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第3章謎の少女とダンジョン革命
183・一年を振り返って
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「はぁお腹すきました」
伯爵夫人に本を渡した後、
私は家に戻り、部屋で本を読んでいたが、
あまりに腹が減ったのでキッチンで水を飲むことにした。
するとみんなが集まっていた。
「あれ集まっていますね」
「まぁ話した方が気が紛れると思ってね」
「そういえば今何時ですか」
「ちょうど夜の11時ですね。
12時になったら物が食べられますよ」
今日は鎮魂祭なので物は年が明けるまで食べられない。
あと一時間の我慢だ。
「はぁお腹すいたのだ」
「せっかく集まったんですし、
この一年を振り返ってみてはどうでしょう」
「あ、それいいね。じゃあ一年を振り返りましょう」
そうして私達は一年を振り返ることにした。
「ちょうど4月ぐらいに私は生き返ったんですよね。
それで馬車に乗った時にエドナさんと出会ったんですよね」
「最初出会った時は、
ここまで長い付き合いになるとは思わなかったわ」
「そうですよね。
その後別れたらアアルの宿で再会したんですよね。
あれには驚きました」
「確かに凄い偶然だとは思ったわね」
「仲間になってって言った時に、
断られた時は本当にショックでしたけどね」
「あの時の私は人間不信だったからね。
まぁセツナと居たらそれも治ったけど」
しかしエドナは最初に比べると、
大分雰囲気が柔らかくなったと思う。
よく笑うようにもなったし、本当に変わったな。
「それでハンクのお母さんを助けるだめに、
アリアドネの森に行ったらガイと出会ったんですよね」
「ああ、あの時は覚えてるよ。
懐かしいな」
「最初は断ろうと思っていたら、
何だかんだあって仲間になったんですよね。
ああ、懐かしいです」
ガイと最初に出会った時は、
何か変なのが仲間になったと思ったが、
今では仲間になってくれて良かったと思っている。
「そしてアアルに、
魔族が攻めてきて魔族から町を守ったんですよね」
「ええ、かなり苦戦したけど無事に倒せて良かったわ」
あの魔族はかなり強かったが、
出来ればもう戦いたくないものだ。
「そして視察団から逃げるためにオデットに行ったら、
色々陰謀に巻き込まれてフォルトゥーナと出会ったんですよね」
「あの時は自由になる日が来るとは想像もしていませんでしたね。
セツナには感謝してますよ」
そうフォルトゥーナが目を細めて言った。
「そしてでトッドに目を付けられて、
何だかんだあって彼が傘下に入ったんですよね」
「あの変わりようには私も驚いたわ」
あの日からトッドは、
人格が変わったんじゃないかってぐらい性格が変わった。
何て言うか今では、
好青年という言葉がぴったりなぐらい真人間になった。
あれには周囲の人も驚いた。
「そしてイオに出会って村に行ったんですよね。
そしたらフォルトゥーナの首が切られて…。
あれは正直トラウマです」
最初見た時はダメだと思ったが、
神は不死らしいので生きていて良かった。
「ああ、あの後村人から、
首を切られた時の記憶を全部を消しましたが、
あれには骨が折れました」
「そしてサイクロプスと戦ったり、
アトランティスのロボットと戦ったりしたんですよね」
「ああ、あれは正直どうなることかと思ったわよ」
「そしてクライド君と出会ったんですよね」
「そういえば咎の輪廻教はあの後壊滅したらしいけど、
その後どうなっているんだ?」
「うーんとその後一切活動してないみたいです。
だからそのうち自然消滅するんじゃないでしょうか」
「そうか…」
咎の輪廻教は滅んで欲しい。
もうクライド君みたいに不幸になる人が減ってほしい。
「ところでダンジョンについてなんだけど、
あの経済効果はやばかったわね」
「ああ、確かにダンジョンが出来たおかげで、
多くの冒険者が訪れるようになりましたからね」
「そういえばダンジョンの最下層のヌシを倒せたのは、
私達だけみたいよ。
他の冒険者はみんなヌシが強いから、
無理して挑むより、無視することに決めたみたい」
「ああ、確かに負けたら全部パーですからね」
ダンジョンがアアルに与えた影響力はすさまじいものだった。
まず冒険者がアアルに殺到したおかげで、
宿は連日満席。ダンジョンでは死ぬこともないので、
普通の依頼よりも安心して挑めると評判になった。
ダンジョンで拾ったアイテムも高値で売れるため、
市場が賑わっているのは確かだ。
「その後パン屋を救ったり、
マーシャさんを助けたり、
エドナの誕生日を祝ったり色々ありましたね」
「それから訪れたコレーの町で、
また事件に巻き込まれたのだ」
「ああ、あの施設は酷かったですね」
「本当に酷いとしか言い様のない場所だったわね」
「それから色違いの魔物を討伐しましたけど、
人間と同じ程の知能はあっても、
何でわかり合えないんでしょうか」
「まぁ魔物が人間を襲うのはもう本能だから仕方ないわよ」
「そうですね。しかし色々あった一年でした」
「そうなのだ。セツナの体験は小説にしたら面白そうなのだ」
「事実は小説よりも奇なりですか。
確かにそうですね」
その時パンパンと花火が鳴る音がした。
「花火が鳴ったということは…」
「年が明けたのね」
「明けましておめでとうございます」
「うん、明けましておめでとう」
色々あった一年だったけど、
