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第4章起業しましょう。そうしましょう
207・つきまとっていた理由
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「ガガガ、我々、戦闘続行します」
そう言って巨大化した黒い虫が言う。
「ななななな、何ですかこれ!?」
「来るわよ!」
そう言うと虫が突進してきた。
「くっ、《バリア》」
とっさに結界魔法を作り、虫の攻撃を防ぐ。
「えい!」
エドナが持っていた短剣で斬りかかるが、傷1つ付かなかった。
「魔法を…」
「おい、ダメだ。
そいつには魔法も物理攻撃も何一つ効かない!」
そうオスカーが言った。
これには覚えがある。
アトランティスの遺跡で出会ったあのガーディアン。
あれと似たタイプか。
「それなら…《強奪!》」
私は虫の体内にあるであろうコアを手元に引き寄せる。
「えい!」
そしてコアを地面に叩きつける。
「ガガ…起動……停止……いたします」
そう言って虫は動かなくなった。
「これは一体…」
「こいつらはアトランティスの遺跡に住む虫だ。
よく人に引っ付いて外に出て暴れるんだ」
「あ、そういえば二日前、アトランティスの遺跡に入りましたが、
その時についてきたんでしょうか」
そうマーシャさんが言った。
「ああ、俺の村はこいつに滅ぼされたから、
アンタの首元にこいつを見つけた時、驚いた。
すぐに危険だと知らせたかったが、
何故か邪魔が入って…」
「へ? もしかしてあなたはマーシャさんを助けようとしたんですか?」
「そうだ」
「そうですか、私はてっきりマーシャさんに一方的に好意を抱いて、
ストーカーしているものだと思いました」
「セツナ、失礼よ。
確かに外見は人を殺していそうな悪人面だけど、
助けようとしてくれたんでしょう」
「あ、悪人面…」
何故かオスカーがぷるぷる震えだした。
「エドナさん失礼ですよ。
確かに女性を弄んでは捨てている人でも、
助けようとしてくれたことには変わりありません」
「も、弄んで捨てる…俺がか?」
「え、だって孕ませた女性は数多く居るんでしょう?」
「セツナ、お前やばいぞ」
ガイがそう言った時、オスカーが吠えた。
「うぉぉおおおーー!!
何でだ。何でいつもこうなるんだ!
世の中には顔だけで女の子にモテまくる奴もいるのに、
何で俺だけ女の子から誤解されるんだー!!
理不尽過ぎるだろうーー!!!」
そう滝のような涙を流して、オスカーは地面を叩いた。
「え、えっとどうしたんですか?」
「うぅ…いつもそうだ。俺は何もしてないのに、
顔だけでみんなに怖がられて、避けられるんだ…!!
何でいつもこうなるんだよぉ…!」
想像してみてほしい。
190センチ超えた悪人面の男が号泣している様を。
私もエドナもマーシャさんも、こっそり見てたガイもクライド君も、
みんなドン引きだった。
「えーと落ち着いてください。
何で泣いているんですか?」
「俺はいつもそうなんだ。顔のせいで誤解されて…、
こないだなんて、
女性が落としたハンカチを拾って渡そうとしたら悲鳴を上げられて、
たまたま近くにいた警察に事情聴取されるし、
しかもその話がいつの間にか、
俺が女性を殴って刑務所に入ったこととして伝わるし、最悪だ!」
「えっとじゃあ盗賊50人を半殺しにしたっていうのは…」
「俺は半殺しなんてしてない!
馬車の護衛をする時襲ってきた盗賊いたが、
5人しか居なかったし俺を見るとみんな逃げていった。
その話がいつの間にか誇張されて伝わっただけだ!」
あー、その盗賊の気持ち分かる気がする。
馬車を襲撃しようと思ったら、
こんな悪人面のがたいのいい男が現れたら、そりゃ逃げるだろう。
「えっとじゃあ町を歩いていた男性に殴りかかったというのは?」
「喧嘩の仲裁をしていたら、
何故か俺がいきなり殴ったことにされたんだ」
「じゃあ女好きで孕ました女性が数多くいるというのは…?」
「俺の顔を見れば娼婦ですら逃げるのに、
どうやって女遊びが出来るっていうんだ!
というか女なんて今まで一度も抱いたことないぞ!」
「ええー、つまり全部顔が怖いが故に起きた誤解だったってことですか?」
「そうだ…誤解を訂正しようにも、
誤解を訂正したことでまた誤解されることになって、もう散々だ…」
「そうだったんですか、
それならそうと最初から言ってください。
私、完全にあなたのことヤバイ奴だと思ったじゃないですか」
「いつもそうなんだ。
見かけが怖いせいで誤解されて避けられて…。
おかげで恋人が1人も出来ないんだ」
「そうだったんですか怖がってすみません」
そうマーシャさんが言った。
「いやいいんだ。アンタが無事で良かった」
「あの良かったら今度お茶でもしませんか?」
「え?」
マーシャさんの言葉に私とオスカーは目を見開く。
「あなたには誤解したしたせいで、迷惑をかけました。
そのお詫びがしたいんです」
「え…でもいいのか俺顔がこんなだし…」
「良かったら交際を前提で付き合いませんか」
「うえ!?」
マーシャさんの言葉に私は変な声が出た。
え、マーシャさんとオスカーが付き合うって完全に美女と野獣じゃないか。
「あ、あんたいいのか?」
「ええ、私では嫌ですか?」
「そんなことない!
あ、ありがとう神様!
