13 / 35
本編
13.
しおりを挟む
執務室で仕事をしていると、メリッサが慌てた様子で俺を訪ねてきた。
「殿下っ!モモ様がいないんです!」
…モモがいない?その言葉に一瞬頭が真っ白になる。
だめだ、まずはモモを探すのが先だ、冷静になれ。
「城にいる騎士全員にモモの捜索を命ずる!モモは必ず王城内にいるはずだ。」
なぜかモモが王城内にいるという確証がある。これも運命だからなのだろう。
ひとまず俺もモモを探しに行こう。
しらみ潰しに探しても時間がかかるだけだ。考えろ、モモはどこにいる?
モモはドアからは出ていない。護衛の騎士が姿を見ていないからだ。だとしたら窓だが、万が一のことがないように窓からはモモは出られないようになっている。
部屋の中で消えた、としか考えられない。となると……
「神か……」
神がモモをどこかに連れて行ったのか。ならばもう場所はひとつしかないだろう。
俺は急いで神殿に向かった。
「いたっ、モモ!!」
神殿のドアを開くとモモが中央で涙を流し、驚いた様子でこちらを見ていた。
その姿が儚くて今にも消えていまいそうだ。
慌ててモモのそばに行き、抱きしめる。
「……るー」
「よしよし、迎えにきたよ。帰ろう?」
「うん…神様、ばいばい。」
「神様がいるの?」
「ううん、声だけ聞こえる、よ?」
モモだけに聞こえているということか。
とりあえずモモを部屋に連れていこう。じっくり話を聞くのが最優先だな、
神の像に一礼して神殿を後にした。
部屋に戻り、モモをベットに寝かせようとしたが、モモがいやいやと首を振るので抱っこしたままベットに腰掛けた。
「あのね、ルー、僕、知らなくて…ルーが運命の人だって。さっき神様に聞いたの。」
モモはきっと気づいてないだろうとは思っていたがやはりそうだったか。
「そっか…モモはそれを聞いてどう思ったの?いやだった?」
こんな質問をしているが、嫌だったと言われても離してあげるつもりはさらさらない。
「ううん、嬉しいの。うれしくてうれしくてずっと頭がふわふわしてる」
「モモ…それって…」
俺の事が好きだと言っているようなものだ。それも恋愛的に。
「でも、考えちゃう。ルーは僕が神子だから優しくしてくれるんじゃないかって…」
「モモ。」
うるうるしている大きな目がこちらを見る。
「俺は……モモが好きだよ。モモに恋をしている。神子だからでも運命だからでもない。毎日一生懸命生きているモモが愛おしくてたまらないんだ。」
モモに間違いなく伝わるように、素直な言葉を囁いた。
「…ルー、ぼくっ、も、好き、大好きなのっ…」
「あぁ、モモ。その言葉をずっと待っていたよ。」
強く抱きしめると、首に回された腕が強くなる。
腕の中の小さな子が愛おしすぎてどうにかなりそうだ。
「俺の恋人になってくれる?」
「恋人……なるっ、なりたい!」
まぁ今は恋人で我慢しよう。
抱きしめている腕をほどきモモの顔を見ると、幸せそうに笑っている。
あー、なんでこんなに可愛いのだろう。
そっとその唇にキスを落とす。
「……ちゅー?」
「ふふ、そうだよ。可愛いね、びっくりした?」
「うん、ぼく初めてっ。もう1回して?」
「もちろん。何回でもしてあげる。」
モモの唇は極上だ。本当はこの唇をこじ開けてモモの蕩ける顔が見たいがそれはまたのお楽しみにしとくとしよう。
「殿下っ!モモ様がいないんです!」
…モモがいない?その言葉に一瞬頭が真っ白になる。
だめだ、まずはモモを探すのが先だ、冷静になれ。
「城にいる騎士全員にモモの捜索を命ずる!モモは必ず王城内にいるはずだ。」
なぜかモモが王城内にいるという確証がある。これも運命だからなのだろう。
ひとまず俺もモモを探しに行こう。
しらみ潰しに探しても時間がかかるだけだ。考えろ、モモはどこにいる?
