉に応える。

「またね、エディー」





sideエディー

「はぁ…」

去っていく後ろ姿を見て 思わず溜息を漏らす。

一生懸命に授業を聞く姿が健気で何度も抱きしめたくなった。…まぁ最後にやってしまったが。甘い匂いがしたな……。

次会う時は騎士という夢を叶えていたい。

「よしっ、帰るか」

早く帰って鍛錬をしなければ。そう思い教室を出ようとすると…

「えっ、あれって王太子殿下じゃない!?」

「ホントだ!なんで?!」

教室が急にざわざわし出した。気になり窓の外を見る。

「……はっ?」

目に入ってきたのは、王太子殿下にモモが抱きついているという光景だ。

どういうことだ…王太子殿下は神子様と恋仲だと聞いているが、まさか……

「っ、モモが…神子様……」

みんなもそれに気づき放心状態だ。髪と目の色は魔導具で変えているのだろう。

その後どうやって家に帰ったのか分からなかったが間違いなく言えるのは俺の初恋が一瞬で終わったということだろうか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

執着系義兄の溺愛セックスで魔力を補給される話

Laxia
BL
元々魔力が少ない体質の弟──ルークは、誰かに魔力を補給してもらわなければ生きていけなかった。だから今日も、他の男と魔力供給という名の気持ちいいセックスをしていたその時──。 「何をしてる?お前は俺のものだ」 2023.11.20. 内容が一部抜けており、11.09更新分の文章を修正しました。

悪役令嬢の双子の兄

みるきぃ
BL
『魅惑のプリンセス』というタイトルの乙女ゲームに転生した俺。転生したのはいいけど、悪役令嬢の双子の兄だった。

Ωだったけどイケメンに愛されて幸せです

空兎
BL
男女以外にα、β、Ωの3つの性がある世界で俺はオメガだった。え、マジで?まあなってしまったものは仕方ないし全力でこの性を楽しむぞ!という感じのポジティブビッチのお話。異世界トリップもします。 ※オメガバースの設定をお借りしてます。

嫌われ者の僕

みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。 ※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る

黒木  鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

処理中です...