これからもみんなと過ごせたらいいな。
というわけで、今年もよろしくお願いします。
伯爵夫人に本を渡した後、
私は家に戻り、部屋で本を読んでいたが、
あまりに腹が減ったのでキッチンで水を飲むことにした。
するとみんなが集まっていた。
「あれ集まっていますね」
「まぁ話した方が気が紛れると思ってね」
「そういえば今何時ですか」
「ちょうど夜の11時ですね。
12時になったら物が食べられますよ」
今日は鎮魂祭なので物は年が明けるまで食べられない。
あと一時間の我慢だ。
「はぁお腹すいたのだ」
「せっかく集まったんですし、
この一年を振り返ってみてはどうでしょう」
「あ、それいいね。じゃあ一年を振り返りましょう」
そうして私達は一年を振り返ることにした。
「ちょうど4月ぐらいに私は生き返ったんですよね。
それで馬車に乗った時にエドナさんと出会ったんですよね」
「最初出会った時は、
ここまで長い付き合いになるとは思わなかったわ」
「そうですよね。
その後別れたらアアルの宿で再会したんですよね。
あれには驚きました」
「確かに凄い偶然だとは思ったわね」
「仲間になってって言った時に、
断られた時は本当にショックでしたけどね」
「あの時の私は人間不信だったからね。
まぁセツナと居たらそれも治ったけど」
しかしエドナは最初に比べると、
大分雰囲気が柔らかくなったと思う。
よく笑うようにもなったし、本当に変わったな。
「それでハンクのお母さんを助けるだめに、
アリアドネの森に行ったらガイと出会ったんですよね」
「ああ、あの時は覚えてるよ。
懐かしいな」
「最初は断ろうと思っていたら、
何だかんだあって仲間になったんですよね。
ああ、懐かしいです」
ガイと最初に出会った時は、
何か変なのが仲間になったと思ったが、
今では仲間になってくれて良かったと思っている。
「そしてアアルに、
魔族が攻めてきて魔族から町を守ったんですよね」
「ええ、かなり苦戦したけど無事に倒せて良かったわ」
あの魔族はかなり強かったが、
出来ればもう戦いたくないものだ。
「そして視察団から逃げるためにオデットに行ったら、
色々陰謀に巻き込まれてフォルトゥーナと出会ったんですよね」
「あの時は自由になる日が来るとは想像もしていませんでしたね。
セツナには感謝してますよ」
そうフォルトゥーナが目を細めて言った。
「そしてでトッドに目を付けられて、
何だかんだあって彼が傘下に入ったんですよね」
「あの変わりようには私も驚いたわ」
あの日からトッドは、
人格が変わったんじゃないかってぐらい性格が変わった。
何て言うか今では、
好青年という言葉がぴったりなぐらい真人間になった。
あれには周囲の人も驚いた。
「そしてイオに出会って村に行ったんですよね。
そしたらフォルトゥーナの首が切られて…。
あれは正直トラウマです」
最初見た時はダメだと思ったが、
神は不死らしいので生きていて良かった。
「ああ、あの後村人から、
首を切られた時の記憶を全部を消しましたが、
あれには骨が折れました」
「そしてサイクロプスと戦ったり、
アトランティスのロボットと戦ったりしたんですよね」
「ああ、あれは正直どうなることかと思ったわよ」
「そしてクライド君と出会ったんですよね」
「そういえば咎の輪廻教はあの後壊滅したらしいけど、
その後どうなっているんだ?」
「うーんとその後一切活動してないみたいです。
だからそのうち自然消滅するんじゃないでしょうか」
「そうか…」
咎の輪廻教は滅んで欲しい。
もうクライド君みたいに不幸になる人が減ってほしい。
「ところでダンジョンについてなんだけど、
あの経済効果はやばかったわね」
「ああ、確かにダンジョンが出来たおかげで、
多くの冒険者が訪れるようになりましたからね」
「そういえばダンジョンの最下層のヌシを倒せたのは、
私達だけみたいよ。
他の冒険者はみんなヌシが強いから、
無理して挑むより、無視することに決めたみたい」
「ああ、確かに負けたら全部パーですからね」
ダンジョンがアアルに与えた影響力はすさまじいものだった。
まず冒険者がアアルに殺到したおかげで、
宿は連日満席。ダンジョンでは死ぬこともないので、
普通の依頼よりも安心して挑めると評判になった。
ダンジョンで拾ったアイテムも高値で売れるため、
市場が賑わっているのは確かだ。
「その後パン屋を救ったり、
マーシャさんを助けたり、
エドナの誕生日を祝ったり色々ありましたね」
「それから訪れたコレーの町で、
また事件に巻き込まれたのだ」
「ああ、あの施設は酷かったですね」
「本当に酷いとしか言い様のない場所だったわね」
「それから色違いの魔物を討伐しましたけど、
人間と同じ程の知能はあっても、
何でわかり合えないんでしょうか」
「まぁ魔物が人間を襲うのはもう本能だから仕方ないわよ」
「そうですね。しかし色々あった一年でした」
「そうなのだ。セツナの体験は小説にしたら面白そうなのだ」
「事実は小説よりも奇なりですか。
確かにそうですね」
その時パンパンと花火が鳴る音がした。
「花火が鳴ったということは…」
「年が明けたのね」
「明けましておめでとうございます」
「うん、明けましておめでとう」
色々あった一年だったけど、
これからもみんなと過ごせたらいいな。
というわけで、今年もよろしくお願いします。
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