モモはドアからは出ていない。護衛の騎士が姿を見ていないからだ。だとしたら窓だが、万が一のことがないように窓からはモモは出られないようになっている。
部屋の中で消えた、としか考えられない。となると……
「神か……」
神がモモをどこかに連れて行ったのか。ならばもう場所はひとつしかないだろう。
俺は急いで神殿に向かった。
「いたっ、モモ!!」
神殿のドアを開くとモモが中央で涙を流し、驚いた様子でこちらを見ていた。
その姿が儚くて今にも消えていまいそうだ。
慌ててモモのそばに行き、抱きしめる。
「……るー」
「よしよし、迎えにきたよ。帰ろう?」
「うん…神様、ばいばい。」
「神様がいるの?」
「ううん、声だけ聞こえる、よ?」
モモだけに聞こえているということか。
とりあえずモモを部屋に連れていこう。じっくり話を聞くのが最優先だな、
神の像に一礼して神殿を後にした。
部屋に戻り、モモをベットに寝かせようとしたが、モモがいやいやと首を振るので抱っこしたままベットに腰掛けた。
「あのね、ルー、僕、知らなくて…ルーが運命の人だって。さっき神様に聞いたの。」
モモはきっと気づいてないだろうとは思っていたがやはりそうだったか。
「そっか…モモはそれを聞いてどう思ったの?いやだった?」
こんな質問をしているが、嫌だったと言われても離してあげるつもりはさらさらない。
「ううん、嬉しいの。うれしくてうれしくてずっと頭がふわふわしてる」
「モモ…それって…」
俺の事が好きだと言っているようなものだ。それも恋愛的に。
「でも、考えちゃう。ルーは僕が神子だから優しくしてくれるんじゃないかって…」
「モモ。」
うるうるしている大きな目がこちらを見る。
「俺は……モモが好きだよ。モモに恋をしている。神子だからでも運命だからでもない。毎日一生懸命生きているモモが愛おしくてたまらないんだ。」
モモに間違いなく伝わるように、素直な言葉を囁いた。
「…ルー、ぼくっ、も、好き、大好きなのっ…」
「あぁ、モモ。その言葉をずっと待っていたよ。」
強く抱きしめると、首に回された腕が強くなる。
腕の中の小さな子が愛おしすぎてどうにかなりそうだ。
「俺の恋人になってくれる?」
「恋人……なるっ、なりたい!」
まぁ今は恋人で我慢しよう。
抱きしめている腕をほどきモモの顔を見ると、幸せそうに笑っている。
あー、なんでこんなに可愛いのだろう。
そっとその唇にキスを落とす。
「……ちゅー?」
「ふふ、そうだよ。可愛いね、びっくりした?」
「うん、ぼく初めてっ。もう1回して?」
「もちろん。何回でもしてあげる。」
モモの唇は極上だ。本当はこの唇をこじ開けてモモの蕩ける顔が見たいがそれはまたのお楽しみにしとくとしよう。
31
お気に入りに追加
4,362
あなたにおすすめの小説
執着系義兄の溺愛セックスで魔力を補給される話
Laxia
BL
元々魔力が少ない体質の弟──ルークは、誰かに魔力を補給してもらわなければ生きていけなかった。だから今日も、他の男と魔力供給という名の気持ちいいセックスをしていたその時──。
「何をしてる?お前は俺のものだ」
2023.11.20. 内容が一部抜けており、11.09更新分の文章を修正しました。
Ωだったけどイケメンに愛されて幸せです
空兎
BL
男女以外にα、β、Ωの3つの性がある世界で俺はオメガだった。え、マジで?まあなってしまったものは仕方ないし全力でこの性を楽しむぞ!という感じのポジティブビッチのお話。異世界トリップもします。
※オメガバースの設定をお借りしてます。
嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。
麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る
黒木 鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる