異世界で愛され幸せに生きる話

本編

4.

腕の中ですやすや眠るモモを見て笑みが零れる。


愛おしい。初めてで会った時からそんな感情が俺の中を埋めつくしている。きっとモモは俺の運命なのだろう。だから神はモモを俺に託した。


しかし先ほどの話を思い出すと、胸が締め付けられる。こんな小さな体にどれほどの苦しみを抱えていたのか。

食べることが苦手、体が弱い、か。
この病的な細さはこの2つが原因だな。


自分の事を直接教えてくれたと言うことは少しは信用を置いてもらえていると思って良いのだろうか。


それと、体もそうだが俺が1番心配なのは精神面だ。神に言われてはいたが思った以上にモモは不安定だと今日1日だけでも何度か感じた。


それも含めて他のものに最善の注意を払うよう伝えておこう。













それにしても歴代の神子はみなこのように可愛いのか。そうだったとしても間違いなくモモが1番可愛いのだろうけど。


触れれば折れてしまいそうなほど細く華奢な体。


全て計算され尽くして作られた人形のような顔立ち。
中でもこぼれそうに大きなくりくりの目は、見つめられると吸い込まれそうだ。


モモの全てに庇護欲をそそられ、護ってあげたくなる。


この部屋にとじこめて、俺だけにしか会えないようにしたい……。柄にもなくそんなことを考えてしまう。


早く俺の手に落ちておいで。
そう思いながらモモの額にキスを落とした。