俺、人生で初めて彼女が出来たよ!!」
そうまた滝のような涙を流しながらオスカーは言った。
うわぁ予想もしない組み合わせのカップルが誕生したよ。
まぁオスカーは見た目が怖いだけで、
実は良い人みたいだから、まぁ本人達が幸せそうならまぁいいか。
そう思った私だった。
そう言って巨大化した黒い虫が言う。
「ななななな、何ですかこれ!?」
「来るわよ!」
そう言うと虫が突進してきた。
「くっ、《バリア》」
とっさに結界魔法を作り、虫の攻撃を防ぐ。
「えい!」
エドナが持っていた短剣で斬りかかるが、傷1つ付かなかった。
「魔法を…」
「おい、ダメだ。
そいつには魔法も物理攻撃も何一つ効かない!」
そうオスカーが言った。
これには覚えがある。
アトランティスの遺跡で出会ったあのガーディアン。
あれと似たタイプか。
「それなら…《強奪!》」
私は虫の体内にあるであろうコアを手元に引き寄せる。
「えい!」
そしてコアを地面に叩きつける。
「ガガ…起動……停止……いたします」
そう言って虫は動かなくなった。
「これは一体…」
「こいつらはアトランティスの遺跡に住む虫だ。
よく人に引っ付いて外に出て暴れるんだ」
「あ、そういえば二日前、アトランティスの遺跡に入りましたが、
その時についてきたんでしょうか」
そうマーシャさんが言った。
「ああ、俺の村はこいつに滅ぼされたから、
アンタの首元にこいつを見つけた時、驚いた。
すぐに危険だと知らせたかったが、
何故か邪魔が入って…」
「へ? もしかしてあなたはマーシャさんを助けようとしたんですか?」
「そうだ」
「そうですか、私はてっきりマーシャさんに一方的に好意を抱いて、
ストーカーしているものだと思いました」
「セツナ、失礼よ。
確かに外見は人を殺していそうな悪人面だけど、
助けようとしてくれたんでしょう」
「あ、悪人面…」
何故かオスカーがぷるぷる震えだした。
「エドナさん失礼ですよ。
確かに女性を弄んでは捨てている人でも、
助けようとしてくれたことには変わりありません」
「も、弄んで捨てる…俺がか?」
「え、だって孕ませた女性は数多く居るんでしょう?」
「セツナ、お前やばいぞ」
ガイがそう言った時、オスカーが吠えた。
「うぉぉおおおーー!!
何でだ。何でいつもこうなるんだ!
世の中には顔だけで女の子にモテまくる奴もいるのに、
何で俺だけ女の子から誤解されるんだー!!
理不尽過ぎるだろうーー!!!」
そう滝のような涙を流して、オスカーは地面を叩いた。
「え、えっとどうしたんですか?」
「うぅ…いつもそうだ。俺は何もしてないのに、
顔だけでみんなに怖がられて、避けられるんだ…!!
何でいつもこうなるんだよぉ…!」
想像してみてほしい。
190センチ超えた悪人面の男が号泣している様を。
私もエドナもマーシャさんも、こっそり見てたガイもクライド君も、
みんなドン引きだった。
「えーと落ち着いてください。
何で泣いているんですか?」
「俺はいつもそうなんだ。顔のせいで誤解されて…、
こないだなんて、
女性が落としたハンカチを拾って渡そうとしたら悲鳴を上げられて、
たまたま近くにいた警察に事情聴取されるし、
しかもその話がいつの間にか、
俺が女性を殴って刑務所に入ったこととして伝わるし、最悪だ!」
「えっとじゃあ盗賊50人を半殺しにしたっていうのは…」
「俺は半殺しなんてしてない!
馬車の護衛をする時襲ってきた盗賊いたが、
5人しか居なかったし俺を見るとみんな逃げていった。
その話がいつの間にか誇張されて伝わっただけだ!」
あー、その盗賊の気持ち分かる気がする。
馬車を襲撃しようと思ったら、
こんな悪人面のがたいのいい男が現れたら、そりゃ逃げるだろう。
「えっとじゃあ町を歩いていた男性に殴りかかったというのは?」
「喧嘩の仲裁をしていたら、
何故か俺がいきなり殴ったことにされたんだ」
「じゃあ女好きで孕ました女性が数多くいるというのは…?」
「俺の顔を見れば娼婦ですら逃げるのに、
どうやって女遊びが出来るっていうんだ!
というか女なんて今まで一度も抱いたことないぞ!」
「ええー、つまり全部顔が怖いが故に起きた誤解だったってことですか?」
「そうだ…誤解を訂正しようにも、
誤解を訂正したことでまた誤解されることになって、もう散々だ…」
「そうだったんですか、
それならそうと最初から言ってください。
私、完全にあなたのことヤバイ奴だと思ったじゃないですか」
「いつもそうなんだ。
見かけが怖いせいで誤解されて避けられて…。
おかげで恋人が1人も出来ないんだ」
「そうだったんですか怖がってすみません」
そうマーシャさんが言った。
「いやいいんだ。アンタが無事で良かった」
「あの良かったら今度お茶でもしませんか?」
「え?」
マーシャさんの言葉に私とオスカーは目を見開く。
「あなたには誤解したしたせいで、迷惑をかけました。
そのお詫びがしたいんです」
「え…でもいいのか俺顔がこんなだし…」
「良かったら交際を前提で付き合いませんか」
「うえ!?」
マーシャさんの言葉に私は変な声が出た。
え、マーシャさんとオスカーが付き合うって完全に美女と野獣じゃないか。
「あ、あんたいいのか?」
「ええ、私では嫌ですか?」
「そんなことない!
あ、ありがとう神様!
俺、人生で初めて彼女が出来たよ!!」
そうまた滝のような涙を流しながらオスカーは言った。
うわぁ予想もしない組み合わせのカップルが誕生したよ。
まぁオスカーは見た目が怖いだけで、
実は良い人みたいだから、まぁ本人達が幸せそうならまぁいいか。
そう思った私だった。
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