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胸きゅん*ちょっと大人な物語
クノイチ
しおりを挟むシャワーを浴びて
ベッドルームへ向かう。
彼の後ろ姿が見えた瞬間
心臓は跳ねて
一歩一歩近づく度に
その速度は増していった。
きしっ、と
床板が音を立てて
彼は私がシャワールームから
出たことを知って噴き出して笑う。
「全然気づかなかったよ、君は忍者かい」
「クノイチって言ってよ…」
「クノイチになる為には女にならなきゃね」
「私が女じゃないとでも言いたいの?」
余裕たっぷりの彼の態度に
少なからず苛立って
言葉を投げ捨てる。
すると彼は、拗ねた私の腰を
ぎゅっと抱き寄せて
気がつくと私は
彼の膝の上に
座らせられていた。
「お、重くない…?」
「全然」
彼は笑いながら
優しい口づけを落とす。
それだけで
私の心臓は破裂しそうなのに
彼は唇で遊ぶように甘く食んだり
舌まで滑り込ませてくる始末だ
付き合った当初から私は
彼にしてやられっぱなし。
きっと人生が終わるまで
この関係が逆転する事はないだろう。
息を継ぐために
開かれた唇から
彼の含み笑った様な
声が聴こえる。
「さあ」
「…ん?」
「今夜も君のこと、女にさせてあげるよ」
彼の落ち着いた掠れ声が
脳天に雷を落とす。
私は彼に会う度
女にされ続けているけれど
一体いつ
クノイチになれるのだろう。
そんなことをふと思いながら
私は激しい安らぎの中へ
身を投じていった。
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